【10/29 応募締切】地域版SOIP<中国編>説明会レポート!―サッカー・バスケのホストチームが語る共創テーマと提供アセットとは?
地域に根差したスポーツチームと共に、ビジネスアイデアの社会実装を目指す「INNOVATION LEAGUE SPORTS BUSINESS BUILD(ビジネスビルド)」――。スポーツとあらゆる産業の共創により、新たなビジネスを生み出すことを目的として、スポーツ庁が主催するアクセラレーションプログラムだ。
本年度は、北海道、関西、中国、沖縄の全国4つのエリアで、プログラムを同時に開催する。各エリアに根差すスポーツチームが、共創したいテーマを提示し、全国からビジネスアイデアを募る。選ばれた企業は2日間にわたって催されるビジネスビルドで、ビジネスアイデアをブラッシュアップし、事業の骨組みまでを創る。ビジネスビルドで採択された企業は、各スポーツチームと共にインキュベーションへと進む流れだ。
11/24(水)・11/25(木)に「INNOVATION LEAGUE SPORTS BUSINESS BUILD CHUGOKU」が開催される中国エリアからは、「サンフレッチェ広島(サッカー)」「広島ドラゴンフライズ(バスケットボール)」「レノファ山口(サッカー)」の3チーム・団体が参戦。去る10月5日、各チームの代表者がテーマについて説明するオンライン説明会が開催された。5県すべてにプロスポーツチームが存在し、プロスポーツビジネスのポテンシャルが非常に高い中国エリア。ホストチームにはどのようなアセット・リソースがあるのか?そして、共創によって描く未来とは?――本記事では、その説明会の様子をレポートする。
※関連記事:【地域版SOIPに迫る<中国エリア編>】20チーム以上!プロスポーツ大国「中国エリア」からは、サッカー・バスケが参戦!共創への想いを、各チームが熱く語る!
【パネルディスカッション】 スポーツチームを活用したビジネス成功事例
各チームの説明に先立ち、「スポーツチームを活用したビジネス成功事例」と題し、パネルディスカッションが行われた。登壇者は、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ) 社会連携室 室長 鈴木順氏、プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社 代表取締役 インキュベーター 平地大樹氏、そしてモデレーターをスポーツデータバンク株式会社 代表取締役 石塚 大輔氏がつとめた。
■Q1:企業がスポーツチームを活用した、JリーグとBリーグの事例
1つ目のテーマは、「企業がスポーツチームを活用した事例」。Jリーグ、Bリーグにおける事例を話すことで、地域版SOIPの可能性を感じてもらいたいと、石塚氏は語った。
以前、川崎フロンターレにてイベント企画や営業などを担当していた鈴木氏は、スタジアムでのテント宿泊体験企画の事例を紹介。これは、1人用~家族用まで多様なタイプのテントをスタジアム内に張り、非日常な空間で過ごそうというものだ。しかしクラブ単体では、モノもお金も足りない。大切なのは、「声に出して『使わせてください!』と言うこと」だと、鈴木氏は述べる。この企画では、テントはアウトドアメーカーのコールマンが貸し出し、さらに寝袋も来場者にプレゼントした。
石塚氏は、「キャンプになじみのない人も、フロンターレを経由して、コールマンを知ることになる。新規顧客の獲得という面で、企業にとってのメリットは大きい」とうなずく。それに対し鈴木氏は、「Jリーグ×Bリーグといった異種スポーツ同士の掛け合わせも親和性が高いが、まったくスポーツに関係のなさそうな企業との掛け合わせをすると、市場の可能性が広がる」と話した。
さらにこの企画は、川崎市も共催。スタジアムは川崎市が所有する施設であり、借りるには費用が発生する。そこで、「防災体験」という目的を加え、川崎市から防災レクチャーを行う時間も設けたのだ。スタジアムは災害時の避難場所でもあるため、市民にその意識を浸透させることにもつながる。まさに、クラブがハブとなり、地域住民、企業、自治体をつなげる役割を果たす事例だ。仲間を集めることで、「お金がないからできない」ではなく、知恵とアイデアと連携で解決していくことの大切さを、鈴木氏は訴えた。
元バスケットボール選手であり、現在はスポーツ業界でのデジタルマーケティングを行うプラスクラス・スポーツ・インキュベーションの代表である平地氏は、Bリーグの事例を紹介した。札幌市をホームタウンとするレバンガ北海道と、札幌市に本社を構えるドラッグストアチェーン「サツドラ」との取り組みだ。
毎月、レバンガ北海道のトップファイブプレーを編集し「マンスリーハイライト」としてSNSで配信するが、その映像の合間にレバンガのマスコットキャラクターが「サツドラの今月の売れ筋商品」を紹介する。「商品単体で紹介するのではなく、ちゃんとファンが喜ぶコンテンツのなかに、商品紹介を織り込んでいくことがポイント」だと、平地氏は語る。さらに、ホームアリーナでのハイライトは、レバンガ北海道のアカウントで投稿し、アウェーでのハイライトはサツドラのアカウントで投稿。つまり、両者の相互送客につながる仕掛けもつくったのだ。
映像をつかったアクティベーションや、プロスポーツチームの活用は、今後増えていくと、平地氏は予測する。そこに加えて、「いきなりプロ野球チームとの企画をしようとすると、予算も規模もかなり大きくなるが、Bリーグのチームでは比較的予算を抑えて始めることができる」と、平地氏は語った。自社のマーケティング活動もクラブの応援もしながら、まず小さく始めて成功体験をつくっていく。それから、より大きな活動に広げたり、他のエリアに展開したりする。その最初の一歩に、Bリーグのチーム活用ができるのではないかという。
■Q2:スタジアム・アリーナを活用した企業PRのJリーグとBリーグの事例
続いてのテーマは、「スタジアム・アリーナを活用した企業PRの事例」。スタジアム・アリーナを様々なコンテンツで強化し、新たな顧客の開拓や新しい観戦体験を提供することは、多くのチームが課題に感じているところだろう。
鈴木氏は、「試合というビッグコンテンツから、非日常空間をつくることは非常に重要。ただ、試合が開催されるのは、年間で多くて30日程度。残りの300日以上を、”ただの箱”にしないように、どう活用していくのか。企業のネーミングライツだけではなく、その場で何ができるのかを考えることが重要」だと強調する。そこで必要な観点は、地域とのつながりだ。地域の人が「ここにスタジアムがあって良かった」とならなければ根付かない。特別な体験でファンエンゲージメントを高めることも大切だが、365日スタジアム・アリーナという観点で、日常におけるシチズンエンゲージメントの向上も、両輪で考えていくことが必要だという。
平地氏は、「まずスタジアム・アリーナがあること自体、素晴らしい」と語る。昨年開業した「沖縄アリーナ」には、両側面にボックスシートと呼ばれるVIPエリアが合計30室ほどある。スポーツ観戦というエキサイティングな場で、スポンサー企業が商談を行うことで、いいアイデアが生まれたり、前向きに話ができたりするだろう。
さらに平地氏は、ニューヨークのブルックリンにある「バークレイズ・センター」の事例を紹介。このアリーナのVIPエリアに入る通路、トイレなどの空間にチームのスポンサーであるカルバン・クラインの香水をまき、香りでアクティベーションをしているという。「こうしたPRは、日本でも行えるのではないか」と、平地氏は述べた。さらに、Bリーグはまだコンテンツとしては小さく、費用面でも活用しやすい。だからこそ、アリーナのなかでテストマーケティングを行い、反応をみながら周辺のエリアに広げていくことが可能だという。
石塚氏は、「香りは記憶にも結び付くため、非常に面白い取り組み」だと感想を話し、最後に鈴木氏と平地氏にプログラムへのメッセージを促した。
鈴木氏は、「共創パートナーとして応募した企業を、サッカーとバスケットボールで取り合うような狭い視界の話ではなく、みんなで応援できたら世界が大きく広がるのではないか。プログラムの運営主体であるスポコラファイブ(※)には、今回のホストチームを含め20チームのプロスポーツチームの賛同がある。ぜひ”Think Big”でやって欲しい」と語った。
※スポコラファイブ=スポーツ関連産業を創出することを目的とする、中国5県のプロスポーツチームを核としたビジネス面の連携ネットワーク。現在は中国5県で活動するプロ、独立系スポーツクラブ20チームが賛同し、スポーツチームを活用した地域活性化に取り組む。
そして平地氏は、「ホストチーム3チームとともにオープンイノベーションを進めつつ、ぜひ中国エリア20チームへのアクセラレーションという視点も入れていきたい。5県すべてにプロスポーツチームが存在する中国エリアには、その広がりを非常に期待している。きっとレバレッジがきくアイデア、ビジネススキームができるのではないかと思う」と、締めくくった。
【サンフレッチェ広島】 「新スタジアムから拡がる新たな地域連携」
続いて、今回のホストチームが、テーマについて発表を行った。
サンフレッチェ広島からは、スタジアム総合戦略推進室の常森大和氏が登壇。1992年設立、Jリーグ発足当初から加盟する”オリジナル10”であるサンフレッチェ広島は、来年度設立30周年を迎える。2020年、女子プロサッカーリーグ「WE.リーグ」創立にあたり、中国・四国・九州で唯一の女子プロチーム「レジーナ」を創設した。
常森氏は、コロナ禍によりスポーツクラブにとっては、入場者数減、スポンサー収入減、イベント露出減など、目の前には課題だらけだと本音を述べる。ただ、「そのなかでも私たちは、短期的なものよりも、中長期な視点で課題設定を行いたい」と、前向きな姿勢を示した。
そのための大きなリソースとなるのが、2024年開業予定の新サッカースタジアムである。広島市の中心部に建設される3万人規模のスタジアムでることだけではなく、商業施設を内包した新たな都市公園が一体となったスタジアムパークとなっている。
本事業は広島市を主体とし、広島県、広島商工会議所、そしてサンフレッチェ広島が一体となったスキームで、事業費用は約270億円、年間集客目標は220万人を掲げる。新スタジアムの建設場所は、広島市の中心部にある中央公園広場で、JR広島駅から2kmほどの徒歩圏に位置する。現在のスタジアムがJR広島駅より直線距離で約10kmであることから、かなり都市中心部に近づくことになる。
そして周辺には、観光資源、官公庁、大型商業施設、そして11の商店街・約820の店舗が存在する。常森氏は「新スタジアムは、単に街の中心に位置するだけではなく、そしてサッカーの魅力のみを体験していただくだけではなく、広島を一層魅力ある街にするために貢献していくことが必要」と語る。そのためにも、都市中心部で日々頑張る商業施設・商店街・事業主の仲間に加わり、手を取り合って連携することが大切だと考えているという。
こうした背景を踏まえ、サンフレッチェ広島は3つのテーマを設定。
(1) 地域を巻き込んだ、新たなエンターテインメント
(2) スタジアムから始まる街づくり
(3) ファンのエンゲージメントを高めるソリューション
そのために活用できるリソースとして、まず来場者とのタッチポイントがある。コロナ前は平均1万4000人ほど、年間約26万人が来場。新スタジアムでは、年間45万人の入場目標を掲げている。クラブのSNSやオウンドメディアを活用した企画も可能だ。また、クラブ一筋で選手を引退し、CRMに就任した森崎和幸氏、そしてアンバサダーの森崎浩司氏と連携したPRも期待できる。なによりもサンフレッチェ広島というフィルタを通した地域との連携が大きなリソースだ。
中国は山あり、海あり、都市ありと、全国的にみても高資源のエリアだ。スポーツが街づくりに貢献する土壌も十分ある。そのなかで、リアル・デジタル両面の強みを活かしてイノベーションを起こし、地域の活性化につなげる。その核となるのが、新スタジアムだ。共創パートナーと共に中国地方を盛り上げ、サステナブルに運用できる提案、何より地域貢献のために汗をかいていきたいという。
【広島ドラゴンフライズ】 「ファンのエンゲージメントを高める新たな観戦体験の提供」
続いて、広島ドラゴンフライズから、興行部チケット課/新アリーナ準備室 下山 航氏が登壇した。同クラブは、2013年設立。Bリーグ発足以前は、NBLで2シーズン、Bリーグでは6シーズン目となる。クラブスローガンは、「広島に、バスケでつながる風景を。」、バスケットボールを広島に根付かせるべく活動をしている。
広島ドラゴンフライズは、現在Bリーグの1部西区に所属。年間試合数は60試合で、ホームゲームは30試合となる。今回は、このホームゲーム30試合の会場での観戦体験の向上を目指す。来場者数は、コロナ前の2019-20が2000人強。コロナ禍においては2000人弱。売上は着実に伸びているという。また、来場者は女性が56%と多く、年齢のボリュームゾーンは30代後半から40代前半となっている。
今後の展望としては、テクノロジーの導入と、新たなエンターテインメント創出を掲げる。2026年にBリーグのライセンス基準が変更されることから、新アリーナの建設を目指す。それまでは現アリーナを使用していくが、まだそこではテクノロジーの導入や、お客様へエンターテインメントを届けることが十分にできていない。
そこで広島ドラゴンフライズが掲げたテーマが、この2点だ。
(1) 来場者に向けたここでしか見られない特別な演出
(2) 来場者に向けた特別な体験による価値創出
コロナ禍で、なかなか試合会場に足を運ぶことは難しい状況ではあるが、クラブとしては試合会場への来場客をより大切にしていきたいという想いがある。チーム選手とファンとのタッチポイントが減少しているため、今後増やしていきたいという。
さらに下山氏は、これら2つのテーマを実施するうえで、課題を2つ提示した。まず1つ目は、アリーナのハード面に大きな制約があることだ。現在使用しているアリーナのライトが水銀灯であるため、スムーズな操作が難しい。また、アリーナの規定により、炎を使用した演出は禁止されている。ただ、そうした制約があるなかでもテクノロジーの力を使い、疑似演出などで非日常の体験を届けたいという。
2点目の課題は、コロナ禍によりイベントが中止になり、ファンと選手とのタッチポイントが減少していることがある。来場客としても、新規のファン獲得が困難である。そこから、よりライトなファンに非日常な体験を届けたいという狙いがある。
そして活用できるリソースとしては、現在のアリーナで使用している大型ビジョンがある。こちらは3メートル×4メートルの大きさで、最新型のビジョンとなる。
また、アリーナの屋外スペースに3×3のコートを設置するなど、試合以外の場でも提供できるリソースがある。さらに、SNSのフォロワー数は、Twitterが約3万3000、Instagramは約1万6000、Facebookは約1万8000である。
最後に下山氏は、コロナ禍において、アリーナへの来場を最も大切にしていきたいという想いを再度語り、そこでより来場者に非日常の体験を味わってもらい、リピートにつなげていきたいと述べた。
【レノファ山口】 「ダイバーシティを軸とした新たな観戦体験の提供」
最後に、レノファ山口の取締役 広報室長/経営管理部長/レディース統括責任者 柴田 勇樹が登壇。2006年に設立されたレノファ山口は、2015年にJ3加入、そして2016年にJ2に昇格した。山口県の全19市町とホームタウン提携していることも特徴のひとつだ。Jリーグでは比較的新しいチームだからこそ、チャレンジをどんどんしていきたいと柴田氏は述べた。
そんなレノファ山口では、3つのテーマを提示している。
(1)障がいをお持ちの方も楽しめる新たなスタジアム観戦体験
(2)高齢者の方も楽しめる新たなコンテンツ
(3)世代・性別・サッカーの知識レベルに関わらず楽しめる新たな観戦体験
テーマの背景にある大きなポイントは、ダイバーシティだ。1試合当たりの平均入場者数は、昨年度はコロナ禍ということで2000人強だったが、コロナ前は6000人前後で推移。年間のべ12万人の来場者がある。そのなかで大きな特徴としては、観戦者の同伴者に家族が多いことだ。Jリーグ全体では、家族同伴者が54.1%なのに対して、レノファ山口は67.1%と、とびぬけて多い。これから、さらに家族同伴の来場者を増やしたいという。
ただ、家族に障がい者や高齢者がいる場合、どうしてもスタジアムでの観戦に二の足を踏んでしまうことがある。実際に観戦者の年齢を調査したところ、60歳以上の割合がJリーズ平均をわずかに下回った。そこで、障がい者、高齢者も共に楽しめるスタジアムをつくりたいという。
もうひとつのポイントは、観戦体験。いま、Jリーグの試合は全試合配信されているが、スタジアムには来場しなければ分からない空気感がある。その状況で、来場に二の足を踏む人がでることは、クラブとしても本意ではない。そこで、ダイバーシティを前提とした観戦体験の提供を目指す。
そのためのリソースとして、柴田氏は4つ挙げた。1つ目は、スタジアムだ。ホームの「維新みらいふスタジアム」は、レノファ山口の所有ではないが、基本的に試合の日にスタジアムで使えるリソースはすべて提供できるという。メインスタンドには屋根もあり、観戦しやすい環境だ。2つ目は、ホームスタジアムで試合が行われる日に開催される「オレンジドリームパーク」。キックオフ4時間前より、スタジアムの場外ではイベントや飲食店など、さまざまなブースが出店される。この場を活用することも可能だ。
そして3つ目のリソースは、自治体との連携だ。レノファ山口は、県内全19市町とホームタウン提携をしているため、官民連携の取り組みを企画することもできる。さらに4つ目は、メディアへの展開だ。レノファ山口は県内で知名度が高く、テレビ局やラジオ局など様々なメディアで応援番組や、番組内コーナーがある。そこで、共創の取り組みなどを取り上げる提案も考えられるという。
最後に柴田氏は改めて、ダイバーシティ、そしてダイバーシティを軸とした観戦体験を達成するための事業を行いたいとテーマを語り、応募を呼びかけた。
取材後記
パネルディスカッションで、「企業のスポーツチーム活用」や「スタジアム・アリーナを活用したPR」についてリアルな成功事例が示されたことで、共創イメージがより具体的になったのではないだろうか。パネルディスカッションで鈴木氏が「スポーツチームが“ハブ”となり、地域、企業、自治体をつなげる」と語り、平地氏は「企業はもっとスポーツチームをうまく活用した方がいい」とコメントしていたが、スポーツチームとの共創は、企業の事業の可能性を大きく広げてくれそうだ。
今回のホストチーム「サンフレッチェ広島」「広島ドラゴンフライズ」「レノファ山口」とも、さまざまな共創ができるはずだ。ぜひ「INNOVATION LEAGUE SPORTS BUSINESS BUILD CHUGOKU」への応募を検討してほしい。応募締切は10/29(金)だ。
なお、本説明会の模様は以下URLにてアーカイブされている。より詳しい内容については以下より動画を視聴いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=zSCA4MGiSPE
(編集:眞田幸剛、取材・文:佐藤瑞恵)