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【潜入レポート】まだ間に合う!国内外720社超とオンラインでビジネスマッチングができる「産業交流展2021」の歩き方

【潜入レポート】まだ間に合う!国内外720社超とオンラインでビジネスマッチングができる「産業交流展2021」の歩き方

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コロナ禍で移動が制限されたことにより、展示会の場も「オンライン」上へと場所を変えた。しかし、コロナ禍が終息に向かいつつある今、「オンライン」と「リアル」のハイブリッドによる展示会の在り方が模索されている。2021年11月17日(水) ~12月10日(金) の会期で催されている「産業交流展2021」もそのひとつだ。

「産業交流展」とは、中小企業のユニークで優れた製品・技術を一堂に展示する展示会で、今年で24回目を迎える歴史ある見本市。東京都や東京商工会議所などが主催している。今年度のテーマは『Transform TOKYO ~未来を拓く、私たちの想像力~』。「情報」「環境」「医療・福祉」「機械・金属」の4分野を中心に、国内外から720社を超える企業・団体が集まったそうだ。

リアル展示会は、11月24日(水)~11月26日(金) の3日間、東京ビッグサイト南展示棟で催され、数多くの来場者でにぎわったという。一方、オンライン展示会は12月10日(金) 18:00まで入場可能だ。本記事では、バーチャル展示ブースも用意されたオンライン展示会場の歩き方を、体験レポートとして紹介する。

「産業交流展2021」オンライン展示会場の歩き方

それではさっそく、「産業交流展2021」オンライン展示会場に足を運んでみよう。オンライン展示会場エントランスには、5つの入口がある。「出展者検索」「展示会場入口」「講演・セミナー視聴」「出展者プレゼンテーション入口」、そして「産業交流展 Channel」だ。



■ まず「出展者検索」から入ってみる。ボタンを押下した先には、次のようなさらに詳しい検索画面が表示される。



検索方法は、「分野で検索する」「キーワードで検索する」「住所で検索する」「出展タイプ検索」「フリーワード検索」「五十音別社名一覧」の6つが用意されているようだ。

たとえば、環境関連の展示を見て回りたい場合は、「分野で検索する」の「環境」で絞り、検索を実行。すると、次のような検索結果が表示される。「この出展者を見る」ボタンをクリックすると、企業の個別ページを閲覧できるという流れだ。


来場の目的が明確になっている場合は、「出展者検索」から入ると効率よく求めている企業やソリューションに行き着くことができそうだ。


■ エントランスに戻って、次は「展示会場入口」から中に入ってみよう。まず表示されるのが、オンライン限定出展社一覧ページ。6つのテーマが並んでおり、いずれかを選ぶと、そのテーマの一覧にジャンプする。たとえば、「環境」のボタンを押すと、環境分野の企業一覧にまで飛ぶことができる。



一覧のトップに表示される「アオイ環境」を押してみたところ、バーチャル展示ブースが登場。どうやら1社に対して、1つの展示ブースが用意されているようだ。バーチャル展示ブースの中には、いくつかのディスプレイがあり、その企業のアピールしたい内容が展示されている。



ディスプレイ上の赤丸を押下すると、紹介ページが次のように拡大表示される。



便利だと感じた点は、「マイページに保存」機能があること。気になったページがあれば、ひとまずマイページに保存し、後からゆっくりと見返すこともできる。あるいは、「今すぐダウンロード」ボタンからダウンロードすることも可能だ。ただし、企業によってボタンの表示数は異なるようで、「資料請求・お問い合わせ」ボタンしか設置していない企業もあった。

企業の担当者と今すぐコンタクトを取りたい場合は、どうすればいいのだろうか――。画面を見渡すと、右上に「名刺交換や商談機能のご利用はこちら」というボタンがある。



クリックしてみたところ、商談担当者と名刺交換や、テキストチャット、ビデオチャット、ボイスチャットなどができる画面が表示された。商談受付時間も明記されているため、「突然、連絡をしても大丈夫だろうか」と戸惑うこともなさそうだ。

オンライン展示会場を歩いてみよう。マウス操作で隣のブースへと移動できるようだ。左下の地図とオレンジ色の矢印が歩くヒントになる。左下の地図を見ると、自分の立っている位置と向いている方向が分かる。移動をするとオレンジの矢印が出てくるが、この矢印を辿っていくと、オンライン会場内を隅々まで歩き回ることができる。



道に迷ってしまった場合は、左上の「会場マップ」が便利だ。「会場マップ」を押すと、次のような地図が表示される。テーマ別に色分けされているため分かりやすい。紫色の「異業種・団体ゾーン」が目立っているが、中国の企業が数多く出展している。



各企業の右上にある青丸にカーソルをあわせると、企業名と概要が表示される。青丸を押すと、各企業のバーチャル展示ブースへと移動できる設計になっている。



リアル会場だと、地図を開いた後、現地まで歩いて行く必要がある。しかし、この仕組みなら瞬時に目的地にたどり着くことができる。これは、オンラインならではの魅力ではないだろうか。


■ 歩き方のコツが分かってきたところで、エントランスに戻ろう。次は「講演・セミナー視聴」ページを覗いてみる。このページには、「産業交流展2021」で実施される講演やセミナーが一覧化されている。動画の一部はアーカイブされているので、期間中であればいつでも視聴することができるようだ。ノーベル物理学賞を受賞された天野浩氏(名古屋大学教授)や、製造業の受発注プラットフォームを提供する急成長中のスタートアップ・キャディ代表の加藤氏など、国内産業界をリードする著名人の講演もある。豪華なラインナップだ。



■ エントランスに戻って、次の入口「出展者プレゼンテーション入口」へと進んでみる。ここでは、一部の企業のプレゼンテーション動画を視聴できるようだ。



■ さらにエントランスに戻って、残る最後の入口へと進む。「産業交流展 Channel」だが、ここは日経BP総合研究所の取材班によるインタビュー動画がアーカイブされている。先ほどのプレゼンテーション動画とは異なり、対談となっている点が特徴のようだ。ほかにも、企業のPR動画なども視聴できる。これほどまで動画コンテンツが充実した展示会は、珍しいのではないだろうか。


脱炭素・感染症対策・プロセス効率化… 目的をもってオンライン会場を探索

おおよその機能を理解できたところで、次は目的を持って歩いてみよう。今回は、昨今の情勢を鑑み、ニーズの高そうな次の3つの目的を想定して、企業やソリューションを探索してみることにした。

【CASE 1】 自社に導入する脱炭素ソリューションを探す

【CASE 2】 感染症対策につながる新しいソリューションを探す

【CASE 3】 自社のプロセスを効率化するための技術を探す

【CASE 1】 自社に導入する脱炭素ソリューションを探す

どのようなソリューションがあるのか分からないため、まず「出展者検索」で調べてみることにする。「分野で検索する」の「環境」を選択すると、検索結果は79件。「出展者単位で表示」に切り替えると13件になる。ざっと見たところ、以下の2社が目についた。

■カネパッケージ株式会社

「包む技術」の限界に挑戦しているカネパッケージは、精密機械などを梱包する際に使われる緩衝材を製造している企業だ。カスタムメイドでの試作も可能で、あらゆる輸送状況を想定した試験も実施している。同社は「空気をきれいにする夢のパッケージ」をモットーに、CO2の削減にも取り組んでいる。よりCO2排出量の少ない緩衝材を提案している点もポイントだ。――緩衝材を見直すことで運搬時のトラブルを軽減すると同時に、SDGsへの対策も進められる。そんな一石二鳥ともいえる取り組みが実現できるのではないだろうか。


■株式会社リバティークリエイト

リバティークリエイトは、杉の間伐材ラベルやバイオマススプーン・フォークのほか、卵殻をリユースしたバイオマスプラスチック、小規模バイオマス発電などを取り扱っている企業だ。とくに興味深いのが、小規模バイオマス発電。燃焼材には林地の残材、製材廃材、建築廃材などを利用することもできるそうだ。燃焼能力は材木1日5t、発電能力は10~50kw(低圧)なのだという。――エネルギーの再エネ化を迫られる今、バイオマス発電もひとつの選択肢になりうるかもしれない。


【CASE 2】 感染症対策につながる新しいソリューションを探す

続いて、感染症対策につながるソリューションを探してみる。こちらに関しては、「会場マップ」から探索してみよう。感染症対策ゾーン内に出展する企業は2社。そのうち、ケーアンドエス社は洗浄・除菌・消臭水を展開する企業のようだ。

■ケーアンドエス (K&S)株式会社

ケーアンドエスは、ウルトラファインバブルという超微細な泡と強アルカリイオン水でできた洗浄・除菌・消臭水「GBW(グリーンバブルウォーター)」を開発・展開している。GBWの特徴は4つ。1つ目は、純水と食品添加物としても使われる炭酸カリウムのみを成分としているため、人肌に優しいこと。2つ目は、合成界面活性剤などの化学薬品や環境汚染物質は使っていないため、安全性が高いこと。3つ目は、洗浄・除菌・消臭力が高いこと。4つ目が、持続可能な製品であることだという。――人肌に優しいことから、医療・介護・保育施設などに導入・提案できる可能性があるのではないだろうか。


【CASE 3】 自社のプロセスを効率化するための技術を探す

続いて、プロセスの効率化を実現できる技術を探してみよう。様々な検索方法が考えうるが、ここでは「出展者検索」で、分野を「情報」と「機械・金属」に絞り、キーワードで「AI・IoT・ロボティクス」を選択。検索結果の中から、気になる企業を2社、ピックアップした。

■インフィニテグラ Infinitegra, Inc.

インフィニテグラは、ウェアラブルカメラと通信システム「ラズビジョン」を開発・提供する企業だ。ヘルメットや帽子・安全メガネ・安全帯などに装着可能な小型ウェアラブルカメラと、通信システムをセットで提供している。カメラをスマホにつなぎ、最短2回タップするだけでビデオ通話を開始できる。遠隔地にいる他のスタッフとつなぎ、ウェアラブルカメラから映し出される画像を一緒に見ながら、作業を行うといったことが可能だ。――工事現場やメンテナンス現場などに導入すれば、コミュニケーションをより円滑にできそうだ。


■ユニバーサルロボット

ユニバーサルロボットは、出荷台数50,000台以上を誇る、協働ロボットのリーディングカンパニー。安全柵を必要とせず、専門知識がなくてもプログラミング可能な協働ロボットを提供している。ねじ緩め、金属プレス加工、溶接など、さまざまなシーンで活用できるという。――人材不足が叫ばれる昨今、ロボットの手を借りるというのも、ひとつの方策かもしれない。


リアル展示会を360度撮影した「VR展示会」も公開

11月24日(水)~11月26日(金) の3日間、東京ビッグサイトで「リアル展示会」が開催された。その様子を360度で撮影して準備された「VR展示会」も公開されている。タイミングが合わず、リアル展示会に足を運ぶことができなかった人も、VR展示会を通じて現場の雰囲気を味わうことができるそうだ。

取材後記

物理的な距離があったとしても、興味のある企業と瞬時につながれる点は、オンラインだからこその魅力ではないだろうか。一方で、実機に触れて操作感を確認したり、会場の盛り上がりを肌で感じたりと、その場でしか得られない臨場感もあるだろう。オンラインとリアルのハイブリッドで催された「産業交流展2021」からは、時代の転換期にある展示会の在り方が示されているように感じた。オンライン展示会は12月10日(金) 18:00まで。少しでも興味がわけば、ぜひ「産業交流展2021」のオンライン展示会場を覗いてみてほしい。

(編集:眞田幸剛、取材・文:林和歌子)

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