「展示会頼み」の輸出から脱却へ 元年堂×JAL Agriportが持続可能”な日本産いちご輸出モデルの実証実験を開始
株式会社シードおよびCULTURE LINK MALAYSIA SDN.BHD.は、JALグループの農業法人であるJAL Agriport株式会社と連携し、マレーシア市場における日本産いちごのブランド構築と輸出拡大を目指す実証プロジェクトを開始する。CULTURE LINKが運営するマレーシア初の十割そば専門店「元年堂 クアラルンプール店」で、試食イベントにとどまらず、現地卸との商談までを視野に入れた“売れ続ける商流”の構築に挑む。
多くの日本企業が直面する「輸出の壁」
近年、日本企業の海外展開は加速している一方で、「展示会に出展しても単発取引で終わる」「現地ニーズが不透明なまま出荷している」といった課題は依然として根強い。従来の商社・卸任せの輸出モデルでは、商品の価値や背景が生活者に十分伝わらず、価格競争に陥るケースも少なくない。こうした構造的課題に対する一つの回答として、本プロジェクトは設計されている。
鍵は「逆算型マーケティング」
本実証の特徴は、JAL Agriportが持つ安定した調達・物流力と、CULTURE LINKが築いてきた現地のリアルな顧客接点を掛け合わせた点にある。「作ってから売る」のではなく、「現地でファンをつくり、確かな需要を捉えてから流通を設計する」。この逆算型の発想により、持続可能な輸出モデルの構築を目指す。
成功確率を高める3つの実証ステップ
実証は3つのステップで構成される。
潜在ニーズの「スコアリング化」。日本から空輸した高品質いちご(あまおう、恋みのり)を提供し、味や外観に加え、価格受容性や贈答需要、購入意向などを詳細に調査。感覚的な評価を定量データとして可視化する。
消費者へのダイレクトマーケティング。現地インフルエンサーとも連携し、SNSと店舗体験を通じて認知とファンベースを形成する。
有力流通網とのネットワーク構築。スコアリングデータと消費者の熱量を根拠に、現地卸やバイヤーと商談を行い、一過性ではない商流の確立を目指す。
日本産農産物の価値を、現地の生活者視点で再定義し、データと実需に基づいた輸出へとつなげる本取り組みは、展示会依存からの脱却を目指す日本企業にとって、ひとつの実践モデルとなりそうだ。
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(TOMORUBA編集部)