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3年をかけ進化した「パーソルキャリア×シングラー」によるHRtechnology活用の共創秘話

3年をかけ進化した「パーソルキャリア×シングラー」によるHRtechnology活用の共創秘話

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HRtechnologyで、「はたらく」をもっと自由にしていくことを目指し、テクノロジー活用やイノベーション推進など次々と新しい仕掛けを繰り出すパーソル。そのパーソルグループの中で転職サービス『doda(デューダ)』を中心に、人材紹介、求人広告、新卒採用支援など、人と企業を結びつける多様な人材サービスを展開しているのが、パーソルキャリア株式会社(以下PCA)だ。同社は2018年5月、面接に特化したクラウド型人材分析システム『HRアナリスト』を開発したシングラー株式会社を連結子会社化。プロダクトの開発強化と人材サービス事業の協業体制を構築すると発表した。

それから約3年の月日が流れ、現在ではPCAの中途採用支援システム『doda Assist』と『HRアナリスト』のシームレスな連携が実現。『doda』を利用する企業が『HRアナリスト』の分析機能を使って採用活動を行っている。

しかし、人材業界を代表する大手企業・PCAと、設立間もないスタートアップだったシングラーの共創は、最初からスムーズに進んでいたわけではなかった。事業やプロダクトに関する考え方の違いやカルチャーギャップなどもあり、手を組んだ当初は苦労の連続だったという。

今回はHRtechnologyで、先進的な取り組みやイノベーティブなサービス開発を続けるパーソルグループの具体的な共創事例の1つを取り上げて紹介していく。

両社の共創において2018年当時から現在まで、現場における実行責任者を務めているPCAの岡田氏、シングラー社CEOの熊谷氏にインタビューを実施し、共創の障壁となった課題や当時の苦労話、さらには両社がワンチームとして歩み寄ることになった理由や、そのために実行された施策、お二人のマインドセットの転換点などについて、じっくりとお話を伺った。


【写真左】パーソルキャリア株式会社 dodaプラス事業 企画部門責任者/MIRAIZ開発統括部 エグゼクティブマネージャー 岡田将幸氏

2009年、新卒で株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。 人材紹介の法人営業として経験を積んだ後、マネジャーとして人材紹介事業の営業企画部門と全社の営業企画部門を統括。2018年5月、シングラー社の連結子会社化を機に、パーソルキャリア全社に対する『HRアナリスト』導入の実行責任者となり、転職サービス『doda』や中途採用支援システム『doda Assist』との連携強化など、様々なレイヤーで同社との共創を推進。現在は、非対面の人材紹介・人材スカウトサービスを提供する『dodaプラス』事業の企画部門責任者、多様なパートナーと協創して個人が主役の”はたらく”を生み出す『MIRAIZ』のサービスオーナーを担いながら、シングラー社の取締役も兼務している。

【写真右】シングラー株式会社 代表取締役CEO/Founder 熊谷豪氏

1983年生まれ。明治大学卒業後、ベンチャーのモバイル広告代理店に入社し、人事採用業務に従事。2011年に人事採用の上流戦略を提案するHRディレクションカンパニーを立ち上げ、コンサルティングファーム、ITベンチャー、教育、食品会社などの採用チーム立ち上げ・再建を中心とした採用コンサルティング全般に携る。2016年11月シングラー株式会社を設立し、面接CX(候補者体験)を高めて内定辞退を防ぐ『HRアナリスト』を発表。同サービスでエントリーした日本最大級のスタートアップカンファレンス『B Dash Camp 2017 Summer in Sapporo』で準優勝に輝く。『HRアナリスト』をコアとしたHR Techによる人材採用の変革を推進中。https://hr-analyst.com/

数ある人材会社の中でパーソルだけがシングラーの考え方を尊重してくれた

――シングラーがパーソルグループに入ることになった経緯から教えてください。

熊谷氏 : パーソルとのコンタクトは、2017年の8月まで遡ります。その前年にシングラーを立ち上げた私たちは、『B Dash Camp』というイベントのピッチコンテンストに出場して準優勝するのですが、そのイベントのスポンサーをしていたのがパーソルグループでした。

「プロダクトのアイデアを取られるかもしれない…」と考えていた当時の私たちにとって、人材系の大手企業は恐怖の対象でしかなく、名刺交換をしただけでコミュニケーションを取ることはありませんでした。

――設立間もないスタートアップであれば、そう考えるのも仕方ないですよね。

熊谷氏 : その『B Dash Camp』で『HRアナリスト』が準優勝を受賞したことで注目度が上がり、一気に資金調達の話が進展しました。人材系企業のCVCなどと話をする機会も増えたのですが、私たちとしてはIPOをして会社を大きくするよりも、大手企業と組むことでより多くの人にプロダクトを使ってもらえる状態にしたいと考えていたので、M&Aを前提として複数の人材系企業とコンタクトを取っていました。

――人材系企業の中で、最終的にパーソルを選んだ決め手などはあったのですか?

熊谷氏 : パーソル以外の企業は、どちらかと言えば「サービスを買いたい」とか「自分たちで売り切りってしまいたい」というスタンスでした。私たちとしては、『HRアナリスト』は成長段階のプロダクトであると考えていたので、買収したからといってすぐに退任させられてしまったら困ると思っていたのです。

そんな状況の中、パーソルだけが私たちの考え方を尊重してくれました。また、パーソルの人たちからは、シングラーという会社だけでなく『HRアナリスト』というプロダクトそのものへのリスペクトや一緒に進化させていきたいという想いが感じられたことも、最終的な決め手となりました。


――パーソルグループおよびPCAとしては『HRアナリスト』を開発したシングラーと組んで、どのような課題を解決したかったのでしょうか?

岡田氏 : 私たちは、人材紹介や求人広告などを活用し、人と企業をマッチングする事業を展開しています。ただ、企業と求職者の面接を設定するところまでは価値を提供できるものの、実際の面接の中身についてはブラックボックスであり、面接前に双方に対する情報を提供することぐらいしかできていませんでした。

『HRアナリスト』は、このような人材サービス事業の最後の空白地帯だった面接に対して直接的に手を打てるプロダクトです。パーソルグループとしてはシングラーと共に既存事業とのシナジーを生み出すような組み方をしたいという意図がありました。

――岡田さんが、熊谷さんやシングラーとの共創に関わり始めた時期について教えてください。

岡田氏 : 2018年の6月頃だったと思います。M&Aの段取りがある程度まとまった後、『doda』の様々な既存プロダクトとの連携を考え出すタイミングで顔合わせをし、以降はPCA側の実行責任者としてご一緒させていただいています。



「失敗に慣れているスタートアップ」と「失敗が許されない大企業」が組む難しさ

――岡田さんは、スタートアップの経営者と組んで仕事をするのは今回が初めてだったと聞いています。協業・共創に関して戸惑ったこと、難しいと感じられたことはありましたか?

岡田氏 : 最初の頃は、互いの仕事の進め方がまったく異なることに戸惑いがありました。細かい話ですが、ミーティングを行う際にドキュメントを用意してないとか、議事録を取らないとか(笑)。

そんなレベルの話もありますし、当社が企業に提供している中途採用支援システム『doda Assist』との連携に関して言えば、私たちは社内でプロダクトの開発や運用に関わる各部門や法務部門との調整など、様々な段取りを組んで仕事を進めていく必要があるのですが、熊谷さんやシングラーの皆さんは、事前に組まれた段取りやスケジュールプランよりも、「常にプロダクトを良くしていくこと」を考え続けているため、まさに朝令暮改といったペースで「やっぱりこうした方がいいんじゃないか」というアイデアを無邪気に投げ込んでくるんですよ。

受け手の私たちからすると「あれ? 昨日は違うこと言ってましたよね」ということになり…その点については難しかったですね。

熊谷氏 : プロダクトの開発と同じように、ビジネスの進め方にもアジャイルとウォーターフォールの差が存在していると思っています。PCAでは一つのプロダクトやプロジェクトだけでも何百人単位の社員が関わっているので、ウォーターフォールで進めないと破綻してしまいます。

一方、私たちシングラーは、目の前のプロダクトをいかに良いものにしていくかを考えているので、朝考えたことでも夜に違うなと思ったら、その都度変えていくようなアジャイル型の仕事の進め方をしています。そんな感じで岡田さんに「やっぱり変えましょう」と話すと、岡田さんの後ろにいる何百人という社員の方々の姿がぼんやりと見えてくるんですけどね(笑)。

岡田氏 : 「昨日、あの部署に説明したばかりなのに、今更変えるんですか?」ということが毎日起こっているというイメージです(笑)。

――まさに「大企業とスタートアップが協業することの難しさ」ですよね。両社の間に大きな摩擦や衝突が生じてしまったようなエピソードはありますか?

熊谷氏 : 大企業のPCAの方々からすると、スタートアップへの物珍しさもあるようで「一緒に何かやりましょう」という話が様々な部署から舞い込んできました。私たちとしてもチャンスを活かしたいので話に乗るのですが、「ダメだったらすぐに撤退すればいいよね」という考え方で、取り敢えず何にでもチャレンジするクセが付いているんです。

また、スタートアップは成功と失敗で言えば、失敗の数の方が圧倒的に多いこともあり、失敗に対して麻痺しています。そんなスタートアップ的なスタンスと考え方で始めてしまったことで、PCAの方々に迷惑をかけてしまったプロジェクトがありました。

――どのようなプロジェクトだったのでしょうか?

熊谷氏 : 『HRアナリスト』のアンケート分析システムのロジックを使って、自分にとって相性の良い上司を導き出すような新機能をリリースしようという企画でした。かなり話が進んでいたのですが、やはりシングラーとしてはメインの『HRアナリスト』に選択と集中をしなければならないと判断し、あるタイミングで上司診断のプロジェクトからは手を引かせてほしいとお願いしたのです。ただ、PCAサイドではすでに多くの部署、多くの人たちが動き出してしまっていたのです。

岡田氏 : パーソルグループ内の開発会社まで巻き込んで、すでに着手していた段階でした。それでも「止めるしかない」ということで、手を動かしていた人たちには平謝りするしかなく、最終的には私たちの上司がグループ会社に対しても「ここで一旦手を引かせてください」と謝罪して仕切りが入ることになったのですが。

熊谷氏 : PCAとしては半期分の予算をきっちり取って動き出していたところだったので、「今プロジェクトを止めれば、これだけのお金と作業が全部無駄になります」という状況だったんですよね。本当に関係各所にお詫びをして回るような日々でした。


無意識のうちに「シングラー側が」「PCA側が」という言葉を使っていた

――仕事の進め方が違う、カルチャーも違うということで、様々な摩擦が生じていたということですが、両社はどのように歩み寄ったのでしょうか?

岡田氏 : 私なりのターニングポイントになった話ですが、私たちのチームのメンバーが熊谷さんたちに対して「それは朝令暮改だ」ということを頻繁に言うようになったんです。そんなときに熊谷さんが「経営者はなぜ朝令暮改なのか?」という内容の新聞記事を送ってくれたことがあります。

その記事には、「経営者は四六時中、事業のことを考えているため、目の前のお客様や1つ1つのタスクと向き合うメンバーとは視点の高さや広さが違う。どちらが良い悪いという話ではなく、役割の違い。アンテナを張り続けている経営者は新しい着想をもとにして頻繁に方向転換を行う。結果、経営者の頭の中では適切な方向転換であっても、そのような文脈を理解していない社員にとっては朝令暮改に感じられてしまう」といった内容が書かれていました。

――その記事を読んで、岡田さんはどのように感じたのでしょうか?

岡田氏 : 私も管理職をしていたので、そのような感覚を理解していたつもりでしたが、あらためて経営者の視点を感じることができ、「これまでの熊谷さんの行動も、やはり経営者視点だったに違いない」と実感しました。

そのときを境に、とにかく熊谷さんが考えることの後手に回らないようと強く意識するようにしました。『HRアナリスト』についても熊谷さん以上に長い時間をかけて考え、できるだけ広い視点で捉えようとしました。まだまだ不十分かもしれませんが、この出来事を通してマインドセットを変えられたことを覚えています。

――マインドセットが変わったことにより、社内メンバーとの接し方も変わっていったのでしょうか。

岡田氏 : そうですね。熊谷さんの新しいアイデアや考えを朝令暮改と捉えることなく、自分なりに解釈し、腹落ちさせてからメンバーや社内の人たちに伝えることができるようになりました。

また、少し話がズレるかもしれませんが、当時はPCAとシングラーで、それぞれ協業のためのチームを組んで作業を進めており、熊谷さんからの示唆を受けた後に、私もメンバーも知らず知らずのうちに「シングラー側が」「PCA側が」という言葉を使っていたことに気付きました。

双方がそのように考えている時点で、視点が内向きになってしまうし、衝突してしまうのも仕方がなかったのです。そのことに気づいてからはチーム内で「シングラー側」「PCA側」という言葉を使わないようにしようと決めました。

熊谷氏 : 「シングラー側」「PCA側」という言葉を使っていたのは、こちらも同じだったので岡田さんと一緒になって「僕たちはワンチームだ。シングラー側とかPCA側という言い方は辞めよう」と言って回っていました。

ただ、簡単なようでいて難しいことでもあるんですよね。「協業」や「共創」というと柔らかく穏便なものに聞こえますが、私たちからするとプロダクトを妥協することは人生や命を捨てることに近しいですし、岡田さんたちにとって既存ビジネスの毀損は、組織の命運や自身のキャリアに直接関わってきます。

そのような意味で言えばお互いの命のやり取りをしているようなものなので、多少の摩擦が起こることは仕方がないのですが、互いが距離を取り合ってアウトボクシングをしているような状況が一番良くなかったのです。どうせなら距離を縮めてインファイトで殴り合った方がいい(笑)。そのようなことが当時はできていなかったのでしょうね。

――「シングラー側」「PCA側」という言葉を使わないこと以外に、両社が距離を縮め合い、同じベクトルを向くために行った施策などはあるのでしょうか?

熊谷氏 : 両社が同じベクトルを向くために必要だったことは、「覚悟」「人」「見える化」の3点だったと考えています。「覚悟」は言葉の通りの意味ですが、「人」については、どのようなメンバーで進めていくかということ。そして「見える化」は、プロダクトのビジョンや戦略、チームの思想、バリュー、これらのものをドキュメントに残して共有するということですね。

岡田さんが最初に話していたように、ドキュメントを残さないことはスタートアップの悪しき文化の一つだと思います。人数が少ないだけに「阿吽の呼吸」で動くこともできてしまうんですよね。

ただ、今回のようにPCAと一緒に大きなチームを作るとなると、それも難しくなります。だからこそ「私たちは何を大切にしているのか」「どこを目指しているのか」「どんな戦略で進めていくのか」について、すべてをドキュメントに残して共有し合いました。

岡田氏 : 「覚悟」「人」「見える化」がすべて揃ったのが、2020年3月のキックオフでした。以降は互いのお作法のようなものも見えてきたので、目に見えるような衝突や摩擦もなく、スムーズに協業が進んでいます。


業界大手ならではの顧客基盤を活用できたことで、短期間でのプロダクト検証・改善にもつなげられた。

――今回のプロジェクトを経て、人材大手であるPCAは共創相手として、どのような魅力を持っているとお考えでしょうか?

熊谷氏 : やはり大企業ならではの顧客基盤・拡販力という点は大きいと感じました。2019年1月に『HRアナリスト』をリリースした際は、1か月で3000社規模もの導入が進み、私たちスタートアップ視点でみると大きな武器になる一方で、何かプロダクトに不備が起きた際のリスクの大きさから、しっかりしたプロダクトをつくることへの責任感も強まったように思います。

また、2019年の初期導入は一気に進んだものの結果的に『HRアナリスト』を継続利用していたのは100社程度になってしまいました。ですが、2019年の最初にリリースの際に、PCAから拡販人員リソースも割いて頂けたり、これだけ多くの企業様にも使って頂けたからこそ、短期間で使い勝手の改善点が見えてきたり、様々な検証を行うことができ、現在の2020年7月に新たにリリースした形へプロダクトを一気に磨くことができました。

――2020年7月の、『doda Assist』と『HRアナリスト』の連携強化・情報の一元化に関するリリースのことだと思いますが、連携強化によって得られた成果についても教えてください。

岡田氏 : 2019年度に『HRアナリスト』を継続利用していたのは100社程度でしたが、様々な顧客を聞きながら改善を検討し、『doda Assist』と『HRアナリスト』の連携をシームレス化したことにより、リリース初月で1500社に増え、現在は毎月数千社以上の企業様にご利用いただけている状況です。お客様の実際のオペレーションを踏まえて改修を行ったことが成果につながったと考えています。

また、『HRアナリスト』の実利は面接後の辞退を減らすことにありますが、使っている企業様と使っていない企業様で比較すると、辞退率に明確な差が生まれつつあり、プロダクトの本質的な価値も提供できていると感じています。

熊谷氏 : ユーザー企業様側から見れば面接後の辞退を減らすことができますし、PCAの事業として考えると、採用決定率が上がって売上の向上につながります。私たちはPCAへの貢献利益をKPIの一つにしていますが、このような目標も「見える化」し、社員全員で毎月レビューしながら仕事を進めています。


▲『doda Assist』と『HRアナリスト』とのサービス連携イメージ

――今後は『HRアナリスト』や関連事業をどのように発展・進化させていこうと考えていますか?

熊谷氏 : 先程お話しした貢献利益については軌道に乗りかけているので、今後も継続的に伸ばしていくつもりです。また、『doda』登録者以外の求職者も分析したい企業様に対して、『HRアナリスト』を有料で販売していく取り組みも今期中に進めていく予定です。

もう少し大きな視点で話をすると、もともと『HRアナリスト』は、面接をアップデートしていくためのプロダクトですので、より多くの企業様に『HRアナリスト』を使っていただくことで、日本企業全体の面接体験の向上に貢献していきたいと考えています。

岡田氏 : 『HRアナリスト』のスピンオフ的なプロダクトとして、『HRアナリスト for CA』という新プロダクトを今年7月にリリースする予定です。『HRアナリスト』は面接におけるコミュニケーションエクスペリエンスの向上に寄与しますが、『HRアナリスト for CA』は、キャリアカウンセリングにおけるコミュニケーションの質を上げるためのプロダクトになります。当社の人材紹介事業の現場でも部分的に導入を進めていますが、相当な効果が上がっているようです。

『HRアナリスト for CA』と『HRアナリスト』を組み合わせることで、『doda』を利用する個人の求職者の皆さんに対しては、キャリアコンサルタントとのカウンセリングから企業様との面接まで、一貫して良質なコミュニケーション体験をご提供できると考えています。

PCAの、プロジェクトへの「人の投資」に手を抜かない点も魅力ポイント

――それでは最後に、あらためて熊谷さんにお聞きします。人材大手であるPCAは共創相手として、どのような魅力を持っているとお考えでしょうか?

熊谷氏 : 一つは最初にお話ししたスタートアップへのリスペクトですね。正直、スタートアップは玉石混淆の存在です。キラキラした経歴の経営者もいれば、私のようにどこの馬の骨かもわからない人間も少なくありません(笑)。そんな私が経営者であっても、プロダクトに高い価値を見出せば、きちんとそこにベットしてくれる会社です。また、私たち一人ひとりに対しても、「どうしたら一緒にやっていけるか」と真剣に考えてもらえることも大きいですよね。

さらに言えば、「人の投資」に手を抜かないところもPCAの魅力です。大手とスタートアップのM&AやPMIについては戦略も大切なのですが、それ以上に「どれだけ有能な人材を配置できるか」が重要になると考えています。最初の頃はPCAも慣れていない部分があったのですが、プロジェクトが進むにしたがって、今回の共創に求められる人材の専門性を理解いただき、然るべき人材を投資し続けてくれていると感じます。


取材後記

ここ数年、多くの日本企業がオープンイノベーションに取り組んでいるものの、すべての共創が成功しているわけではない。まさに今回の取材でお聞きしたような大企業とスタートアップのカルチャーの違い、仕事の進め方に対する考え方のギャップこそが、今後もオープンイノベーションにおける最大の障壁であり続けることは間違いないだろう。

PCAとシングラーの両社が、幾度も摩擦や衝突を起こしながら共創を成功させることができたのは、相手の仕事のスタンスや状況を理解することを諦めなかった姿勢に加え、互いへのリスペクトを忘れることなく、「覚悟」「人」「見える化」によってワンチームとなるための取り組みを続けたことが大きかったのだと感じた。今後も両社が生み出す新たなプロダクトや、採用におけるコミュニケーションエクスペリエンスの進化に注目していきたい。

(編集:眞田幸剛、取材・文:佐藤直己、撮影:古林洋平)

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