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SGホールディングスグループがパートナー企業と挑む共創の成果は?――『HIKYAKU LABO 2023』DEMO DAYをレポート

SGホールディングスグループがパートナー企業と挑む共創の成果は?――『HIKYAKU LABO 2023』DEMO DAYをレポート

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2030年に向けた長期ビジョン「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を掲げるSGホールディングスグループ。佐川急便を中核とする同グループは、業界の枠を超えた多様なパートナーとともに力を合わせ、物流の改革の先に、未来につながる価値の創出を目指している。

その一環として、オープンイノベーションにも力を入れている。2020年に『HIKYAKU LABO(ヒキャクラボ)』を佐川急便の「オープンイノベーション活動の基地」として開始し、2022年より範囲を拡大して、今では多くの国内事業会社が参画するグループ全体の活動へと成長している。今年度も10件の共創プロジェクトが進行してきた。

そして去る11月29日、今年度の活動の成果を発表するDEMO DAY(成果発表会)が、盛大に開催された。本記事では、関係者をはじめ多くのビジネスパーソンが集結し、物流の未来に想いを馳せた本イベントの様子を紹介していく。また、受賞した共創プロジェクトチームのショートインタビューに加え、SGホールディングス株式会社 取締役 川中子氏のインタビューもあわせてお届けする。

※所属・役職は取材当時のものです

DEMO DAYまでの軌跡――8月に共創チームを組成、3か月という短期間で実証実験の計画・実施へ

11月29日にDEMO DAYを迎えた『HIKYAKU LABO 2023』だが、今年度のプログラムが動き出したのは約6カ月前。5月中旬、SGホールディングスグループの事業会社10社が、共創で解決したい課題や実現したいビジョンをテーマとして掲げ、共創パートナーを募集した。エントリーの応募は6月に締め切り、その後、書類選考と面談選考を経て、各社のテーマに沿ったパートナー候補を選定。そして8月頃より、共創チームとなりビジネスモデルのブラッシュアップや実証実験の計画、実施などに取り組んできたという。

このDEMO DAYでは、共創チーム立ち上げから約3カ月を経過した現時点におけるプロジェクトの成果が発表される。各発表に対して、SGホールディングスの経営陣、オープンイノベーションの第一人者、ベンチャーキャピタリストがフィードバックを行うとともに、「審査員賞」を授与する。また、会場参加者による投票をもとにした「オーディエンス賞」も用意され、会場を盛りあげた。

<審査員>

・SGホールディングス株式会社 取締役 経営企画担当 川中子 勝浩 氏

・SGホールディングス株式会社 執行役員 経営企画担当 兼 経営企画部長 兼 IR室長 藤野 博 氏

・株式会社ゼロワンブースター 代表取締役 CEO 合田 ジョージ 氏

・New Commerce Ventures株式会社 代表パートナー 大久保 洸平 氏

・株式会社eiicon 執行役員 村田 宗一郎 氏

▲5名の審査員が質疑応答を行いながら各共創チームの発表内容を採点し、「審査員賞」を決定した。

審査員賞とオーディエンス賞をW受賞した共創プラン――真空率99.5%、世界最高峰の技術で真空物流を事業化

審査員と来場者らの心をわしづかみにし、「審査員賞」と「オーディエンス賞」を総取りしたのが、インターホールディングスと佐川急便の共創チームだ。「真空物流」という画期的な新サービスを提案した本チームの発表内容から紹介する。

■インターホールディングス × 佐川急便

「物流課題を解決 革新的な真空物流」

▲写真左から

・株式会社インターホールディングス 代表取締役社長CEO 成井五久実氏

・佐川急便株式会社 経営企画部 主任 木村健太氏

・SGホールディングス株式会社 取締役 経営企画担当 川中子勝浩氏

宅配便事業を中心とした物流ビジネスを展開する佐川急便は、革新的な真空技術を持つインターホールディングスと共創に挑戦。インターホールディングスは、真空率99.5%を実現できる独自の技術を持つ。99.5%というのは、地球上最大の真空率とされており、同社はその技術で特許も取得しているという。わずか4つのパーツで逆止弁をつくり、容器の中を高い真空状態にすることができるそうだ。

この特許技術と物流のリーディングカンパニーである佐川急便が組むことで、実現したい新規事業のテーマは2つ。

ひとつが、より高品質な配送を可能にする真空梱包資材。商品を発砲ビーズの入った梱包用ビニール袋で包み、空気を抜く。梱包材が商品を隙間なく包むため、揺れや衝撃による破損リスクを軽減できる。とくに精密機器や美術品など、取り扱いに細心の注意が求められる荷物の輸配送で活用が期待できる。

もうひとつが、生鮮食品などの鮮度を保ったまま長距離の輸送を可能にするサービス。農林水産省は2030年までに5兆円の一次産業輸出を目指しているが、運搬や保管技術の開発が課題となっている。実際、国内の食品関連事業者にヒアリングしたところ、日本の味を保持したまま海外へと輸出したいというニーズが確認できた。また専門機関に依頼し、本真空技術を使ってサバの鮮度保持期間を調べたところ、通常よりも長く鮮度を保持することが確認できた。

<受賞者コメント>

インターホールディングス代表の成井氏は、「国内の発明家が30年かけて開発した真空技術だが、一度も社会実装されていない」と述べ、物流分野における初の社会実装事例になるかもしれないと期待を込めた。佐川急便の木村氏は、自身のセールスドライバー®の経験から、「より品質の高い物流を実現することで、お客さまにも喜んでもらいたい。新しい技術を使って、お客さまにもドライバーにも、新たな価値を提供していきたい」と熱意を示した。

ほか9チームの共創プラン――不用品リユース、防災、ミドリムシ由来燃料、AR・AI活用による業務効率化etc.

ここからは惜しくも受賞を逃したものの、独自性のある共創プランを発表した9チームの発表をダイジェストで紹介していく。

■INJUS × SGムービング

「静脈物流で資源を有効活用~不要品をリユース市場で循環~」

▲写真左から

・SGムービング株式会社 営業部 統括長 永島強志氏

・同 係長 大塚菜美氏

・株式会社INJUS 代表取締役 鹿山瞬氏

大型家具家電の設置輸送および移転を主軸に「輸送+α」の付加価値を提供するSGムービングと、スマホアプリやLINEアプリ、Webシステム等の開発・制作事業を展開するINJUSは、オフィス移転における不要品簡単なリユースを可能にするLINEやWebプラットフォームを開発・実証する。移転時に出る不要品のリユースや再資源化のスキームを構築し、循環型社会の実現に一歩踏み出す。移転予定のある自治体等の協力を得て、このサービスの実現性を検証予定だ。

■SWAT Mobility Japan × SGムービング

「ドライバー・社会から選ばれる企業へ~現場目線のサービスを創造~」

▲写真左から

・SGムービング株式会社 TOKYO BASE 森田結依氏

・同 菅澤悠氏

・SWAT Mobility Japan株式会社 服部颯也氏

SGムービングはSWAT Mobility Japanとも共創に取り組む。SWAT Mobility Japanは世界トップクラスのルーティング・アルゴリズムを有し、交通分析ツールや物流配送最適化システムを提供している。同社のサービスをSGムービングの配車業務に活用することで業務効率化を目指す。すでに実証実験を行っており、配車業務の時間を大幅に短縮できることが確認できた。また、人では気づけない最適なコースをシステムが提示することで、ドライバーの配達件数も増やせるなど、手応えが得られているという。

■Revo Energy × SGムービング

「脱炭素社会に向けた新たな挑戦~ミドリムシ由来油100%燃料のイノベーション~」

▲写真左から

・SGムービング株式会社 営業部 サーキュラーデザイン課 主任 伊藤 拓人氏

・同 経営企画部 係長 田中清之氏

・株式会社Revo Energy 代表取締役 中谷敏也氏

SGムービングとRevo Energyは、脱炭素社会の実現に向け、バイオ燃料の活用を進めていく考えだ。Revo Energyは、ミドリムシからバイオ燃料を生成する。ミドリムシのエサとなる稲を太陽光発電で水耕栽培し、CO₂排出量実質ゼロでの燃料生成を実現。また、ミドリムシを高効率で培養する技術を持つ。まずはSGムービングのトラックにバイオ燃料を給油し、走行状況や排ガスの検査などを実施するそうだ。

■エピソテック × ワールドサプライ

「ARによる多品種小ロット生産のDX~化粧品製造業における新任者向け教育システム~」

▲写真左から

・株式会社ワールドサプライ 経営企画室 係長 山火由輝氏

・同 ロジスティクス部 相澤彩香氏

・エピソテック株式会社 代表取締役 内藤優太氏

ワールドサプライは、百貨店や大規模小売店への納品代行サービス等を提供している。本プログラムでは、ARを使った標準作業手順書(SOP)作成アプリにおいて数々の実績を持つエピソテックとともに、輸入化粧品への成分表示ラベル貼付作業の効率化を目指す。成分表示ラベルの貼り付けは、ブランドの価値を保つために正確性が求められるうえに、メーカーや商品によって貼り付け位置が異なるため、マニュアル化が難しいという課題がある。ARシステムを導入することで教育の効率化を図りながら、作業者が早期に習熟度を上げられる仕組みを作っていく。

■エピソテック × 佐川グローバルロジスティクス

「ヒトとARが融合する物流オペレーションの未来」

▲写真左から

・佐川グローバルロジスティクス株式会社 物流ソリューション部 課長 中村洋平氏

・エピソテック株式会社 代表取締役 内藤優太氏

佐川グローバルロジスティクスは、全国各地で3PL事業を展開している企業だ。倉庫内作業は現在、スポットワーカーへの依存度が高まっており、多様な人材への適切な初期教育などが課題となっている。そこで、ARアプリベンダーであるエピソテックと協力し、ARを用いた倉庫内のルート可視化や、初期教育のためのアプリを開発。初めてその倉庫で作業する人でも、スマートフォンをかざすと、作業手順や商品の保管場所まで音声付きで道案内をしてくれる。まずは一部の作業にARを活用することからはじめ、活用領域を広げて全国の拠点への展開を目指す。

■ゼンリンデータコム × 佐川アドバンス

「危機管理機能のアップデート」

▲写真左から

・佐川アドバンス株式会社 営業部 舟岡朋美氏

・同 関佳美氏

・株式会社ゼンリンデータコム IoT事業本部 IoT第三事業部 専任課長 輿石亘氏

保険販売やオリジナルグッズの企画・販売など、多角的に事業を展開する佐川アドバンスは、詳細で正確な住宅地図情報データを提供するゼンリンデータコムと協力し、災害備蓄品の調達から管理、配送手配までをトータルで提供する新規事業を構想。災害備蓄品の調達から配送までを、佐川アドバンスがSGホールディングスグループ各社と連携してサポート。ゼンリンデータコムのデータをもとに、エリア単位での必要物資量を算出すると同時に、災害時の最適な物資供給拠点や最短配送経路も可視化するという。これにより、自治体や企業の災害備蓄品管理業務の負担を軽減する狙い。実証実験についても実施を計画している。

■フツパー × SGモータース

「整備データ分析による車両の『安定稼働』 提案」

▲写真左から

・株式会社フツパー 関東支社長 兼 ビジネス開発本部 マーケティング部長 萩原啓悟氏

・SGモータース 埼玉店 工場長 安井洋介氏

・同 東京店 工場長 齊藤優太氏

トラックや商用車の車検・点検・整備・修理などを行うSGモータースは、製造業向けAIサービスを展開するフツパーとともに車両整備事業の高度化に取り組む。具体的には、AIを活用して整備データを分析し、車両の故障や異常の要因を明らかにする。これにより故障が発生する前に車両のパーツ交換を提案する狙いだ。社内に蓄積している整備データ11年分の分析では、パーツの交換頻度が、その車両の走行するエリアの特性によって大きく異なることが分かった。結果に基づき、エリアの特性に合わせてパーツの交換時期を見直す。予防整備を提案することで、車両を使う企業の事業を止めない、「安定稼働」をサポートしたいとした。

■pickupon × SGモータース

「安心・安全な物流インフラを支えるため業務改革による顧客価値の創出」

▲写真左から

・pickupon株式会社 Manager 中冨蔵氏

・SGモータース株式会社 仙台店 主任 吉川浩二氏

・同 東京店 主任 土倉拓也氏

SGモータースは、pickuponと連携し、顧客との窓口だけでなく、現場への情報連携など重要な役割を担う「フロント業務」の改善にも取り組む。pickuponの強みは、通話内容を録音、テキスト化して要約する技術。情報共有や会話分析などもでき、通話内容を情報資産として残せる。これまでアナログだったフロント業務の効率化、現場との連携強化を図り、顧客とのコミュニケーションもより向上させる。

■AYUMI BIONICS × SGフィルダー

「映像解析で作業生産性を可視化するAIの共同開発」

▲写真左から

・SGフィルダー株式会社 経営企画部 主任 林洋丞氏

・株式会社AYUMI BIONICS 代表取締役 田脇裕太氏

・同 取締役 中村杏菜氏

SGフィルダーは、物流や製造業界向けに人材派遣や紹介、業務請負事業を展開している。今回の共創では、運動器障害にかかわる腰やひざ、バランス等の足腰力を測定する独自のシステムを開発しているAYUMI BIONICSの技術を物流業務における作業動作分析に転用し、現場作業の定量的な可視化と生産性向上を狙う。実証実験では、カメラや活動量計を用いて作業の効率性を評価。その結果、日ごと、時間ごとの活動量のばらつきなど、これまで感覚的にしか把握できていなかった現場の課題点を可視化することができた。今後は、この可視化された情報の活用と、より効率的なデータの取得方法について検討を進める。

【受賞チームインタビュー(インターホールディングス × 佐川急便)】真空物流で日本から世界へ

DEMO DAY終了後、「審査員賞」と「オーディエンス賞」のW受賞を果たしたインターホールディングス 代表の成井氏と佐川急便の木村氏にインタビューを行った。

――W受賞、おめでとうございます。今回の共創(「物流課題を解決 革新的な真空物流」)を成功させるために、注力されたポイントなどがあれば教えてください。

インターHD・成井氏: 採択された時点で、木村さんから「(真空技術が)物流資材や食品に使えるのでは」という提案をいただきました。初期の段階で明確にゴール設定できたことが、非常によかったと思います。ゴールが定まった後は、実証実験の準備に着手しました。

期間は短かったのですが、「DEMO DAYまでに、何らかの成果を出さなければ」と考え、スピード重視で取り組みました。木村さんが迅速に取引先へ提案に行ってくださり、実証実験の計画が固まり、その計画に合わせた資材を急いで開発し、試してみてというように、高速でPDCAを回せたことが、今回の受賞につながったと思います。

【写真左】 株式会社インターホールディングス 代表取締役社長CEO 成井五久実 氏

【写真右】 佐川急便株式会社 経営企画部 主任 木村健太 氏

佐川急便・木村氏: スタートアップの皆さんと共創をしていて感じるのは距離感です。「私たちのほうから近づいていかなければ」という感覚はあったので、「図々しいと思われるかな」と感じながらも、積極的に成井さんとコミュニケーションを取りました。また、取引先への共同提案も相当な数をこなしたので、そうした点が受賞につながったと感じています。

――近年、様々なオープンイノベーションプログラムやアクセラレータープログラムが開催されていますが、『HIKYAKU LABO』の魅力はどのような点にありますか。

インターHD・成井氏: 本日のような発表の場があることもあり、コミット力が段違いでした。事業開発や社会実装に向けての試行錯誤に積極的で、とても取り組みやすかったです。顧客基盤も豊富で、ヒアリングや実証実験などにご協力いただいた飲食チェーンさん、食品ECサイトの運営企業さん、精密機器の修理等を行う企業さんなどに一緒に行かせていただき、佐川急便さんの営業力の凄まじさを感じました。話は必ず聞いてもらえますし、短期間でプロジェクトを立ち上げやすかったという印象を持っています。

――今回の共創事業に関して、佐川急便社内での反響はいかがでしょうか。

佐川急便・木村氏: 社内の反響は非常によいです。成井さんからいただいた梱包資材を社内に置いていると、「これは何、どう使うの」と人が集まってきます。「この真空技術をお客さんに提案したい」という声も上がっていますね。社内の関心は高いため、今のうちに実証実験を重ねて課題の解消に努め、事業化を目指したいと考えています。

――『HIKYAKU LABO』に参加を検討する企業の皆さんに向けてメッセージをお願いします。また、本共創事業に対する意気込みもお聞かせください。

インターHD・成井氏: SGホールディングスさんは、物流業界のリーディングカンパニーで、そうした大手企業とともに結果を残せる可能性があることが、本プログラムの最大の魅力だと思います。『HIKYAKU LABO』に参加して、SGホールディングスさんが新しいことに挑戦されている革新的な企業だと感じました。私はこの技術が世界を変えると信じて起業しました。佐川急便さんとともに、真空物流という今までにないソリューションで、日本の品質を世界へ広めていきたいです。

【SGHD 取締役・川中子氏インタビュー】 今後も業種業界の垣根を超えた多様なパートナー企業との連携を推進する

最後に『HIKYAKU LABO』を主催するSGホールディングス株式会社 取締役 経営企画担当 川中子 勝浩 氏より、オープンイノベーション活動に対する考えを伺った。

――昨年度に続いて、今年度も共創プログラム『HIKYAKU LABO』を継続されようと思った背景からお伺いしたいです。

SGHD・川中子氏: 労働力不足や不安定な国際情勢、二酸化炭素排出量の削減といった課題が、社会全体に様々な影響を及ぼしているなか、当社グループは引き続き社会インフラとしての物流サービスを安定的に提供していく必要があると考えています。当社だけでは解決できない課題も多いことから、昨年度より長期ビジョン「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を掲げ、様々なパートナーと協力していくことを目指しています。

なかでも、スタートアップやベンチャーが持つ我々にない技術、斬新なビジネスアイデア、機動力の高さに注目しています。新たな価値創造のための取り組みは、短期的かつ一発必中で成果が出るとは限りません。社内外に取り組みを浸透させ、継続させていくことが重要ですから、「短期的に結果が出ないから継続しない」という考えは、もともと持っていませんでした。とはいえ、成果を度外視しているわけではありません。少しでも早く、確度の高い成果を求めていくために、常に施策をアップデートしていきたいと考えています。

▲SGホールディングス株式会社 取締役 経営企画担当 川中子 勝浩 氏

――昨年度の結果をふまえて、今年度の『HIKYAKU LABO』で改善した点があればお聞かせください。

SGHD・川中子氏: 今年度はより実現可能性を高めていくために、参画する当社グループの事業会社が、自社の課題や実現したいことをしっかりと言語化し、今年度のオープンイノベーションの活動における軸を作ることに注力しました。また、オープンイノベーションや『HIKYAKU LABO』という取り組み自体の社内浸透に力を入れたことも改善点のひとつです。グループ全体の担当者向け勉強会や、社内メディアでの発信を積極的に行い、グループ内に所属するすべての人が、新しい価値を創造するための重要な当事者であるということを投げかけました。

――自社の課題やビジョンを明確に言語化したことで、どのような変化がありましたか。

SGHD・川中子氏: 応募していただいた企業の皆さんに、当社グループのことをより深く理解していただけたと思います。目指す方向性が明確になったことで、各社とのマッチ度も高まり、共創アイデアの企画や実証検証に向けたスピードが向上したとの認識です。

――本日、各チームの共創アイデアを聞いて、どのような期待感をお持ちですか。また、今後の共創事業の発展に向け、どのような後押しをしていきたいとお考えですか。

SGHD・川中子氏: 今回のDEMO DAYに出てきたビジネスアイデアや効率化のアイデアは、いずれも始まったばかりのものです。最初は小粒でもパートナー企業の皆さまの機動力、当社グループにはない技術力もお借りしつつ、社会インフラとしての責任を果たしていけると期待しています。共創事業を成長させるために、車両、物流施設、人材など当社グループが全国に保有するリソースは、ぜひご活用いただきたいです。また、事業会社各社の中だけでなく、事業会社の垣根を超えたグループ全体への水平展開も支援していく考えです。

――今後のオープンイノベーション戦略についてお聞かせください。

SGHD・川中子氏: 長期ビジョンに掲げるとおり、今後も業種業界の垣根を超えた多様なパートナー企業との連携を推進していきます。1社対1社の連携だけでなく、同じ課題やビジョンを共有する様々なパートナー企業と連携し、新しい価値の創出を目指していく方針です。

取材後記

物流領域で広く事業展開するSGホールディングス。今回のDEMO DAYからは、中核であるデリバリー事業だけではなく、倉庫事業やオフィス移転事業、車両整備事業などとの幅広い共創を通じて、各所に新たなビジネスの芽が育まれていく様子がうかがえた。物流業界は深刻な人手不足や脱炭素への対応など抱える課題が大きい。それらの課題に対して物流業界のトップランナーと挑める本プログラムは、多くの企業にとって参加する価値がありそうだ。

(編集:眞田幸剛、取材・文:林和歌子、撮影:加藤武俊)

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