
緑茶で「眠り」と「心」を整える。ACCELStarsと伊藤園、TAKANAWA GATEWAY CITYでオフィスワーカー向け共同研究を開始
東京大学発の睡眠テック企業・株式会社ACCELStarsと、緑茶のリーディングカンパニーである株式会社伊藤園は、2025年5月14日、TAKANAWA GATEWAY CITYにおいてオフィスワーカーを対象とした睡眠・メンタルヘルスに関する共同研究を開始したと発表した。
この研究は、JR東日本グループが推進する“100年先の心豊かな暮らし”を実現する実証都市・TAKANAWA GATEWAY CITYを舞台に開催されている共創イベント「GATEWAY Tech TAKANAWA」から生まれたもので、オフィスワーカーの睡眠とメンタルヘルスに緑茶がどのような影響を及ぼすかを科学的に検証する試みである。
「お茶のある暮らし」の未来へ向けて
今回の取り組みは、お茶の成分がもたらすリラックス効果や、日常的な“お茶時間”が心身に与える影響を科学的に実証し、マインドフルネスやメンタルヘルス改善につながる「お茶文化」の再定義に挑戦する意欲的な一手だ。
伊藤園は、今後お茶の成分と“心のリセット”効果の相関性を明らかにし、個人の状態に合わせたお茶の種類・飲み方の提案をパーソナライズして実用化することも視野に入れている。また、ACCELStarsの睡眠測定サービス『SLEEP COMPASS』を活用し、社員の睡眠状態を可視化する「人的資本経営」の実証も一部社員を対象に5月から開始し、段階的に全社展開を目指す。
科学と現場の橋渡し。東大・慶應が支える研究体制
この共同研究では、ACCELStarsが計測技術や研究設計、データ解析を担う。睡眠・ストレス計測には、同社が開発した腕時計型デバイスと世界最高精度の睡眠アルゴリズムが活用される。さらに、創業者である東京大学大学院教授・上田泰己氏が率いる東大 GATEWAY Campus、慶應義塾大学の佐藤和教授(商学部)も参画し、学術的知見と企業経営への波及効果を両面から支援する盤石な体制が整っている。
ACCELStarsは、2020年に上田教授の研究をもとに創業されたスタートアップで、「睡眠を解明し、新たな医療を創造する」ことをミッションに掲げ、企業・自治体・保険者などへの睡眠サービス導入を急速に進めている。2023年5月にリリースされた『SLEEP COMPASS』は、既に90以上の事業者に導入されており、精神疾患や神経変性疾患との関連研究も進行中だ。
睡眠から社会を変える——ウェルビーイングの新たな提案へ
両社は今後、この共同研究を通じて得られたエビデンスを活かし、「お茶を通じたウェルビーイング」という新たなライフスタイルのスタンダード化を目指す。嗜好品としての緑茶ではなく、働く人のパフォーマンスや心の健康を支える“日常のケアツール”としての緑茶の可能性に挑戦する本研究は、今後の食・健康・働き方の在り方に一石を投じる取り組みとなりそうだ。
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(TOMORUBA編集部)