病害虫防除をDXするアプリを開発するミライ菜園が全農群馬県本部と業務提携、農業現場への実装を加速

“表情豊かなアバター”に“歌うモナリザ”も　「感情を表現する生成AI」の進化と活用

対話型音声AI SaaSのIVRy、シリーズCラウンドで30億円の資金調達を実施、累計調達額は49.5億円に

【OKI×ロンコ・ジャパン】物流業界の課題に“共創”で挑む。配送計画最適化サービス「LocoMoses」誕生秘話

産官学連携によって革新的な酸化制御技術を事業化するプロジェクトが内閣総理大臣賞を受賞！「第6回 日本オープンイノベーション大賞」で選ばれた16の取り組みとは？

AIを活用したキャリアコンサルタント業などを展開するフォワード、プレシリーズAラウンドで1億2000万円を調達

ヘルステックカンパニーFiT、京都銀行より6億円の資金調達を実施

日本の農産物の生産から販売まで一気通貫で展開する「日本農業」、約42億円の資金調達を実施

【ディープテック基礎知識⑬】食糧問題・環境問題の救世主「植物工場」の可能性と問題点

國次将範

<p><a href="https://www.mirai-scien.com" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社ミライ菜園</a>は、 全国農業協同組合連合会群馬県本部との業務提携契約を締結したことを発表した。</p><h2><mark>提携の背景</mark></h2><p>ミライ菜園は“農業の経営リスクを最小化する”をミッションに、病害虫の発生を予測するAIアプリMIRAIの開発を進めている。現場で必要とされる・役立つアプリを作り上げるには、生産者やJA指導員からのフィードバックが欠かせない。今回、全農群馬県本部との連携を通して、県内の生産者やJA指導員との関係構築を進める。また、意見収集と改善を繰り返すことでアプリのPMF（プロダクトマーケットフィット：プロダクトがユーザーと市場に受け入れられること）を実現すると共に、営農指導DX、農業DXに資するビジネスモデル構築を目指す。</p><h2><mark>提携詳細</mark></h2><p><strong>1)群馬県内JAとの関係構築・連携強化</strong></p><p>全農群馬県本部からの紹介により、ミライ菜園は県内JAとの関係構築を進める。将来的な導入を見据えながら、現場の生産者やJA指導員からのフィードバックを継続的に収集。アプリに求められる機能・仕様を明確にし、改善を図る。</p><p><strong>2)スタートアップとの連携事例創出</strong></p><p>マーケットリーダーとして長く農業を支えている全農群馬県本部と、スタートアップであるミライ菜園が連携することで農業を変革し振興する、その成功事例創出を目指す。</p><p><strong>3)農業現場の課題解決に向けた開発連携</strong></p><p>二者で開発方針をすり合わせながら、農業DXによる現場の課題解決を目指す。農業生産・加工・流通現場における労働力不足の解消、現場労働の作業軽減と効率性の向上、ならびに消費市場への安全・安心な農畜産物の供給体制の強化に向けた新たな事業モデルを構築し、日本農業の発展と日本の食と農の国際競争力強化に貢献する。</p><p>関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000083617.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">プレスリリース</a></p><p>（<a href="https://twitter.com/tomoruba" target="_blank" rel="noopener noreferrer">TOMORUBA編集部</a>）　</p>

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富田直

眞田 幸剛

<p>生成AIがまた一歩、人間に近づいた。動画生成AIのプラットフォーム「Synthesia」を展開する英国のSynthesiaは、豊かな表情で発話する「expressive AI Avatars（エクスプレッシブ AIアバター）」を4月25日にリリース。怒りや興奮が表情から伝わるAIアバターは、技術の進化を感じさせる。</p><p>また、同時期に発表されたMicrosoft Research AsiaのAIフレームワーク「VASA-1」は、静止画と音声クリップから、人物が話したり、歌ったりする動画を生成する。さらに、5月13日（米国時間）に発表されたOpenAIの新AIモデル「GPT-4o（フォー・オー）」は、人間と話しているかのような自然な音声会話を実現する。</p><p>世界のスタートアップが取り組むイノベーションの"タネ"を紹介する連載企画<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/series/Global%20Innovation%20Seeds" target="_blank" rel="noopener noreferrer">【Global Innovation Seeds】</a>第53弾では、どんどん“人間らしく”なっていく生成AIの進化を伝えたい。</p><p>※サムネイル画像：Synthesiaの公式ホームページより</p><h2><mark>感情を持っているようなAIアバター「expressive AI Avatars」</mark></h2><p>以下2つのポストは英国企業のSynthesiaがリリースしたばかりの「expressive AI Avatars」の紹介動画だ。喜び、怒り、興奮といった感情を表情と語調、ボディランゲージで表しながら、自然に発話するAIアバターの様子が映し出されている。繊細な表情の変化や人間らしい発話に驚かされた人も多いかもしれない。</p><p><a href="https://twitter.com/synthesiaIO/status/1785256446969462953">https://twitter.com/synthesiaIO/status/1785256446969462953</a></p><p><a href="https://twitter.com/synthesiaIO/status/1783140418563010992">https://twitter.com/synthesiaIO/status/1783140418563010992</a></p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/4554/upload/532K_8-2_ZcXml1MwZaNng.png" alt="" width="1200" height="681"><p><span style="color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: #9c9c94; ">▲160以上が制作されているSynthesiaの次世代AIアバター（Synthesiaの公式ホームページより）</span></p><p>Synthesiaの公式ホームページには、年代、性別、人種の異なる複数の次世代AIアバターがずらりと並んでいる。2024年5月時点で160以上のアバターの種類があり、服装もビジネスシーンで使いやすいスーツや制服、作業着から、Tシャツやノースリーブなどカジュアルなものまで幅広い。</p><p>これらのアバターを活用すれば、テキストを用意するだけで、表情豊かで自然な音声の動画をわずか数分で作れるという。発話可能な言語は130以上となる。</p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/4554/upload/bSGZVrtHekqtunn74Lg1-A.png" alt="" width="1200" height="673"><p><span style="color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: #9c9c94; ">▲expressive AI Avatarsの開発には、俳優が話す姿を撮影したデータを活用しているそうだ（Synthesiaの公式ホームページより）</span></p><p>このexpressive AI Avatarsは、同社のスタジオで数十人の俳優が身振り手振りを加え表情豊かに話す様子を撮影し、それをアバターに反映させて作り出しているそうだ。</p><p>Synthesiaの動画生成AIプラットフォームは、年間で36分のビデオ制作、6人のAIアバターと制限はあるが無料でも利用できる。有料プランは「Starter」（22ドル／月）、「Creator」（67ドル／月）、「Enterprise」（要相談）の3つとなる。</p><h2><mark>研修にマーケティングも。AIアバターのユースケース</mark></h2><p>2017年に創業したスタートアップでありながら、Synthesiaのサービスはすでに大手を含む多くの企業に導入されている。2社の導入事例を紹介したい。</p><h3><strong>＜Zoom＞トレーニング用動画の制作</strong></h3><p>Zoomでは、1000人を超える営業担当者のトレーニング動画の制作にSynthesiaを活用し、業務を大幅に効率化している。動画制作の手順は以下のとおりとなる。</p><p><strong>1、作成したスクリプトをSynthesiaにアップロードしてアバターを選択、シーンの詳細を追加してAI動画を生成する</strong></p><p><strong>2、AI動画とその他のトレーニングモジュールをオーサリングツール（文字や画像、音声、動画などの要素を組み合わせて一つのソフトウェアやメディア作品を組み立てるソフトウェア）に統合し、学習コンテンツを完成させる</strong></p><p>それまでは、15分の動画を制作するために丸1日の撮影時間がかかっていたという。クオリティを上げるために複数回の撮り直しが発生していたためだ。また、動画の内容を更新する場合は、その都度、撮り直しが発生していた。Synthesiaの導入により、効率的に動画制作ができるように。以下のとおり、劇的な効率化につながっているそうだ。</p><p><strong>時間の節約：90％</strong></p><p><strong>動画の制作数：200以上（制作期間は約6ヶ月）</strong></p><p><strong>従業員一人あたりのコスト削減：1,000〜1,500ドル（約16〜23万円）</strong></p><p>※Zoomの<a href="https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&amp;v=dGeE0SLF0_4&amp;embeds_referring_euri=https%3A%2F%2Fwww.synthesia.io%2F&amp;source_ve_path=MTM5MTE3LDI4NjY2&amp;feature=emb_logo" target="_blank" rel="noopener noreferrer">トレーニング動画</a></p><h3><strong>＜Doculife＞製品紹介動画の制作</strong></h3><p>ドイツに本拠地を置き、企業向けのSaaSを提供するDoculifeでは、主力製品の紹介動画の制作にSynthesiaを導入し、成果を上げている。動画制作の手順は以下のとおりとなる。</p><p><strong>1、作成したスクリプトをSynthesiaにアップロードする</strong></p><p><strong>2、アバターを選択し、商品の説明動画（画面録画）をアップロードする</strong></p><p><strong>3、スクリプトとアップロードされたビデオ映像が一致していることを確認して、動画を生成する</strong></p><p>同社の担当者は、当初、自身がナレーションを担当して紹介動画を制作していたが、満足するクオリティに達するまでには撮り直しが発生し、時間を要した。また、マーケティングキャンペーンに合わせた動画制作の規模拡大や予算を考えても、従来の方法では困難だったという。同社では、動画制作のスピードが20倍になる成果が得られている。</p><p>※Doculife社の<a href="https://www.youtube.com/watch?v=3m2zfoSOv2k&amp;embeds_referring_euri=https%3A%2F%2Fwww.synthesia.io%2F&amp;source_ve_path=Mjg2NjY&amp;feature=emb_logo" target="_blank" rel="noopener noreferrer">製品紹介動画</a></p><h2><mark>顔写真がしゃべったり、歌ったりするAIフレームワーク「VASA-1」</mark></h2><p>Microsoft Research Asiaが2024年4月16日（米国時間）に発表したAIフレームワーク「VASA-1」もまた、インパクトのある生成動画が話題を集めている。1枚の静止画像と音声クリップから、あたかも写真の人物が話したり、歌ったりしているような動画を作成できるのだ。モナリザがラップを歌う<a href="https://x.com/minchoi/status/1780792793079632130?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1780792793079632130%7Ctwgr%5Efb1d4fe16ea862b59d2a28bb2e96a4f9e6d2b5a5%7Ctwcon%5Es1_&amp;ref_url=https%3A%2F%2Fventurebeat.com%2Fai%2Fmicrosoft-shows-off-vasa-1-an-ai-framework-that-makes-human-headshots-talk-sing%2F" target="_blank" rel="noopener noreferrer">SNS投稿</a>は、720万回以上も表示されている。</p><p><a href="https://x.com/minchoi/status/1780792809274167587" target="_blank" rel="noopener noreferrer">話している動画</a>を見ても、本当にその人物が話しているかのような生き生きとした表情と自然な発話が実現している様子がわかる。</p><p>このVASA-1は、あくまで研究のデモンストレーションであり、Microsoft Research Asiaは製品やAPIのリリース予定はないと伝えている。</p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/4554/upload/6QEVXtf1QNDP5ABptlkE1g.png" alt="" width="1200" height="1000"><p><span style="color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: #9c9c94; ">▲VASA-1のデモンストレーションは、多くのバーチャルキャラクターが活用されている（Microsoft Research Asiaの公式ホームページより）</span></p><p>VASA-1の<a href="https://www.microsoft.com/en-us/research/project/vasa-1/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">紹介ページ</a>に掲載されている全ての肖像画像は、モナリザを除いて、動画生成AIの「StyleGAN2」、 または「DALL-E-3」によって生成されたバーチャルなキャラクターとなる。同社のホームページには、「私たちはバーチャルな対話型キャラクターのための視覚的な感情スキル生成を探求しており、現実世界のいかなる人物にもなりすましていない」と記されている。</p><h2><mark>平均0.3秒で応答、人間らしく会話する「GPT-4o」</mark></h2><p>発表以来、各所で取り沙汰されているOpenAIの新AIモデル「GPT-4o」も、その進化を見せ付けた。OpenAIが「人間とコンピュータのより自然な対話への一歩だ」と表現したGPT-4oは、テキスト、音声、画像、動画のあらゆる組み合わせを入力として受け入れ、テキスト、音声、画像のあらゆる組み合わせを出力として生成する。</p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/4554/upload/Z2U9ZpskciWQoUQzNMOaRA.png" alt="" width="1200" height="676"><p><span style="color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: rgb(156, 156, 148); color: #9c9c94; ">▲OpenAIが発表したデモ動画に、多くの人々が驚きや興奮の反応を示した（OpenAIの公式ホームページより）</span></p><p>音声入力に対して最短約0.2秒、平均約0.3秒で応答でき、これは会話における人間の応答時間と変わらない速さだという。<a href="https://x.com/OpenAI/status/1790072174117613963" target="_blank" rel="noopener noreferrer">このポスト</a>はOpenAIが公式ホームページやSNSで発表したGPT-4oとの会話の動画だ。AIの笑い声や戸惑った様子、自然に繰り広げられる会話は驚くべきリアルさで、言われなければ多くの人がAIだと気づかないのではないか。</p><p>2つの異なる言語（イタリア語と英語）を高速で同時通訳する<a href="https://www.youtube.com/watch?v=c2DFg53Zhvw" target="_blank" rel="noopener noreferrer">動画</a>も公開された。</p><p><a href="https://x.com/mckaywrigley/status/1790088880919818332" target="_blank" rel="noopener noreferrer">このデモ動画</a>では、数学の宿題を解こうとしている子どもに対して、家庭教師のように答えに導くアシストをしている。会話が自然であることはもちろん、子どものやる気を引き出すような配慮も見られる。</p><p>GPT-4oは上記のほか、書籍のページを書き起こす、手書きのプロトタイピングをコードに起こすなど、さまざまな活用事例が報告されている。<a href="https://x.com/ytiskw/status/1790249697791398213" target="_blank" rel="noopener noreferrer">こちらのポスト</a>も参考になりそうだ。</p><p>各社の新サービス誕生により、生成AI活用の幅は大きく広がっている。このムーブメントはまだまだ続きそうだ。</p><h2><mark>編集後記</mark></h2><p>今回の各社の発表は、生成AIの技術に特段くわしいわけではない筆者でも「新たな時代の到来」を感じるほどのインパクトがあった。発表されたばかりで、どう使えばいいか模索中の段階ではあるが、続々と報告されている活用事例を見る限り、仕事や学習に大いに活かすことができそうだ。</p><p>（取材・文：<a href="https://love-trip-kaori.com" target="_blank" rel="noopener noreferrer">小林香織</a>）</p>

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中務稔也

宮本虎佑

奥田文祥

能登豊和 弁護士

米丸剛 口コミでも評判なWeb集客仕組み化コンサル・起業コーチ

世界のスタートアップが取り組むイノベーションのシーズを紹介する連載企画。

Global Innovation Seeds

<p><a href="https://ivry.jp/company/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社IVRy</a>（アイブリー）は、ALL STAR SAAS FUNDをリード投資家として、既存株主、新規投資家を引受先とした第三者割当増資により総額30億円の資金調達を実施した。今回の調達により累計資金調達額は49.5億円となる。</p><p>現在、日本全国で「人手不足」問題が深刻化する中、当社はソリューションの1つとして対話型音声AI SaaSの「IVRy」を提供し、大手企業から中小企業までの業務効率化と生産性向上に向けて取り組んでいる。対話型音声AI SaaSの1つ目として、すべての企業で利用されているにもかかわらず、DXが進んでいない「電話」に着目し、現在、電話を軸としたプロダクトを展開している。</p><p>IVRyは取り組みの一環として、大規模言語モデル（LLM）を活用した音声対話AIの機能開発に注力。これまで、AIを活用した電話業務自動化を目的に24時間365日体制で飲食店の予約受付を無人対応にしたり（※1）、AIによる電話代行を展開したりして、大手企業からベンチャー企業まで幅広く導入するなど、電話を軸にAIを活用したプロダクトを展開してきた。</p><p><span style="color: #9c9c94; ">※1 プレスリリース「電話AI SaaSのIVRy、リクルートと共同でAIを活用した電話業務自動化の実証実験を開始 〜24時間365日体制で飲食店の予約受付を無人で完結可能に〜」</span></p><p><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000056805.html"><span style="color: #9c9c94; ">https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000056805.html</span></a></p><p>昨今、効率化のためにAIを社会実装する潮流がある中、AIの導入においては、ハルシネーションと呼ばれる、事実に基づかない情報を生成する可能性があり、社会実装するにはAIをコントロールする必要がある。このようなことから、AI活用は実活用に向け課題が多いものの、同社はハルシネーションを制御し、利用者がAIによる無人の「予約代行（一次受付）」をいつでも利用できる等、AIの活用フェーズに入っている。</p><p>今後、AIを活用したこれらのプロダクトを含め、当社はLLMの能力を制御し向上させる効果的な手段として、海外で主流になりつつある様々なAI機能を組み合わせた複合AIシステム（コンパウンドAIシステム）を構築し、SaaSとして提供していく。このコンパウンドAIシステムと、これまで蓄積してきた電話の音声データを組み合わせ、「音声コンパウンドAIシステム基盤」を提供（※2）することで、以下のような様々な対応が可能になる。</p><p>・通話データを文字化し様々なインターフェースで受け取ることができる</p><p>・電話にて自動予約・注文が可能になる　など</p><p>対話型音声AI SaaS「IVRy」は、47都道府県、80業界以上、累計12,000以上のアカウント発行・1,900万着電を突破し、AIを活用することで様々な事業者のコスト削減や人手不足の課題解決を行ってきた。今後も同社は、首都圏から地方まで、事業規模・業種を問わず、日本全国に向けて、最先端の技術をより早く、非対称性なく届けることに努めていくという。また日本のみならず、グローバル展開も視野にプロダクトを展開していく。</p><p><span style="color: #9c9c94; ">※2 各利用事業者が蓄積してきた電話の音声データが、利用事業者ごとに活用されている。</span></p><h2><mark>資金調達概要</mark></h2><p>調達金額：30億円</p><p>調達方法：第三者割当増資</p><p>株主　　：ALL STAR SAAS FUND、フェムトグロース・スリー投資事業有限責任組合、SMBCベンチャーキャピタル、BRICKS FUND TOKYO、Boost Capital　＊順不同</p><h2><mark>調達資金の主な活用用途（予定）</mark></h2><p><strong>1.「音声コンパウンドAIシステム基盤」を実現するための、AI技術を中心としたR＆D（研究開発）人材の採用</strong></p><p>IVRyにはGoogle本社でGoogle Assistantの自然言語理解チームに所属していたプリンシパルAIエンジニアをはじめ、AIに携わっていたエンジニアメンバーが在籍。今後「音声コンパウンドAIシステム基盤」を実現するため、より多くのAIエンジニアを採用すべく、採用活動を強化していく。</p><p><strong>2.ビジネス・組織体制強化のための人材採用</strong></p><p>IVRyにはリクルート、楽天、ビズリーチなど、メガベンチャー・有名ベンチャー企業を経験したメンバーや、上場・海外事業などを経験したメンバーも在籍。今後、ビジネスや組織をさらに拡大・強化するための人材採用にも注力していく。</p><p><strong>3.利用事業者の拡大を図るためのマーケ＆セールス費用</strong></p><p>現在、対話型音声AI SaaS「IVRy（アイブリー）」は、47都道府県、80業界以上、累計12,000以上のアカウントが利用。さらに多くの事業者へ電話DXを通じた業務効率化を提供し、多くの中小企業の課題である人手不足問題改善を目指すべく、利用事業者拡大に向けたマーケ＆セールス費用として活用していく。</p><p>関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000115.000056805.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">プレスリリース</a></p><p>（<a href="https://twitter.com/tomoruba" target="_blank" rel="noopener noreferrer">TOMORUBA編集部</a>）　</p>

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太田

八田政樹

小濱 裕士

沖電気工業株式会社

「困ったと きにはOKIに相談 してみよう！」と、ぜひお気軽にお問い合わせください！

テーマ・コンセプト設定からソリューション検討、仮設検証、事業化まで一気通貫で行います。

イノベーションルーム Yume ST (夢スタ)にて共創の構想を膨らませていきます。

藤原雄彦

ヘルスケア／物流／まちづくり／海洋保全・資源|イノベーション創出プロジェクト「Yume Pro」パートナー募集！
大手・中堅企業からスタートアップ企業まで、様々なパートナーとの共創で社会課題解決に挑む。

<div class="l-block-body contents-input"><div><h4>【シェアNo.1プロダクトを多数抱えるOKIが、安全×便利な社会インフラでイノベーションを興す】</h4>
1881年1月（明治14年）の創業以来、OKIの保持する高い技術力は、日本の成長に大きく寄与してきました。国産電話機の製造にはじまり、現在では銀行やコンビニのATMなどは、OKIが圧倒的なシェアを誇っています。その一方で、水中での物体の発する音から不審物等を探知できる水中音響センシング技術や、ホンダとの自動車用エンジン点火装置の開発、直近ではディープラーニングを用いた「感情推定技術」の研究開発を行うなど、多岐にわたる技術・製品を生み出しています。その結果、AppleやGoogle、マイクロソフトといった先進的な企業ともにトムソン・ロイター「TOP 100グローバル・テクノロジー・リーダー2018」に選出されました。 
「“モノづくり・コトづくり”を通して、より安全で便利な社会のインフラを支える企業グループ」というビジョンを掲げ、SDGs（※国連が2015年に定めた持続可能な開発目標）の実現に向けて、パートナー企業との共創により、社会課題解決を進めていきたいと考えています。 

<div class="l-block-body contents-input"><div><h4>【社会課題解決を実現する、OKIのイノベーション創出プロジェクト「Yume Pro」を推進！】</h4>
「Yume Pro」は、社会やお客様の課題を解決し、共創パートナー様と共に夢を拓く、OKIの新たなイノベーション創出活動です。特徴としては大きく3つです。 
① SDGsに掲げられている社会課題にフォーカス。 
② 共創パートナー様に対し、課題解決の役に立つカスタマイズしたワークショップをOKIが自ら企画し、開催。 
③　事業化を円滑化するための仕組みを整備。事業部や営業と連携する社内体制、PoCを実施するための十分な予算を確保しリーンスタートアップを可能に。 
2018年からスタートした「Yume Pro」は、2期目を迎え、ますますパワーアップしています。独自のイノベーションプロセスも構築し、しっかりと課題解決への仮設を立て、本格的な事業化に取り組んでいきます。

ヘルスケア／物流／海洋保全・資源|イノベーション創出プロジェクト「Yume Pro」パートナー募集！
大手・中堅企業からスタートアップ企業まで、様々なパートナーとの共創で社会課題解決に挑む。

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<p>AIを活用したキャリアコンサルタント業・ビジネススキルのオンライン教育事業のサービスを開発・提供する<a href="https://forward-career.jp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社フォワード</a>は、JAFCO、三菱UFJキャピタル、Structured.、および個人投資家1名を引受先とした1億2,000万円の資金調達（プレシリーズA）を完了した。2023年7月のシードラウンドの調達と合わせて、これまで約2億円を調達している。</p><h2><mark>採用工数の最大80％削減を見込めるエースジョブのβ版をローンチ</mark></h2><p>フォワードは、AIを活用し企業の採用担当の業務を効果的・効率的にするSaaS型サービス「エースジョブ」のβ版をローンチした。エースジョブはフォワードが独自に行った約100社の人事への事前のヒヤリングで、中途採用を年間10名以上行なっている企業からは80%以上の導入意向を獲得している採用業務効率化サービス。新卒採用の業務においても活用できる。</p><p>企業の人材獲得は、労働人口減少時代における喫緊の課題となっている。採用においては、応募者ごとに書類の形式が異なったり、職種によって確認したいスキルが異なるなど、主に書類の読み込みから個人にカスタマイズしたスカウト文章の作成に工数が割かれる問題が発生し、ただでさえ難しい採用活動の難易度は日を増して上がっている。また、それをサポートする採用支援業（RPO）の市場は労働集約型の成長産業となっており、まさに生成AI型のプロダクトが力を発揮する領域だ。</p><p>徹底的な採用担当へのヒヤリングを経て生まれたエースジョブを活用するだけで、採用担当の工数を最大80％削減することを見込めるという。</p><p>この資金調達により、同社はエースジョブにまつわる人件費、特にエンジニアと営業職などへの投資、そしてAIを用いたキャリアコーチング、職務経歴書の作成、オンラインスクールなど既存事業への広告費用の増加を通じて、事業の拡大とサービスの向上を図る。</p><p>関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000117983.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">プレスリリース</a></p><p>（<a href="https://x.com/tomoruba" target="_blank" rel="noopener noreferrer">TOMORUBA編集部</a>）　</p>

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谷口靖弥

<p>ITを活用したヘルステック事業を展開する<a href="https://fitinc.jp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社FiT</a>は、更なる経営体制強化・事業拡大にあたり京都銀行より6億円（融資枠含む）の資金調達を実施した。今回調達した資金を新サービスの展開、および既存のビジネスである「LifeFit」の更なる拡大に投資し、今後さらにヘルステック企業として顧客に寄り添う新たな事業を展開していく。</p><h2><mark>資金調達の背景と目的</mark></h2><p>同社は、自社プロダクト「LifeFit」を中心とし、専用アプリや新サービスを通じて持続可能な健康が提供できる社会の実現に向けてサービスを推進している。現在は、「LifeFit」のビジネスモデルや目指す世界観に共感する地場に強いオーナーの方々と連携することで、全国に50店舗を出店。急速にフィットネスジムの供給量増加を実現している。</p><p>今回調達した資金は、FiTが掲げるヘルステックを加速すべく、注力事業の「LifeFit」直営ジムへの投資を行い、関西エリアでのフィットネスを通した健康の普及強化に活用する。</p><p>同社にとって、直営ジムへの投資は、「健康の民主化」に向けたさまざまなヘルステック企業の実証実験の場としても活用できる。この投資を元に、ヘルステック企業としてさらなる成長を実現していくという。</p><h2><mark>今後の展望</mark></h2><p>注力事業である「LifeFit」に投資を強化。また、既存サービスに加え、オンラインコーチングなどの新サービスも開発中。オンラインのUIの改善も強化していく。さらに、さまざまなヘルステック企業の実証実験の場として新たな価値創造を推進していくために、組織体制を強化。FiTの目指す世界観の醸成と事業の構築を加速していく。</p><h2><mark>株式会社FiTについて</mark></h2><p>FiTは「暮らしにフィットネスを」という世界観の実現に向け、「フィットネス×IT」でより多くの人々に持続可能な健康を提供するヘルステックスタートアップ。FiTでは、そのコア事業として次世代型フィットネスジム「LifeFit」を運営している。</p><p>関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000071368.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">プレスリリース</a></p><p>（<a href="https://x.com/tomoruba" target="_blank" rel="noopener noreferrer">TOMORUBA編集部</a>）　</p>

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<p>日本の農産物の生産から販売まで一気通貫で展開し、新たな産業構造を創出する<a href="https://nihon-agri.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社日本農業</a>は、事業の急激な成長拡大に伴う資金の確保として、農林中央金庫、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ、株式会社日本政策投資銀行などからのシリーズCラウンドにおける第三者割当増資および融資により約42億円の資金調達を実施した。今回の資金調達により、融資を含む累計の資金調達額は約66億円となった。</p><h2><mark>資金調達の背景</mark></h2><p>日本の農産物は、国内の人口減少で消費縮小が進むなか、販売市場が国内に限定されてきた。小規模農地で生産性が低いことや、販売・流通するなかで改善の余地のある部分が多く海外への販路が開拓できていないことが、課題でもある。一方で、外国産の農作物と比べても抜きんでる高品質を誇り、高く評価されている。日本の農産業を維持・発展させるためには、規模を拡大し生産性向上・コスト削減を図り、海外でも競争力のある農産業を創出する必要がある。 </p><p>今回調達した資金をもとに、最新の栽培方法や技術を取り入れた生産性向上に向けた研究開発や規模拡大、海外・日本国内の双方の販路開拓など、新たなバリューチェーンの構築に取り組み、“儲かる農業”への転換を加速させていくという。</p><p>関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000024854.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">プレスリリース</a></p><p>（<a href="https://x.com/tomoruba" target="_blank" rel="noopener noreferrer">TOMORUBA編集部</a>）　</p>

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<p>今や世界中で問題視されている食糧問題と環境問題。その大きな2つの問題の解決策として注目されているのが「植物工場」です。工場で農作物を育てることで、安定した食料を供給できるだけでなく、環境への負担も減らせるため多くの企業が参入しています。</p><p>新規事業やオープンイノベーションに関わるビジネスパーソンなら知っておきたい<strong>【ディープテック基礎知識】</strong>の第13弾では、この植物工場について取り上げます。植物工場のメリットやデメリットや、植物工場に取り組む国内外の企業について紹介していきます。</p><h2><mark>植物工場とは</mark></h2><p>植物工場とは、内部環境を人工的に制御した閉鎖的または半閉鎖的な空間で、野菜などの植物を計画的に生産するシステムのこと。人工光を用いることもできるため、天候や気候に左右されず、年間を通して安定的に高品質な農産物を栽培できます。</p><p>また、土壌を使わずに養液栽培を行うため、病害虫の発生が少なく、農薬の使用量を減らせるのも大きなメリットです。近年、食料安全保障や環境問題への関心の高まりから、大きな注目を集めています。</p><p>植物工場には、主に太陽光を光源として利用する「太陽光型」と、人工光を光源として利用する「人工光型」の2種類があります。太陽光型はランニングコストが低いものの、大規模な施設が必要になる一方で、人工光型は天候や気候に左右されないメリットがある反面、ランニングコストが高くなるのが課題です。</p><h2><mark>植物工場が注目されている背景</mark></h2><p>近年、植物工場が注目されている背景には、主に以下の5つの要因があります。</p><h3>1.食料安全保障への懸念</h3><p>世界人口の増加や気候変動の影響により、将来的に食料不足が深刻化する可能性が懸念されています。</p><p>植物工場は人工光や温度、湿度などを精密に制御することで、年間を通して一定の環境を維持できます。そのため、天候や病害虫の影響を受けずに、安定的な農作物の栽培が可能です。これは、気候変動による異常気象の頻発や、人口増加による食料需要の増加など、食料供給の不安定化要因が懸念される現代社会において、大きな利点となります。</p><h3>2.安全・安心な農作物の需要</h3><p>近年、消費者の間で安全・安心な農作物に対する需要が高まっています。</p><p>植物工場は、化学肥料を使用せずに栽培できるため、安全性の高い農作物を生産できます。消費者の健康志向の高まりや、環境問題への関心の高まりを背景に、ますます重要な課題になっていくでしょう。</p><h3>3.環境問題への意識の高まり</h3><p>農業は、水資源の浪費や温室効果ガスの排出など、環境問題を引き起こす要因の一つとされています。</p><p>植物工場は、水資源の使用量を削減したり、太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用したりすることで、環境負荷を低減できます。また、土壌を使わない栽培方式を採用することで、土壌の流出や汚染を防ぐことができ、LED照明などの省エネ技術を用いることで、エネルギー消費量削減も可能です。</p><h3>4.技術革新</h3><p>近年、センサー技術や情報通信技術 (ICT) の進歩により、より高度な環境制御システムが開発されています。これらのシステムは、AIや機械学習などを活用することで、植物の生育状況をリアルタイムに監視し、最適な環境を自動的に調整することが可能です。</p><p>また、ロボット技術の進歩により、植物の播種、収穫、搬送などの作業も自動化できます。これにより、人件費の削減や労働環境の改善につながるだけでなく、栽培の精度や効率性の向上にも繋がるでしょう。</p><h3>5.消費者のニーズの多様化</h3><p>消費者は、希少価値の高い農産物や季節に関係なく手に入る農産物など、多様なニーズを求めています。</p><p>植物工場は、年間を通して安定的に高品質な農産物を栽培できるため、消費者のニーズに応えられます。また、栽培条件を調整することで、栄養価の高い農作物を生産できます。</p><p>例えば、光の種類や強さを調整することで、ビタミンやミネラルの含有量を増やせます。さらに、二酸化炭素濃度を調整することで、光合成を促進し、糖度やアミノ酸などの栄養素の増加も可能です。</p><h2><mark>植物工場のメリット</mark></h2><p>植物工場は、従来の農業と比べて以下のようなメリットがあります。</p><h3>天候や気候に左右されない</h3><p>植物工場は人工光で栽培できるため、天候や気候に左右されることなく、年間を通して安定的に農作物を生産できます。干ばつや洪水、台風などの自然災害の影響を受けず、計画的な生産が可能です。</p><h3>農薬の使用量が少ない</h3><p>植物工場は病害虫の発生が少ないため、農薬の使用量を大幅に減らせます。農薬は様々な面で環境負荷の原因になるため、農薬を減らすことで環境に優しい栽培が可能です。また、健康面でのデメリットも減らせるので、消費者に安心して購入してもらえます。</p><h3>安定的に高品質な農作物を栽培できる</h3><p>植物工場は、温度、湿度、光量、二酸化炭素濃度などを精密に制御することで、植物の生育に最適な環境を維持できます。そのため、安定的に高品質な農作物の生産が可能です。</p><h3>省資源・省エネルギー</h3><p>植物工場は、水資源やエネルギーを効率的に利用できます。土壌を使わずに養液栽培を行うため、水資源の使用量を大幅に削減できます。また、人工光は従来の照明器具よりも省エネ性が高く、エネルギー効率を向上できるでしょう。</p><h3>労働環境の改善</h3><p>植物工場は自動化やロボット化が進んでいるため、重労働や危険な作業を減らせます。また、空調設備が整っているため、過酷な天候の影響を受けずに快適な作業環境で働くことが可能です。作業者の負担を大きく減らせるでしょう。</p><h3>都市部での農業が可能</h3><p>植物工場は屋内で栽培するため、都市部でも農業を行えます。従来の地方で育てた野菜を都市部に運ぶには、輸送コストやCO2の排出量が増え課題とされてきました。都市で野菜を栽培できれば地産地消を促進し、フードマイレージの削減にも貢献できます。</p><h3>希少価値の高い農作物の生産</h3><p>植物工場は、温度や湿度を精密に制御することで、通常では栽培が難しい希少価値の高い農作物を生産できます。高級食材の生産や、新たな品種の開発にも役立てられるでしょう。</p><h3>研究開発の促進</h3><p>植物工場は、栽培環境を厳密に制御できるため、植物の生育に関する研究開発を促進できます。新品種の開発や、栽培技術の向上に役立つため、より革新的な農作物の栽培が可能になるでしょう。</p><h3>宇宙空間や火星での農業</h3><p>植物工場は、密閉空間で栽培するため、宇宙空間や火星などの過酷な環境でも農業を行えます。将来、宇宙旅行や火星移住が実現した際に、宇宙での食料生産に大きく貢献すると期待されています。</p><h2><mark>植物工場のデメリットと課題</mark></h2><p>植物工場には、多くのメリットがある一方で、デメリットや課題も存在します。</p><h3>コストが高い</h3><p>植物工場は、建設や設備投資に多額の費用がかかります。その初期コストの高さから、中小企業などの参入が難しく、大企業が中心となって運営されています。</p><p>また、植物工場は人工光や空調設備などの維持管理に、多くの費用がかかります。ランニングコストは、販売価格にも影響されるため、従来の農作物よりも高価になる傾向があります。今後はいかに植物工場を低コストで運営できるかが課題になっていくでしょう。</p><h3>技術力が必要</h3><p>植物工場を運営するには、植物の栽培に関する専門知識だけでなく、人工光や環境制御に関する技術力も必要となります。そのような知識やノウハウを持つ人材はまだまだ少なく、人材確保のハードルが高いのも大きな課題です。</p><h3>ノウハウの蓄積が少ない</h3><p>植物工場は比較的新しい技術であり、ノウハウがまだ十分に蓄積されていません。自社で研究できるリソースがなければ、事業の成功は難しいでしょう。現在は急速に栽培品種や栽培方法の研究開発が進んでおり、今後さらに技術の向上が期待されます。</p><h3>消費者の理解不足</h3><p>植物工場で栽培された農作物に対する消費者の理解がまだ十分ではありません。工場で作られた食品に対する不安があるため、安全性や味に関する不安を解消するための情報発信やPR活動が重要です。</p><h2><mark>植物工場に参入しているプレイヤー</mark></h2><p>植物工場を展開している事業者は、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。それぞれ見ていきましょう。</p><h3>1.農業法人</h3><p>従来の農業事業を展開している企業が、新たに植物工場事業を展開しているケースです。農業のノウハウや技術基盤があるため、比較的参入しやすいというメリットがあります。</p><p>代表的な企業として、<a href="https://www.saladcosmo.co.jp/company/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社サラダコスモ</a>や<a href="https://www.iju-shienkin.pref.yamanashi.jp/facility/detail/430" target="_blank" rel="noopener noreferrer">株式会社アグリビジョン</a>などがあります。</p><p>サラダコスモは、全国に7つの工場を持ち、スプラウトやもやしなどを中心に栽培しています。LED照明や自動制御システムなど、最新の技術を積極的に導入し、年間を他お押して高品質な野菜を栽培しています。</p><p>アグリビジョンは、サラダボウル株式会社と三井物産株式会社が出資して設立した会社で、山梨県北杜市で国内最大級の太陽光利用型植物工場を運営しています。太陽光と人工光を併用した大規模な植物工場でトマトやきゅうりなどを栽培しています。</p><h3>2.スタートアップ</h3><p>スタートアップが革新的な技術で市場に参入し、成長するケースが増えています。ただし、植物工場事業を展開するには膨大な資金が必要なため、リソースが少なく経営基盤が弱いスタートアップにとって厳しい戦いになるケースも少なくありません。</p><p>代表的な企業として、<a href="http://www.j-greenfarm.co.jp/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">日本グリーンファーム株式会社</a>や<a href="https://oishii.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Oishii Farm</a>などがあります。日本グリーンファームは完全閉鎖制御型植物育成工場システム「グリーンシャトー」の開発を行うスタートアップ。温度、湿度、光量、CO2濃度などを精密に制御し、野菜の生育に最適な環境を維持する植物工場システムです。</p><p>Oishii Farmは、米国を拠点に世界展開する植物工場スタートアップで、ニュージャージー州ジャージーシティで世界最大かつ最新鋭のいちごの垂直型植物工場を運営しています。完全人工光照明と水耕栽培を採用し、農薬や化学肥料を一切使用しない、環境負荷の少ない持続可能な栽培を実現しました。</p><h3>3.大手企業</h3><p>食品メーカーや電機メーカーなどの大手企業が、新規事業として参入しているケースです。豊富な資金力や研究開発力、販売網などを活かして、大規模な植物工場を建設・運営しています。</p><p>代表的な企業として、<a href="https://news.panasonic.com/jp/stories/560" target="_blank" rel="noopener noreferrer">パナソニック株式会社</a>があります。パナソニックは、幅広い技術とノウハウを活かして、植物工場の設計・施工から運営までトータルにサポートする事業を展開しています。大規模な商業施設から家庭用まで、様々なニーズに対応した植物工場のシステムを提供しています。</p><h2><mark>海外の植物工場事業者</mark></h2><p>海外の植物工場事業者も見ていきましょう。</p><h3>Plenty</h3><p>Plenty社は垂直農法に特化した農業テクノロジー企業。2014年に設立され、AI、機械学習、ロボット工学などを活用した独自の技術で、屋内での高品質な植物栽培を実現しています。</p><p>サウスサンフランシスコとワシントン州シアトルで、大規模な植物工場を運営しています。ここで、ケール、リーフレタス、ハーブなどの葉物野菜を水耕栽培で育てています。植物工場の運営で培った技術を基に、センサー、照明、自動制御システムなどの植物工場向け技術を開発・販売しています。</p><p><a href="https://www.plenty.ag/">https://www.plenty.ag/</a></p><h3>Infarm</h3><p>Infarm社は、2013年にドイツのベルリンで設立された、屋内垂直農法に特化した農業スタートアップ企業です。都市部における新鮮な野菜へのアクセスを可能にすることを目的とし、効率的なモジュール式農場（スマート栽培ユニット）を都市内に展開しています。</p><p>都市部を中心に、スーパーマーケットやレストランなどにスマート栽培ユニットを設置し、そこでハーブ、葉物野菜、マイクログリーンなどを栽培・販売しています。欧州を中心に、20以上の都市にスマート栽培ユニットを展開しており、年間数千トンもの野菜を生産しています。</p><p><a href="https://www.infarm.com/">https://www.infarm.com/</a></p><h3>AeroFarms</h3><p>AeroFarms社は、2013年にアメリカニューヨーク州ニューヨーク市で設立された、垂直農法に特化した農業テクノロジー企業です。都市部における新鮮な野菜へのアクセスを可能にすることを目的とし、独自の垂直農場を運営しています。</p><p>都市部で大規模な垂直農場を運営しており、そこで培った技術を基に、センサー、照明、自動制御システムなどの垂直農場向け技術を開発・販売しています。ニューヨーク州ニューヨーク市にある垂直農場は、世界最大級の規模を誇ります。年間約120万トンもの野菜を生産しており、都市部における新鮮な野菜へのアクセスを可能にしています。</p><p><a href="https://www.aerofarms.com/">https://www.aerofarms.com/</a></p><p>（TOMORUBA編集部　鈴木光平）</p><h3>■連載一覧</h3><p>第1回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4141" target="_blank">【ディープテック基礎知識①】SAR衛星が地球観測にもたらした革新とは？活用事例と開発企業を紹介</a></p><p>第2回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4151" target="_blank">【ディープテック基礎知識②】幅広い領域で利用される「ゲノム編集」の活用事例とは？国内スタートアップと併せて紹介</a></p><p>第3回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4164" target="_blank">【ディープテック基礎知識③】医療業界を革新すると期待される「IoMT」の可能性とは。その種類と国内スタートアップを紹介</a></p><p>第4回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4174" target="_blank">【ディープテック基礎知識④】世界の食糧問題を解決する『培養肉』の可能性とは。注目スタートアップを紹介</a></p><p>第5回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4219" target="_blank">【ディープテック基礎知識⑤】宇宙産業の大きな妨げとなる「スペースデブリ」とは。解決に向けた取り組みを紹介</a></p><p>第6回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4270" target="_blank">【ディープテック基礎知識⑥】これまでの消費を大きく変えた「プラントマテリアル」とは。国内外のスタートアップを紹介</a></p><p>第7回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4277" target="_blank">【ディープテック基礎知識⑦】スマート農業に欠かせない「ロボット農機」の未来とは</a></p><p>第8回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4310" target="_blank" rel="noopener noreferrer">【ディープテック基礎知識⑧】地球を守るクライメートテックの可能性と課題</a></p><p>第9回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4332" target="_blank" rel="noopener noreferrer">【ディープテック基礎知識⑨】農業の未来を変える画像解析技術の可能性</a></p><p>第10回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4347" target="_blank" rel="noopener noreferrer">【ディープテック基礎知識⑩】エネルギー問題の解決を期待されている「太陽光路面発電パネル」。日本と世界の現状とは？</a></p><p>第11回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4412" target="_blank" rel="noopener noreferrer">【ディープテック基礎知識⑪】高齢者ケアの未来を変えるーー進化する「介護ロボット」とは？</a></p><p>第12回：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/4416" target="_blank" rel="noopener noreferrer">【ディープテック基礎知識⑫】持続可能なエネルギー源として注目を集める「水素エネルギー」の可能性</a></p>

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佐々木幸太郎