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【連載/4コマ漫画コラム(68)】地方での新規事業の生み出し方

【連載/4コマ漫画コラム(68)】地方での新規事業の生み出し方

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東京一極集中解消、始動!

パソナの淡路島への本社移転は別格としても、COVID-19をきっかけにそれまで長―く話題には上り続けていたものの中々実現しなかった(実態は逆行?)「東京一極集中解消、地方移転」が本格的に動き出そうとしています。

COVID-19によってテレワークが一気に進み、「あれ?どこでも仕事できるじゃん」という実感が生まれたのがその最たる理由でしょう。(関連記事:「with/afterコロナ」時代の新しい事業の芽とは?

オンラインでの打ち合わせは「ネットワーク外部性(価値が利用者数に依存)」に深く関連しているので、「クリティカルマス」と呼ばれる一定の普及率をCOVID-19で一気に越えて「当たり前」レベルになりました。COVID-19以前は、「こんなのオンライン会議での打ち合わせで充分なのに…なんでダメ?」というケースが多々ありましたが、最近は殆ど問題なく相手もオンライン会議に応じてくれるようになりました。

当たり前のシステム導入に遅れていたこと (セキュリティのためにPCにはカメラがない、等) もありますが、「やったことがないから不安」という気持ちが払拭されたことも大きいです。

単純に、いい時代になったと思います。(特に個人業の私にとっては(^o^;))

東京でないと…は絶滅手前?

「東京でないとビジネスはできない」という時代は終わりました。言い切っていいと思います。

「同じ会社やチームの人間が毎日でなくても顔を合わせた方がいい」というのは変わらないという意味では「リアルなオフィス」は在った方がいいでしょう。しかし、それが東京でなければいけないということはありません。

客先やパートナーとの打ち合わせはオンライン会議で問題ないし、必要に応じてたまにはface to faceで会えばいいだけです。

東京にいて、毎日毎日長時間の痛勤電車に詰め込まれている時間を総計してみると、その分、地方に住めば無駄な通勤時間がなくなり、たまに外出したり出張する方に少し長めの時間を費やしても「おつり」がくるでしょう。

物流網も以前から比べると格段に進化して、日本国内であれば二日以内には殆どの地域でモノも届きます。

「いやいや、まだまだ一気に地方にオフィスを移すという訳にはいかんだろう」と思っている人も多いでしょう。その思考停止状態は恐竜絶滅に似ています。確かに現時点では「東京より地方の方があらゆる面で仕事に向いている」というレベルにまでは達していません。しかし、もう時代は動き出しています。

課題を乗り越えるために

地方に仕事場を移すことで生じる様々な不具合や問題を自ら実体験を通じながら解決していく、ということを早いうちに行わなければ、「最新のビジネスの進め方の常識」から遅れを取り、ひいては会社の業績の劣化を招いていくでしょう。

地方移転で生じる様々な課題は、先ほど述べた「『東京での通勤時間の総計』と『地方からの出張や外出時間』との比較」のように、一段高い視点で考察することが必要です。分かりやすい事例では、「東京にオフィスを持ち続ける費用」と「社員の移転費用や生活補助を充実させてかつ魅力ある新オフィスを地方に新築するための総費用」を比較する、などです。

また、「空港から遠い」を逆手にとって、「ウチの会社では出張は前泊・後泊を基本とする。また、後泊後の一日は出張先の地域を知るために特別休暇を与える」などの特別ルールを作る等も魅力的かもしれません。

既存事業との適切な距離が簡単に

「そうは言ってもなあ」という声が聞こえてくる気がします。

そういう方(とか会社)にオススメなのが、本日のお題である「新規事業」です。

「新規事業」を進めるための一つのポイントは、うまく適切な「既存事業との距離」を作ることです。社内ルールの適用や、予算の配分なども既存事業とはちょっと違う設定が必要です。また、「雑音」や「雑用」から遠ざけて新規事業の立ち上げに邁進できる環境が必要です。その手の環境を、「出島モデル」とか「スカンクワークス」という言い方で表したりします。

そういう新規事業用の環境を地方で作ることから始めるのがいいでしょう。新規事業の成功パターンとして今後「地方で立ち上げる」ことが広がっていくと確信しています。

だから、決して「島流し」とかいう言葉は使わないようにしましょう。そんなメンタリティーでは新しいことへの挑戦などできません。「島獲得!」とか「島構築!(なんとなく島耕作…)」です。

あれこれ浮かびながら2つのタイプ

ここまではある程度大きな会社を念頭に「新規事業」と「地方」の話を書いてきました。「グローバル規模」「(少なくとも)日本全国規模」の新規事業も環境が整ってくるので、地方でやった方がいいということです。(ビジネスとはちょっと毛色は違いますが、平田オリザさんが劇団「青年団」を兵庫県豊岡市に移転し、『グローバル』な世界最大の国際演劇祭開催を目指し、かつ国際観光芸術専門職大学(仮称)の開学にこぎつけようとされていることが頭によぎりながら書いています(※))

一方、「その地方ならではの地方に足が着いた新規事業」の場合は、当たり前ですが、その地方で絶対にやらなければなりません。どれだけその地にほれ込み、その地の人にほれ込み、その地の宝にほれ込むかがベースで、必要に応じて「グローバル」な視点を持ち続けることが必須でしょう。(この部分を書いている時は、知り合いの山田拓さんがやられている「(株)美ら地球(ちゅらぼし)」が頭に浮かんでいます)

「で、アナタは東京じゃないの?」……私が住んでいるのは神奈川県川崎市で、確かに直線距離100mほどで東京都になりますが、ホタルやヤマカガシが出る自然豊かな地方っぽいストレスフリーな所です。個人業なので痛勤はないし(^o^;)。

※関連リンク:

https://www.projectdesign.jp/201909/area-hyougo/006827.php

https://www.tajima-kakeru.jp/


■漫画・コラム/瀬川 秀樹

32年半リコーで勤めた後、新規事業のコンサルティングや若手育成などを行うCreable(クリエイブル)を設立。新エネルギーや技術開発を推進する国立研究開発法人「NEDO」などでメンターやゲストスピーカーを務めるなど、オープンイノベーションの先駆的存在として知られる。

▼これまでの4コマ漫画コラムがアーカイブされている特設ページも公開中!過去のコラムはこちらをご覧ください。

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