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エスビー食品×アグリテックの「CULTIVERA」 | 持続可能なスパイスやハーブの調達を目指す、超省資源型栽培の実証実験を開始

エスビー食品×アグリテックの「CULTIVERA」 | 持続可能なスパイスやハーブの調達を目指す、超省資源型栽培の実証実験を開始

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エスビー食品株式会社は、持続可能なスパイスやハーブの原料調達を目指し、特許栽培技術「Moisculture(モイスカルチャー)」を持つ株式会社 CULTIVERA(カルティベラ)と共同で、超省資源型栽培の実証実験を自社試験農場にて開始した。

実証実験を開始する背景

エスビー食品は、「地の恵み スパイス&ハーブ」をコアコンピタンスとした事業を推進するとともに、持続可能な企業と社会の実現を目指している。エスビー食品が取り扱うスパイスやハーブはすべて植物の一部であり、世界中の様々な国で生産されていることから、その持続的な調達は、地球環境問題や社会課題と密接に関わりを持ち、エスビー食品における重要な課題との認識だ。これからも、スパイスやハーブ、またそれらを用いて作る日本の国民食“カレー”のおいしさを持続的にお客様のもとへ届けたいとの考えから、エスビー食品は従来の方法に限定しない新しい栽培方法の検討に着手しているという。

一方でCULTIVERAが開発した特許栽培技術「Moisculture(モイスカルチャー)」は、水分の少ない環境下で、植物が生きるために発生させるという「毛細根」の可能性に着目した栽培方法。特殊なファイバー積層で 形成した空間を気化水分(湿度)で満たし、そこで植物を育てることで、元来植物が持っている効率よく水分や栄養を吸収できる微細な「毛細根」を発生・活性させ、気化水分で育てるため水の消費量が、従来より大幅に削減することができる。

さらに、気化水分の量=生育環境を常に調整できるため、①水や 土の資源消費を抑えながら②機能性(栄養価)が高く食味の良い作物を③様々な環境条件下で育てること が可能になる。

世界の淡水の69%を農業で利用しているといわれているが、国際連合の報告によると、今後世界の人口 の増加に伴い2030 年には人の生活に欠かせない水は必要量に対して40%不足すると予測されている。そのような世界的な水資源の危機に際し、この環境保全に配慮したこの栽培方法は、高価な設備を必要とせずに、世界の様々な国や地域で普及できるとされている。また、土壌の代わりに空間で育てるため、土をほとんど消費しない栽培が可能で、淡水・土壌の大量消費や汚染、森林破壊など農業が抱える環境問題の解決に繋がる。

実証実験の内容

最初の実証実験対象は、自社試験農場である忍野試験農場で長年研究を続けている“わさび”だ。栽培時の水分コントロールが可能であるため、栄養が均一にいきわたり成長にムラがない傾向があった。この栽培方法はパクチーやチャービル、ディルなどのハーブにも適しているのではないかと推測しており、今後検証を重ねていく考えだ。また、スパイスやハーブの機能性成分のコントロールについても期待を寄せているという。スパイスやハーブの持続可能な調達について国内で知見を深め、将来的に世界中のサプライヤーと連携していきたいとの考え。

<Moisculture 技術で栽培された植物の「毛細根」>


<忍野試験農場でのわさびの実証実験の様子>


「S&B忍野試験農場」について

忍野試験農場は、日本有数の湧水・富士山麓山梨県忍野八海で知られる忍野村に1993年に開設した試験用施設。エスビー食品の原点であるスパイスやハー ブの原料の栽培研究を行っている。特に日本の香辛料の代表格であるわさびについて長年研究を続けている。ここで採種したわさびの種は、栽培条件に適うベトナムのダラット高原にある農地に運ばれ、栽培・ 収穫・加工を行い、原料として日本へ戻ってくる。 忍野試験農場では、おいしさを届けるための研究をこれからも続けていくそうだ。

※忍野試験農場について(HP

「株式会社 CULTIVERA(カルティベラ)」について

世界が直面している気候変動の危機に食を通して問題解決を試みる、環境適応型の次世代農業技術の開発を行うアグリテック企業。独自特許技術のMoiscultureをプラットフォームに様々な農業技術の研究開発を行う。三重県多気町にて農業法人ポモナファームの運営も行い、技術開発と技術実装の両面から気候変動問題に取り組む。ポモナファームでは、フルーツトマト・ミニトマトの他、マイクロリーフ、ハーブ、とうがらしなどを通年で生産している。

POMONA Farm (HP

※関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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