ファンプラットフォームを提供する「Gaudiy」|25億円の資金調達、Web3×エンタメ領域でグローバルな事業展開を加速
Web3時代のファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」を提供する株式会社Gaudiy(ガウディ)は、シリーズBラウンド・1stクローズにて25億円の資金調達を実施した。既存投資家のSTRIVE、JAFCOに加え、SBIインベストメント、KDDI、バンダイナムコエンターテインメントの3社を新たな引受先としている。
今回のラウンドにより、累計調達額は28億円となった。なお、今夏には2ndクローズでの追加調達を予定しているという。調達した資金をもとに、国内外での人材採用、本格的なグローバル展開、コミュニティサービスの拡充、Web3メタバース事業の開発に注力していく。日本が誇るエンターテインメント産業と、Web3の技術領域を掛け合わせ、世界を代表する企業を目指す考えだ。
Web3 × エンタメ領域で、世界を狙う
昨今、各国政府がWeb3に対して国として取り組む姿勢を表明するなど、Web3の時代が到来している。米シリコンバレーでは、優秀なエンジニアを中心に、巨大テック企業からブロックチェーンスタートアップへの転職ラッシュが止まらないほどの一大ムーブメントが起きている。
Gaudiyは2018年の創業から、Web3を実現するブロックチェーン技術と、コミュニティの領域で事業を展開してきた。投機的なNFTではなく、実用価値を与えるNFTの活用に可能性を見出し、ファンの熱量を高めるコミュニティサービスを提供している。
日本が誇る一大産業であるエンタメコンテンツは、キャラクターのメディアミックス総収益世界ランキングTOP25のうち、10を占めるなど絶大な人気を誇っている(※1)。また、Axie InfinityやSTEPNなどのNFTゲームが火付け役となり、エンタメを起点にWeb3の技術がマスへと浸透してきている。
Gaudiyは、Web3という「次世代のインターネット」と日本の「地の利」が活きるエンタメ領域を掛け合わせることで、グローバル市場に注力していく方針だ。
Gaudiyが解決する社会課題と提供サービス
Gaudiyは「ファンと共に、時代を進める。」をミッションとして、ファンの熱量を最大化するWeb3時代のファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink(ガウディ ファンリンク)」を提供している。
これまでに、ソニー・ミュージックエンタテインメント社、集英社、バンダイナムコエンターテインメント社、アニプレックス社をはじめ、著名なIPを有するエンタメ企業に本サービスは導入されてきた。
「Gaudiy Fanlink」を通じて提供されるコミュニティサービスには、IP公式に認められた場で、ファンが安心して主体的に活動できるという特徴がある。NFT、DIDなどのブロックチェーン技術を活用することで、IPに紐づく横断的なファンの活動データを記録・蓄積し、ファンの熱量が正しく評価・還元されるエコシステムを構築している。また、エンタメ企業のIP運営におけるコスト削減と、ファンのLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上を実現している。
既存のエンタメ産業は、外部プラットフォームにコンテンツの配信を依存する構造になっていることから、そのポテンシャルを最大化することができていない。「Gaudiy Fanlink」の提供を通じて、IPホルダーが外部プラットフォームよりも低コストで、自社に顧客基盤を形成できるようにすることで、エンタメ産業の課題を解決していく。
調達資金の主な使途
1. 人材の採用
エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーを中心に、優秀でユニークな人材を採用し、プロダクト中心型の組織づくりにより一層注力する。
2. 事業への投資
既存サービス「Gaudiy Fanlink」を拡充するための技術投資や、メタバースをはじめとする新規の事業開発に投資する。また、2022年内の東南アジア方面への展開を皮切りに、グローバル展開に注力していく。中長期的には、IPごとに独自のトークン上場支援を行っていく考えだ。
各投資家からのコメント
■STRIVE 代表パートナー 堤 達生 氏
『シリーズAラウンドで投資させていただいて以降、Gaudiyならびに起業家としての石川さんの成長には目を見張るものがあります。そういった中で、ようやく時代がGaudiyに追いついてきたなという印象です。Web3の世界は、まさにこれから急拡大していく市場です。Gaudiyが日本を代表するWeb3企業として、グローバルで活躍していくのを引き続きサポートしていきます。』
■ジャフコ グループ株式会社 パートナー 井坂 省三 氏
『2018年にご出資させていただいて以降、一貫して「Blockchain×コミュニティ」領域での事業創造に取り組まれてきており、Gaudiyが行うコミュニティ参加者へのインセンティブ設計は、中央集権的プラットフォームから、コンテンツやファンが主権を取り戻すきっかけになると期待しております。日本が世界に誇るエンターテイメントIPとの取組を実現し、decentralizationを加速させるべく、今回のラウンドに参加いたしました。』
■SBIインベストメント株式会社 投資部 マネジャー 山崎 卓郎 氏
『昨今、デジタル技術やゲーム・コンテンツ産業の発展に伴い、デジタル空間での交流や取引が普及する中で、デジタル空間での経済活動が現実世界に与える影響は大きくなることが考えられます。Gaudiy石川CEOが掲げている「Web3 × エンタメ領域」というコンセプトで、日本が誇る一大産業であるエンタメコンテンツを以て世界を狙う、という壮大なビジョンに共感するとともに、SBIグループがこれまで培ってきた金融事業のノウハウを活用し、デジタル空間でのエンタメ金融をGaudiy社と共に推進していくことに期待を込め、今回のラウンドにて出資させていただきました。』
■KDDI株式会社 事業創造本部 副本部長 中馬 和彦 氏
『今まさにWeb3というインターネット誕生以来の大きな波がきています。石川さんをはじめとしたGaudiy社はWeb3ネイティブな企業で、その変革を実現するための思想からテクノロジーまでの全てを持ち合わせています。今回の出資を契機に、KDDIはGaudiy社の事業成長及びグローバル展開への支援を通じて、新しいインターネットのスタンダードを共に創りあげていきたいと考えています。』
■株式会社バンダイナムコエンターテインメント 代表取締役社長 宮河 恭夫 氏
『当社は、バンダイナムコグループパーパス「Fun for All into the Future」のもと、世界中のIP(キャラクターなどの知的財産)ファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会と深く、広く、複雑につながる存在を目指し、ファンとつながるための新しい仕組みとしてIPごとのメタバースの開発に着手いたします。その上で、ブロックチェーンをはじめとした先進的なテクノロジーを駆使して新しい時代のコミュニティーを創り上げるGaudiy社の皆さまとともに、まだ誰も体験したことのない新しい世界をお届けしていきたいと考えております。』
※1…出典:TitleMax「The 25 Highest-Grossing Media Franchises of All Time」
※関連リンク:プレスリリース