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ダイナミックマッププラットフォームAxyz×JALグランドサービス、新千歳空港で高精度3次元地図を活用 航空機のプッシュバック作業の安全性向上に向けて実証実験を開始

ダイナミックマッププラットフォームAxyz×JALグランドサービス、新千歳空港で高精度3次元地図を活用 航空機のプッシュバック作業の安全性向上に向けて実証実験を開始

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ダイナミックマッププラットフォーム株式会社のグループ会社であるダイナミックマッププラットフォームAxyz株式会社は、株式会社JALグランドサービスと共同で、新千歳空港にて航空機のプッシュバック作業を対象とした実証実験を開始した。実験では、Axyzが開発した除雪支援システム「SRSS」を活用し、降雪や雨天など視界不良時における安全性の向上を検証する。

航空機の出発を支える「プッシュバック」作業の課題

航空機は自走で後退できないため、出発の際にはトーイングカーによって駐機場から誘導路へ押し出される「プッシュバック」作業が必要となる。この作業は空港の日常業務のひとつであるが、常に高度な判断力と関係者間の連携が求められる。特に降雪や雨天で視界が遮られる状況では、航空機の通行ルートを目視で確認することが難しく、周囲の機体や地上設備との接触リスクが高まる。そのため、トーイングカー運転手には熟練した技術が欠かせない。

▲プッシュバック業務イメージ

高精度地図を用いた「SRSS」をプッシュバックに応用

ダイナミックマッププラットフォームは、日本政府の支援と自動車メーカー10社を含むオールジャパン体制で設立された企業だ。自動運転やADAS(先進運転支援システム)をはじめ、産業横断的に高精度3次元データを提供している。Axyzはそのグループ会社として、除雪や空港業務など新領域での活用を推進している。

Axyzの「SRSS」は、本来は雪で覆われた道路環境下での除雪作業を支援するシステムである。高精度3次元地図データに基づき、GNSS受信機とRTK測位技術を組み合わせることで、除雪車の自己位置をセンチメートル単位で把握。路肩やマンホールなど、雪に隠れた道路構造物をタブレット上に“見える化”し、安全かつ効率的な作業を実現する。

▲除雪支援システム「SRSS」

今回の実証では、このシステムをプッシュバックに転用。新千歳空港内の対象エリアにおける高精度3次元地図を作製し、トーイングカー運転手がSRSSを活用して航空機を誘導する。これにより、積雪や雨天時でもルートを明確に把握でき、安全性の向上が期待される。

つまり、これまで自動運転や道路管理に用いられてきた高精度地図技術を航空分野に応用する試みだ。空港の運営効率と安全性向上に資するだけでなく、将来的には他の空港や海外展開にもつながる可能性がある。

▲(左)空港内高精度3次元地図データイメージ (右)航空機のプッシュバック時のSRSS使用イメージ

実証実験の概要

  • 期間:2025年1月22日(水)~2026年1月21日(水)

  • 対象エリア:新千歳空港内 駐機場(エプロン)~誘導路

  • 検証内容:プッシュバック作業におけるSRSS活用の有効性と安全性向上効果

特に視界が悪い環境下での運用を重点的に検証し、実用化に向けた課題を洗い出す。

今後の展望

冬季に積雪の多い北海道の空港は、除雪と安全運航の両立が大きな課題となってきた。SRSSの応用により、プッシュバック作業のリスク軽減と効率化が進めば、航空機の定時運航や利用者の利便性向上にもつながるだろう。

今回の取り組みは、空港業務のデジタル化・自動化に向けた一歩であり、日本発の高精度地図技術が新たなインフラの標準となるか注目される。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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