【eiicon支援事例/BIPROGY】「コンソーシアム型アクセラ支援」による4つの新規事業構想を創出!eiiconの事業創出支援を通して得られた成果とは?
2022年9月、国内有数のSIerであるBIPROGY株式会社(旧・日本ユニシス株式会社)は、コンソーシアム型のプロジェクト『DiCE(ダイス:Digital Chain Ecosystem)』を立ち上げました。これは、企業間のデータ連携・流通による、新たな事業創出を目指すというもの。
同プロジェクトの一環で、2022年から2023年にわたり、アクセラレータプログラム『DiCE Consortium accelerator program』が開催されました。このプログラムには、『DiCE』の中核企業3社(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 /朝日生命保険相互会社/日本航空株式会社)が参画し、共創テーマを公開。コンソーシアム参画企業とともに、事業創出に着手。その成果として、プログラムから生まれた複数案件が継続連携事業となりました。
オープンイノベーションや新規事業の支援を行っている株式会社eiiconは、同プログラムの立ち上げ期からサポートを実施。成果を生み出すためにバックアップを続けてきました。
そこで今回、BIPROGYにおいて『DiCE』を推進している大槻剛氏にご登場いただき、eiiconの支援内容をどのように評価しているのか、お話を伺いました。
▲BIPROGY株式会社 戦略企画部 事業開発第一センター 共創プロジェクト 担当マネージャー 大槻 剛 氏
事業創出に向けて“手を動かしながら一緒に汗をかけるパートナー”として、eiiconを選んだ
――まずは、コンソーシアム型のプロジェクト『DiCE』および、アクセラレータプログラム『DiCE Consortium accelerator program』を実施された背景についてお聞かせください。
大槻氏 : BIPROGYは社会課題の解決ができる企業になることを掲げ、従来のSIerとしてのポジショニング、アセットを活かした新規事業開発を手がけています。そのテーマの一つとして、これからの時代に必要になるであろう「パーソナルデータの企業者間連携」に取り組んでいました。
それを実現する手段としてパーソナルデータ流通基盤「Dot to Dot」というソリューションを開発・提供しています。このソリューションをさらに加速させるために色々な施策を考えました。しかし、ITの基盤だけあっても新たなビジネスは生まれません。色々と新規事業を妄想し、事業者と連携するもなかなか上手くいかない。
そこで、私たちが事業者の掲げる課題をデータ連携という文脈で一緒に伴走し、事業化を目指すことで目指す世界が実現できるのではないかと考えて立ち上げたのが、コンソーシアム型のプロジェクト『DiCE』であり、アクセラレータプログラム『DiCE Consortium accelerator program』です。
▲『DiCE』で目指す共創社会
――2022年から2023年にかけて実施された『DiCE Consortium accelerator program』ですが、運営支援会社としてeiiconを選んでいただきました。その理由について教えてください。
大槻氏 : 私たちは少数のチームで、新たな取り組みを独力で立ち上げるのも難しいため、外部を頼ることにしました。もともと弊社社員の前職の後輩が貴社にいたこともあり、お声がけさせていただいたことがきっかけです。
その中で、理想論ではなく、「一緒に汗をかける」「手を動かすような作業もお願いできる」といった私たちが求めている点と、eiiconの考えや提案内容が合致したため、連携することに決めました。その他の企業は、「綺麗な絵」は描くものの具体的な推進までは着手しないというケースが多く、そういった意味でもeiiconに期待したのです。
――eiiconの提案プロセスについてはいかがでしたか?
大槻氏 : 実施内容の説明から費用面まで、非常に丁寧にご対応やご提案いただきました。私は検討の2回目頃から参加したのですが、当社としても前例がないようなプログラム企画を一つのチームで実施するため、検討事項、費用面、上位への詳細説明、プログラムの立付けなど考えることや社内説明などが多く、eiiconとの契約プロセスなどにも多くの時間を要してしまいましたが、契約前でも忍耐強くこちらの細かい要望にもブラッシュアップ対応/提案してくださいました。そのような過程を踏まえながら、eiiconとの信頼関係を徐々に構築していったと思います。
プログラムを実施することで得た、“4つの成果”
――eiiconによるアクセラレータープログラム支援の全体像と、具体的にどのような支援があったのかについてお聞かせください。
大槻氏 : プログラム支援の全体像としては、「①立ち上げ期」、「②中核企業決定後~テーマ設定」、「③企業募集~連携先決定」、「④事業開発」、「⑤その他イベント関連」に分けることができると思います。
まず、「①立ち上げ期」についてですが、全体のタスク計画と整理に加え、中核企業候補となる各社への提案支援などが挙げられます。次に、「②中核企業決定後~テーマ設定」に関しては、各中核企業とのディスカッションを通して、先方の課題、目標からテーマへの落とし込み(議論、ワークショップ、検討事項の整理、議事の作成)を実施しました。
「③企業募集~連携先決定」においては、スタートアップ向け説明会の企画と実施、公募の実施、書類審査の支援、面談審査の調整と支援を手がけていただきました。そして、「④事業開発」のフェーズでは、各企業とのディスカッションを通して、事業モデルの整理、連携推進を実施していただいています。
また、「⑤その他イベント関連」については、キックオフ会議、中間報告会、スタートアップ向け説明会、最終報告会など、プログラム中に必要となる各種イベントの企画や立ち上げを手がけてもらいました。
▲『DiCE Consortium accelerator program』の全体図。eiiconは運営全体を支援しつつ、共創/オープンイノベーション成功事例観点でのアドバイザリーを手がけた。
――今回、およそ1年間のプログラムを通し、中核企業3社(あいおいニッセイ同和損害保険/朝日生命保険/日本航空)とスタートアップによる共創で最終的に4つの事業構想が創出されたとお聞きしています。eiiconによる支援で得られた成果について教えてください。
大槻氏 : 主に、4つの成果が挙げられます。1つ目は、BIPROGYの新規事業に関する取り組みの対外発信ができたこと。2つ目は、中核企業との新規事業連携ができたことです。そして、3つ目は、『DiCE』で生まれた複数案件が、継続連携事業となったこと。
※4つの事業構想が創出された
最後の4つ目は、BIPROGY内でも『DiCE』のような新規事業開発ができるという、社内に向けたメッセージの発信ができたという点です。実際に、BIPROGYが運営するメディア「BIPROGY TERASU」にて本取り組みが記事化されています(※)。このような情報発信によって、当社内の新規事業に関する意識の改革にも繋がったと感じています。
※「BIPROGY TERASU」記事:1年間で4つの新規事業構想を生み出したプロジェクト「DiCE」
このような成果の中で具体的なものの1つが、中核企業である朝日生命との取り組みです。『DiCE』によって生み出された認知症に関する取り組みは、現在も推進中です。
以上のような成果を生み出すために、eiiconには様々な協力をいただきました。すでに他部署にもeiiconを紹介していますし、今後もeiiconとのお付き合いを大事にしていきたいと思っています。
▲2023年9月に開催された『DiCE Consortium accelerator program』成果報告会で進行役を担う大槻氏。
型に当てはめず、中核企業3社ごとの状況に合わせたオリジナルにカスタマイズされた伴走支援がポイントだった。
――成果を出すことができた要因については、どのようにお考えでしょうか?
大槻氏 : eiiconが親身になって、伴走してくれたからだと考えます。加えて、オープンイノベーションや新規事業に関するフレームワークを厳密に固めるのではなく、柔軟な姿勢で対応してくれた点も要因の1つでしょう。
理論だけの支援会社とは違い、eiiconは本気で一緒に事業を作ってくれる会社です(コンサルでありメンターであるというイメージ)。さらに、オープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」を有していることで、多様な企業接点を持っていることも競合優位性といえます。事業創出含めオープンイノベーションに関する支援をワンストップでお願いできるeiiconだからこそ、成果を出すことができたのではないでしょうか。
今回の『DiCE』の成功は、eiiconの力があったからこそです。関わっていただいたeiiconメンバーには感謝しかありません。また一緒に仕事したいなと思える関係性が築けたかなと思っています。
――今回の支援を通して、オープンイノベーションの価値を実感いただけたでしょうか?
大槻氏 : そうですね。今回の『DiCE』を通じて、その価値を実感しました。今後も、継続的にオープンイノベーションを活用していきたいと思います。
※『DiCE』の中核企業3社(あいおいニッセイ同和損害保険/朝日生命保険/日本航空)のインタビューは「BIPROGY TERASU」記事をご参考ください:1年間で4つの新規事業構想を生み出したプロジェクト「DiCE」
今回のプロジェクトにおけるeiicon伴走支援メンター
取材後記
BIPROGY主催の『DiCE Consortium accelerator program』の支援事例インタビューをお届けしました。1年にわたって開催された同プログラムからは最終的に4つの事業構想が生まれ、現在も継続中の事業もあり、価値ある成果を残すことができました。
大槻氏のお話の中で印象的だったのが、「eiiconは一緒に汗をかいてくれるパートナーだった」というフレーズです。BIPROGYにおいても先進的な取り組みである『DiCE Consortium accelerator program』は、まさにゼロからの立ち上げ。全体像を設計・構築するだけではなく、手を動かすパートナーとしてeiiconに厚い信頼を寄せてもらっていると実感できるインタビューでした。
eiiconは、アクセラレータープログラムやオープンイノベーションプログラムの支援実績も豊富です。各種プログラムの開催を、企画段階から支援してほしいというニーズにもお応えしていきますので、お気軽にお問い合わせください。
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※2023年9月に開催された『DiCE Consortium accelerator program』成果報告会のレポート記事は、eiiconが運営するメディア「TOMORUBA」に掲載されています。あわせて、ご覧ください。
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