「FeliCa」を活用したソリューションを提供するフェリカポケットマーケティングとネットスターズが業務提携 キャッシュレス還元サービス「まちトクPay」始動
ソニー開発の「FeliCa」技術を活用し、地域経済活性化やコミュニティ活性化を目的としたソリューションを提供するフェリカポケットマーケティング株式会社(以下、FPM)とマルチキャッシュレス決済ソリューションを提供する株式会社ネットスターズは、キャッシュレス還元ポイントの「域外流出」を防ぐ新たな地域通貨パッケージ「まちトクPay」を共同開発し、リリースした。
FPMが長年自治体向けに提供してきた地域通貨プラットフォームと、ネットスターズが展開するマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」を連携させることで、地域経済の循環を支える新たな仕組みを実現した。
全国キャッシュレスの利便性と地域通貨の強みを融合
「まちトクPay」は、全国的に利用されるキャッシュレス決済と、地域内限定で使えるポイント(地域通貨)を組み合わせた“いいとこどり”のサービス。従来のキャッシュレスポイント還元事業では、自治体が負担する還元ポイントが域外で消費されてしまう課題が指摘されていた。
FPMはこれまで地域通貨やデジタル商品券の導入支援を通じて、こうした課題を数多く耳にしてきたという。そこで同社は、ネットスターズの「StarPay」と連携し、複数のキャッシュレス決済を利用者が選択できる利便性と、地域限定で還元されるポイントの循環性を両立する「まちトクPay」を開発した。
「域外流出しない」仕組みで地域振興を加速
「まちトクPay」では、還元ポイントが地域内加盟店でのみ利用可能となるため、自治体が投じる予算が地域内で循環する構造を実現。AEON Pay、au PAY、メルペイ(五十音順)の3サービスと連携しており、今後は、d払い(R)、楽天ペイとも接続予定だ。利用者は「まちトクPay」アプリで共通QRコードを読み取り、支払方法を選ぶだけで決済が完了。地域ポイントとキャッシュレス決済の併用払いも可能だ。
導入自治体にとっては、地域経済活性化のほか、利用者満足度の向上、短期間での導入のしやすさといった利点がある。さらに、イベント情報配信やクーポン機能を搭載することで、地域コミュニティの活性化にもつながる。
広島で実証開始、全国30自治体への展開を目指す
2025年10月からは、広島市の楽々園商店街でPoC(実証実験)を開始。FPMとネットスターズは、この成果をもとに初年度で30自治体への導入を目指す。短期的なキャッシュレスポイント還元事業だけでなく、地域通貨を核とした市民アプリとしての発展も見据え、将来的には健康・エコ・行政サービスなど、日常生活に密着した機能の統合を構想している。
両社は「まちトクPay」を通じて、行政・企業・店舗・住民を“円より縁”でつなぎ、持続可能で豊かな地域社会の実現を目指す考えだ。
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(TOMORUBA編集部)