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【eiicon×フォースタートアップス特別対談】会えない時代でもOIを加速させる!両社がオンラインイベントにかける想いとは

【eiicon×フォースタートアップス特別対談】会えない時代でもOIを加速させる!両社がオンラインイベントにかける想いとは

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コロナ禍により人との接触が憚られる今の時代、企業同士の共創もこれまでと同じように行えなくなった。しかし、コロナ不況を乗り越え、さらなる成長を目指すにはオープンイノベーションが欠かせないのも事実だ。これまでのようにはいかないが、形を変えてオープンイノベーションを持続させていかなければならない。

我らがeiicon companyも、これまで主催してきたオープンイノベーションの祭典「Japan Open Innovation Fes」(以下、JOIF)をオンラインにシフトして継続することを決定。2/26(金)に「JOIF 2020→2021」を開催する。そして、同じくスタートアップの成長のための新たなイベントも幕を開ける。フォースタートアップスが主催する成長産業カンファレンス「FUSE」(1/20(水)開催)だ。

今回はeiicon company代表の中村とフォースタートアップス代表の志水 雄一郎氏に対談形式で話を伺った。それぞれのイベントの見どころと、今の時代だからこそ日本のスタートアップに求められることはなんなのか。人材サービス企業・インテリジェンス(現・パーソルキャリア)に在籍していた頃から師弟関係にあったという二人が、どのような想いでイベントを企画し、どのような未来を思い描いているのかお届けする。

『スタートアップが主役』に徹底したFUSE

ーーまずは、新たに『FUSE』を企画、開催することになった背景について教えて下さい。

志水:私達はもともと、スタートアップ界隈を盛り上げるイベントの協賛をしていました。例えば、世界最大級のスタートアップイベント『SLUSH TOKYO』などがそうで、私達のメッセージを代弁してくれるイベントでした。しかし、そのSLUSH TOKYOも開催されなくなり、私達の考え方やビジョンを表現する場が必要だとずっと思っていたのです。

上場した後には必ずスタートアップ起点のイベントを開催しようと思ってはいたものの、今年3月に上場した直後に起きたのがコロナショックです。2020年の上期は、正直厳しい戦いを強いられ、新しい手を打つことはできませんでした。

しかし、下期には経営状況も昨年同様どころか、昨年よりも強固になってきています。主事業のタレントエージェンシーも順調に拡大し、第2の矢として放つのがオープンイノベーションチームが主体となる今回の『FUSE』です。

ーー1/20(水)に開催する『FUSE』はフォースタートアップにとってどのようなイベントになるのでしょう。

志水:私達は2018年からスタートアップのデータを集約した「STARTUP DB(データベース)」を作っています。企業の公開情報を集めたもので、今まで色々なところに分散していた情報を一目で市場全体を可視化できるようにしたものです。これを個人に活かしたのがキャリア支援です。あらゆるスタートアップの情報がまとまっているため、ビジネスパーソンそれぞれに適した企業が見つかります。

そして、STARTUP DBを企業向けに展開するとオープンイノベーションが生まれます。多くの大企業や自治体は、自分たちが知っているスタートアップと組むしかありません。しかし、STARTUP DBを使えば、あらゆるスタートアップから最適な組み手を見つけられるのです。『FUSE』は、これから私達が本格的にオープンイノベーションを手掛けることを象徴するイベントだと思っています。

ーーイベントの特長についても教えて下さい。

志水:一番の特長は「スタートアップが主役」ということです。大企業や官公庁の方々も登壇はしますが、スタートアップ各社が「この人達と歩みたい」と思った方々だけです。大企業には私達から登壇をお願いしているわけではなく、スタートアップの方々に選んでもらっています。

それが可能なのは私達がこれまで築き上げてきたスタートアップとの信頼がなせる技です。「登壇メリットは露出機会が中心ですが、一緒にイベントを作り上げたいんです」とお願いして登壇していただけるのは、それぞれの担当者たちがこれまでしっかり関係性を作ってきてくれたおかげですね。

中村:私も今回「FUSE」に登壇させてもらいますが、「スタートアップが主役」というコンセプトを肌で感じています。これまでも似たようなコンセプトのイベントを見てきましたが、どうしても大企業がスポンサードしているため、スタートアップを主役にしきれていませんでした。「FUSE」の登壇者を見ていても、一般的なスタートアップイベントとは違う顔ぶれが並んでいて楽しみですね。

ーーFUSEはオンラインで開催されますが、参加者たちはどのようなことができるのでしょうか。

志水:今回はスタートアップの「EventHub」のシステムを使わせてもらっていて、できる限りリアルイベントと同じような環境を作り出しています。オープンチャットで話せるのはもちろんのこと、Sansanのアカウントや、同社が提供している名刺管理アプリのEightを使用した名刺交換も可能です。

ちなみにFUSEには、「融合」と「着火」の2つの意味があります。名前の通り、スタートアップと大企業が融合し、事業の成長に着火できるようなイベントにしたいですね。


オンラインでも偶発的な出会いを生み出す『JOIF』

ーーJOIFについて聞く前に、志水さんとの関係についても教えて下さい。

中村:私は勝手に志水さんの弟子を名乗っています(笑)。インテリジェンス(現:パーソルキャリア)の営業時代、実は営業のイロハを毎週、教えていただいていました。

私がeiicon companyを立ち上げる際も、最後、パーソルからの出資がどっちに転ぶかわからない時に、既に創業していた志水さんがお金を出してくれると言ってくれました。

結局、パーソルが出資してくれましたが、その時は本気で志水さんの下でやろうと思いましたね。

ずっとその時の恩返しがしたいと思いながら、まずはeiicon事業をしっかり大きくし、掲げたビジョンに到達することを目指し、日本に貢献できる存在にしないと!思って頑張ってきました。今回、こんなタイミングで志水さんを取材できたのは本当に嬉しいです。

志水:彼女がずっと頑張ってきたのは見てきましたし、大きな推進力があるのも見てきました。頑張っている人は応援したいですし、これからの活躍も楽しみにしています。

ーーそれではJOIFについても教えて下さい。

中村:eiicon companyはこれまで一貫して「オープンイノベーションというツールを日本に浸透させたい」という想いで事業を展開してきました。JOIFはその祭典であり、今回で4回目になります。

オープンイノベーションはその特性上、必ず外部のプレーヤーとの接続が発生し、そのためには「出会い」のステップが欠かせません。私達は「価値ある出会いが未来を創る」をビジョンとして掲げ、これまで企業同士の出会い方を科学してきました。

その中で「こんな企業と組みたい。」と意図的にパートナーを探すことも重要ですが、偶発的な出会いにも価値があると思っていたのです。

JOIFは、まさに「同じ課題感」や「同一の興味」を媒介とした偶発的な出会いを生み出すイベントで、AUBAでは生まれない出会いを作ってきました。

2020年、コロナによってリアルでのイベントは減り、逆にオンラインのイベントは爆発的に増えていますが、我々は、オンラインでも偶発的で価値ある「出会い」に重きを置き、出会えるイベントを作れるようにシステムを作り込んでいます。

ーー具体的にどのような機能があるのでしょうか。

中村:今回は「oVice(オヴィス)」というシステムを利用していて、自分のアバターを使って会場を自由に動き回れます。話してもらえれば、自分の近くにいる人にだけ声が聞こえるようになっているので、気になる人を見かけたら近づいて話しかけてみてください。

他の参加者は名前と会社が分かるようになっていて、リアルイベントの「ネームプレート」のような役割を果たしています。「oVice」を活用し、いかにシームレスなコミュニケーションを実現できるか、議論を重ねて試行錯誤してきました。


『不都合な真実』を知らないことが、日本のイノベーションを阻害している

ーー日本でイノベーションが起きづらい理由についても教えて下さい。

志水:これは私が創業する理由にも繋がるので、まずは創業した背景からお話します。私が創業した時に考えたのは「日本の将来」です。国別世界GDPランキングで日本は、現在3位ですが、2030年にはインドに抜かれると言われていますし、このままいけばインドネシアにも抜かれる可能性があります。

その背景には少子高齢化と一人あたりの生産性の低さがあります。かつては勤勉・勤労だった日本人も、今は薄れてしまい、その代償として私達は賃金を失いました。今や日本人の平均賃金は世界25位で、お隣の韓国にも抜かれています。老後の貧困も大きな問題で、先進国30カ国の中で日本はワースト4位です。

問題は私がそのような事実を知らずに、豊かな国だと思っていたことです。私は高等教育も受けましたし、会社につとめそれなりの報酬ももらっていましたが、日本がそのような状況に陥っていることを今まで全く知らなかったことを恥じたのです。日本でエリートと言われるような人たちの多くもこの事実を知らずに、今でも日本が豊かな国だと思っているのが現状です。

かつて日本は先人たちの挑戦により、ものづくり大国として世界に名を轟かせていました。しかしその後は、親や学校は「挑戦し続けること」を教えず、安定することばかり伝えていました。その間も世界は挑戦を続け、アメリカや中国は挑戦して起業すれば莫大な富を短期間で得られることを知ったのです。

本来なら日本人はそのことを先に知っていたにも関わらず、次の世代に伝えなかった故に他国に抜かれ、多くの人がその事実すら知らないままに生きています。それこそが日本でイノベーションが起きづらい理由だと言えます。

ーーまずは日本が世界に遅れていることを知るべきだと。

志水:知った上で挑戦しないのはいいのです。しかし、唯一世界の企業ランキング50位以内に入っているトヨタ社でさえ、これから電気自動車の時代がくればランキングに名を連ねるのは難しいかもしれません。そういう時代にどう生きるべきか、考えて選択してほしいですね。

そして、もし挑戦を選択するなら覚悟も必要です。例えば大企業のCVCで人事異動があっては担当者も最後まで覚悟しきれない。スタートアップ投資は投資をして終わりではありません。企業が価値を生み出し、グロースさせるまで見届けて初めて査定できるのです。スタートアップに関わる人達はぜひ覚悟を持って携わってほしいですね。


ーー中村さんはいかがでしょう。

中村:CVCに限らず、経産省や役人の人たちも数年で担当が変わるのは覚悟を問われますよね。一つの文化を作るのに、だいたい20年はかかると言われています。例えば転職だって30年前は今ほど一般的ではありませんでした。数十年かけて、やっと文化を浸透させたと言えるのではないでしょうか。

オープンイノベーションに関しても、20年後に社会に浸透していたら私達の勝ちだと思っています。特にオープンイノベーションは日本人に非常に合ったツール、手段です。日本人は協調を大事にしますし、相手に対して思慮のあるコミュニケーションができる人種です。もし日本人がオープンイノベーションを使いこなせるようになったら、再び世界を席巻するサービスが作れると思います。

ーー 一社では勝てなくても、オープンイノベーションをすれば世界で通用するということですね。

中村:例えばサインポストさんとJR東日本スタートアップさんの合弁である「TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー)」はコンビニの省人化が可能となる事業を展開しています。

これはグローバルでみると、Amazonの無人コンビニ「Amazon Go」と競合していくはずです。Amazonの場合、無人にするために一つの店舗に約300台ものカメラを設置しなければいけませんが、それが全世界の小売店にできるかという難しい店舗も多いはずです。その点、「TOUCH TO GO」のモデルなら、一人で管理できるだけの機材を入れるだけなので、より大きな可能性を持っています。(※関連記事:オープンイノベーションの1つの答え。JR東日本×サインポスト、合弁会社設立の裏側

今はまさに東京から事業展開をはじめられていますが、大手コンビニチェーンとも提携が報じられ、日本で通用したら世界でも通用するはずです。オープンイノベーションが浸透すれば、こういったプロジェクトはもっと生まれるはずですし、『ものづくり大国』再興も夢ではありません。

ーー実際に世界で戦えるプロジェクトも生まれつつあるのですね。最後にイベントに参加する方々にメッセージをお願いします。

志水:今回の私たちのイベントは、大企業から官公庁のキーパーソンまで参加して、みんなでスタートアップを中心とした新しいオープンイノベーションのやり方を議論する場です。ただ、今回登壇するプロジェクトが一番の好事例だとは思っていません。なぜなら、誰もまだ世界で勝っていないからです。

だからこそ、今の時点で欠けている部分も見えてくると思います。それも踏まえて、各セッションで日本の成長のために何が必要なのかを議論して欲しいと思っています。そして、世界のどのチームと組むよりも、ここに集まるチームとタッグを組んで次世代をアップデートし続けてほしいですね。

中村:1月20日のFUSEに参加し、1カ月後、2月26日のJOIFに参加してもらえたらそんなに嬉しいことはないかなと。「共創」する世界が少しずつリアルになっている今、その今を知り、これからを問う場にはなると思っています。スタートアップ、大企業含めすべての参加者にとって素敵な出会いが創出できる場にしたいと思っています。


編集後記

コロナの影響で多くの産業が大打撃を受けたが、一方でチャレンジを続け利益を維持、もしくは成長している企業もいるのは事実だ。直接人に会えないことはビジネスにとって大きなデメリットがあるかもしれないが、そんな中でも打てる手は必ずある。自社だけでは難しくても、他社の力と組み合わせることでビジネスの可能性が無限に広がっていく。

「FUSE」も「JOIF」もその可能性を模索できるイベントだ。登壇者の話に事業を活性化するヒントがあるかもしれない。事業をブレークスルーさせる運命的な出会いがあるかもしれない。ぜひイベントに参加し、他社と交流し、オープンイノベーションの可能性を肌で感じ取って欲しい。

【FUSEイベント概要】

開催日時:2021年1月20日(水)10:00 – 19:00

開催形式:オンライン

イベント公式サイトURL:https://growth.forstartups.com/fuse 

【JOIFイベント概要】

開催日時:2021年2月26日(金)10:00~19:00

会場:特設オンライン会場(使用ツール:ovice)

イベント公式サイトURL:https://eiicon.net/about/joif2020-21/ 

(編集:眞田幸剛、取材・文:鈴木光平、撮影:古林洋平)

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