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カスタマーサポート領域に特化したエンタープライズ企業向けSaaS事業を展開するRightTouchがシリーズAで8億円を調達、総額14.2億円に到達

カスタマーサポート領域に特化したエンタープライズ企業向けSaaS事業を展開するRightTouchがシリーズAで8億円を調達、総額14.2億円に到達

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カスタマーサポートの現場に生成AIとリアルタイム解析を掛け合わせ、企業と顧客双方の「負の体験」の解消を目指す株式会社RightTouchは、シリーズAラウンドにて総額8億円超の資金調達を実施した。これにより、累計調達額は14.2億円に達する。

今回のラウンドでは、グローバル・ブレイン株式会社とGMO VenturePartners株式会社を引受先とした第三者割当増資に加え、商工組合中央金庫からの借入を実施。RightTouchは、調達資金をもとに新規プロダクトの開発および生成AI領域における研究開発を一層強化し、プロダクトエンジニアやビジネス人材の採用を加速する。

自己解決を15倍に。RightTouchの「攻めのサポート」

RightTouchは、2022年3月にWebサポートプラットフォーム「RightSupport by KARTE」をリリースして以降、企業と顧客をつなぐ複数のプロダクトを展開してきた。問い合わせ前の顧客行動を解析し、ノーコードで最適な対応チャネルへ誘導するこの仕組みは、SBI証券、パナソニック、NTTドコモなど大手企業への導入を通じて成果を上げている。

特に注目すべきは、RightSupportの導入により、顧客の自己解決件数が2023年比で約15倍に増加し、日次で約3万件の課題を解決している点だ(2025年2月時点)。これは、従来の「受け身型」カスタマーサポートを「先回り型」へと変える、新しい潮流の象徴でもある。

生成AI時代の「コンパウンド型スタートアップ」へ

RightTouchは現在、複数のプロダクトと共通のAI基盤「Right Intelligence」を軸に、VoC(顧客の声)やFAQ、顧客行動ログといった断片的なデータを一元管理・活用できる体制を構築している。これにより、従来分断されていた顧客接点や業務フローを横断的につなぎ、深い課題解決と業務効率化を同時に実現している。

市場規模が3.1兆円に上るとされるカスタマーサポート分野では、近年、生成AIの活用が進んでおり、米国ではSierraやAdaといったプレイヤーがユニコーン企業へと成長。RightTouchもまた、プレイドグループからのカーブアウトという形で独立性を高め、ホリゾンタルSaaSとして業界横断的にサービスを拡大していく意向だ。

投資家・業界からの期待

グローバル・ブレインのパートナー細村拓也氏は「ストレス負荷の高い現場において、AIは最も変化をもたらす可能性がある。RightTouchのプロダクトは“ありそうでなかった”ソリューションだ」と期待を寄せる。

また、GMO VenturePartnersの村松竜氏は「静的なUIから動的な顧客体験へと移行する中、RightTouchは貴重な存在。金融機関をはじめとした顧客接点の最適化において重要な役割を担う」と述べている。

代表取締役の長崎大都氏は、「カスタマーサポートはレガシーな構造が残る巨大市場。AIによって最も大きな変革が起きる領域である」と語り、「RightTouchが“顧客対応=コスト”という常識を打破し、付加価値を生み出す存在となることを目指す」と意気込みを示した。

生成AIの技術革新が加速する中で、RightTouchの挑戦は単なるSaaSの域を超え、企業と顧客の関係そのものに再定義を迫っている。今後の展開から目が離せない。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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