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タクシードライバー向けマイクロファイナンス事業を展開する日本発スタートアップ・HAKKI AFRICAがシリーズCラウンドで27.1億円を調達

タクシードライバー向けマイクロファイナンス事業を展開する日本発スタートアップ・HAKKI AFRICAがシリーズCラウンドで27.1億円を調達

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アフリカを舞台に「タクシードライバーに信用を」――。そんな志のもと設立された日本発スタートアップ、HAKKI AFRICA(ハッキアフリカ)が、シリーズCラウンドにおいて総額27.1億円の資金調達を実施した。これにより、創業以来の累計調達額は49.0億円に到達。ケニアでの実績を武器に、次なる挑戦の場として南アフリカとインドへの事業展開を見据える。

アフリカでの挑戦に27.1億円が集まる理由

今回の資金調達は、SMBCベンチャーキャピタルやグローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズといった国内有数のベンチャーキャピタルが名を連ねた。第1クローズでは19.7億円、第2クローズでは7.38億円を調達し、信用力ある金融機関からの融資も含まれる。

資金の使途は、既に高い成果を上げているケニアでの事業をベースに、今後の海外展開を加速させるための基盤整備。HAKKI AFRICAは、「自動車×金融」という構造的優位性を活かし、既存の金融インフラから取り残された層に向けたマイクロファイナンスの仕組みを構築してきた。

銀行に頼れないドライバーたちに「信用」を

アフリカでは、多くのタクシードライバーが銀行から融資を受けるための与信書類や頭金を準備できない現実がある。こうした状況を打破すべく、HAKKI AFRICAは独自開発のアルゴリズムによるクレジットスコアリングシステムを導入。これにより、ドライバーの誠実な稼働実績やデジタル履歴に基づく新しい「信用評価」が可能になった。

同社はケニアで、車両購入用のファイナンス商品を提供しており、レンタルからの脱却を望むドライバーにとって大きな転機となっている。現地でのブランド認知度も非常に高く、「HAKKI」は単なる金融サービスではなく、生活の質を変える象徴として支持を集めている。

「誠実な努力が報われる社会」をアフリカから

HAKKI AFRICAが掲げるビジョンは、「誠実な努力が報われる社会」の実現だ。テクノロジーを活用し、これまで信用を可視化できなかった層に対し「信用という新しい資産」を提供する。アフリカのタクシードライバーに限らず、世界には18億人もの「金融アクセスのない人々」がいると言われており、その全体に光を当てようとする姿勢が評価されている。

こうした社会的インパクトに加え、HAKKI AFRICAは事業としての成長性も際立っている。売上高は高い成長率を維持し、連結ベースの経常利益は3期連続の黒字。2024年度の経常利益は前年比で+1,330%という驚異的な数字を記録した。単なる理想論ではなく、実ビジネスとしての確かさが今回の大型資金調達を後押しした形だ。

2019年創業のHAKKI AFRICA。彼らの挑戦は、単に新興国向けの金融サービスに留まらず、「信用とは何か」を問い直す壮大な実験でもある。その次なる舞台、南アフリカとインドにおける展開から、目が離せない。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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