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「わさび」を世界へ──アグリテックベンチャー・NEXTAGEと三菱ガス化学、植物工場による大規模栽培の実用化へ始動

「わさび」を世界へ──アグリテックベンチャー・NEXTAGEと三菱ガス化学、植物工場による大規模栽培の実用化へ始動

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わさびの自動栽培に取り組むアグリテックベンチャー、株式会社NEXTAGEは、三菱ガス化学株式会社とともに、わさびの大規模植物工場栽培に向けた技術開発を2025年4月23日より本格的に始動した。一昨年よりわさびの植物工場栽培に向けた共同研究を行っていた関係もあり、今後の狙いは拡大する海外市場に向けた安定供給体制の構築だ。

わさび栽培モジュールから次なる一手へ

NEXTAGEはこれまで、誰もがどこでもわさびを育てられる「わさび栽培モジュール」の提供により、国内の生産量向上と新規就農者の増加を目指してきた。しかし、代表の中村氏が世界各国を訪問するなかで、「わさびが手に入らない」「自国で育てたい」といった声を数多く聞くようになり、現地栽培だけでは供給が追いつかない現状を痛感。よりスケールの大きい生産体制の必要性を見出した。

一昨年より植物工場での栽培に関する共同研究を進めていた三菱ガス化学と連携し、わさびの安定供給に向けた大規模栽培プロジェクトが動き出した。

世界で求められる「わさび」

NEXTAGEによる市場調査によれば、現在世界では年間10,585トンものわさび需要が存在していると推定されている。和食ブームにとどまらず、欧米の高級レストランでもわさびへの関心は高まっており、その需要は今後も増加が見込まれる。

とくに注目すべきは、アイルランドで実施された試食会の結果だ。ミシュラン星獲得シェフや食品メーカー、農業法人の代表者らを招き、NEXTAGEが栽培した本わさびを使用した創作料理を披露。イタリアンやヨーロピアンテイストの料理にもわさびが絶妙に調和し、参加者の85.7%が「自社の料理や商品に使いたい」と回答するなど、極めて高い評価を得た。

試食会では、あんこうのブールブラン・ソースや白玉・葡萄・わさびのデザートなど、斬新なメニューも登場。NEXTAGEの担当者は「思わず声が出るほどの美味しさ」と語り、わさびの新たな食文化の可能性を確信したという。

100年後の子どもたちに品質の高い「わさび」を

株式会社NEXTAGE 代表取締役の中村氏は次のように語る。「海外マーケットにはまだまだ手がつけられていない領域が多くあります。当社は創業時から、グローバルにわさびを届けることを視野に技術開発を進めてきました。三菱ガス化学とともに、現地でわさびを必要とする人々に、品質の高いわさびを届けられる未来を実現したいと考えています。」

NEXTAGEは今後、これまで蓄積してきた植物工場での栽培技術とノウハウを活かし、「ALL JAPAN MADE」のわさび栽培技術を世界に広げていく構えだ。わさび文化の継承と革新の両立を掲げるその姿勢は、食と農業、そして日本の伝統文化の未来に大きな一石を投じている。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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