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名大発ベンチャー「U-MAP」|リアルテックファンドなどから約3億円を調達、電子機器の「熱問題」を解決する新素材の開発を加速

名大発ベンチャー「U-MAP」|リアルテックファンドなどから約3億円を調達、電子機器の「熱問題」を解決する新素材の開発を加速

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繊維状窒化アルミニウム単結晶「Thermalnite」(以下、サーマルナイト)を用いた高機能・伝導材料の研究・開発を行う名古屋大学発ベンチャーの株式会社U-MAPが、約3億円の資金調達を実施したと発表した。出資したのは、リアルテックファンド、京都大学イノベーションキャピタル、OKBキャピタル、新生銀行、東海東京インベストメントの5社だ。調達した資金をもとに、サーマルナイトのパイロットラインの構築や材料開発を加速する。

資金調達の背景

昨今、電子機器における熱問題と、それに付随するエネルギー問題などが大きくクローズアップされている。この発熱は処理速度などのパフォーマンスを低下させ、さらには機器自体の寿命低下を引き起こす。特に、EVや通信システム(5G)、データセンターのサーバーといった産業機器では、非常に深刻な影響を及ぼすという。

たとえば、EVにおいては、電池の熱管理が性能の差別化に大きな役割を果たす。従来、このような電子機器では、発熱に対応するために、ファンや水冷装置などの冷却設備を搭載してきた。しかしこの方法では、装置の大型化やコストアップ、クーリング・ロス(冷却損失)などが課題として残る。この課題に対し、U-MAPは機器内部に用いられる材料自体を高熱伝導化することで、冷却機構を排除・縮小し、機器の高性能化、小型化、省エネ化を実現するという。

「サーマルナイト」の特徴

名古屋大学とU-MAPにより開発された新素材「サーマルナイト」は、革新的なフィラー材料だという。フィラー材料とは、電子機器の材料としてよく使われるセラミックスや樹脂・ゴムに混ぜて使う「添加物」だ。

サーマルナイトの強みは、セラミックスや樹脂・ゴムに添加することで、これまでなかった新しい機能を発現させることができる点だ。U-MAPでは、サーマルナイトを用いたセラミックス複合材料と樹脂・ゴム複合材料において、新たな機能特性を確認しており、この競争優位性を持つプロダクトでセラミックス部材、樹脂・ゴム部材のマーケットを狙っていくという。

セラミックス複合材料は、主に産業用のパワーモジュールや光通信モジュールの基板に使用されている。モジュールの放熱性を向上させるためには、セラミックス基板の熱伝導率と機械特性の二つの特性が重要となる。サーマルナイトを添加したセラミックス基板は、この二つの特性を同時に高い水準で実現することが可能だ。そのため、半導体の熱を効率よく外に逃がすことができ、EVの場合は実装密度を上げることが可能となる。また、モジュールサイズの小型化を図り、冷却エネルギーを減らすことで燃費を向上させ、ボディのデザイン性を高めることもできる。

一方、樹脂・ゴム複合材料は、スマートフォンやPC、EV、5G基地局など多くの分野における機器に使用されている。従来の高熱伝導樹脂・ゴム部材では、樹脂・ゴムの中にフィラーを70-80%以上添加しており、軽さや柔軟性といった特性は失われていた。U-MAPのサーマルナイトは、10-20%の少ない添加量でも熱伝導率を向上させることが可能なので、樹脂・ゴム特性(フレキシブル、軽量、高い加工性・密着性など)を維持したまま、従来と同等以上の熱伝導性を持つ樹脂・ゴム複合材料を実現することができる。そのため、U-MAPの樹脂・ゴム複合材料は、従来とは異なる特性が要求される成形方法での部品製造や、機能性材料のニーズが強い5Gなどの次世代通信やEVなどへの展開が可能だという。

調達資金の使用目的

すでに、U-MAPではサーマルナイト、およびサーマルナイトをセラミックスや樹脂・ゴムに添加したマスターバッチのサンプル販売を開始し、延べ70社以上の企業に販売している。今回の資金調達により、サーマルナイトの量産化を見据えたパイロットラインの設計・稼働、徹底した品質保証体制の確立。そして、セラミックス複合材料、樹脂・ゴム複合材料の展開を加速させる研究開発(製造条件の最適化、構造制御等)、アライアンスの構築を目指す。

また、U-MAPと名古屋大学では少ない実験回数で最適化を行う「プロセスインフォマティクス」と呼ばれる機械学習技術の開発を共同で行っている。このアプローチは、素材ベンチャーが開発に時間がかかるという常識を覆すもので、U-MAPではこれまでにないスピードで開発していくという。

※関連リンク:プレスリリース

(eiicon編集部)


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  • Pro PaK

    Pro PaK

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