オープンイノベーションに積極的な大企業156社まとめ【メーカー（前編）】

創業時から根付く「共創の精神」。互いの技術やアイディアを融合させ、世界各地へ新たな価値を生み出し続ける「AJINOMOTO Co.オープン＆リンクイノベーション」とは？

　「2030年のたんぱく質の取り方とは…？」――“未来の食と健康の課題解決”に挑む、味の素株式会社のオープンイノベーション

食と健康の未来を、共にデザインする。共創プロジェクトスタート！ーー世界各国を知る味の素が、挑むべき課題とは？

味の素 | CVCを設立し、フードテックやヘルスケア分野のスタートアップやVCに投資

味の素×JA×川崎市 | 3者連携の栽培実証・共同研究によりハーブペッパー『香辛子』が誕生

料理の数だけビジネスチャンスが広がる【料理×AI】の共創事例

【イベントレポート／YOKOGUSHI　VOL.2】　＜味の素×サントリー×ハウス食品×森永製菓＞食品メーカー各社が仕掛けるオープンイノベーションを徹底討論！

ヘルスケアスタートアップ「おいしい健康」×味の素 | 資本業務提携、食と健康のDXによる人生100年時代の社会課題解決へ

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成富　一仁

下瀬眞一

下瀬 眞一(しもせしんいち)

佐々木現

富田直

眞田 幸剛

<p>食とアミノ酸のリーディングカンパニーとして、130を超える国や地域でビジネスを展開している味の素グループ。その成り立ちが、「オープンイノベーション」であることをご存じだろうか。</p><p>1908年、東京帝国大学理学部の池田菊苗博士が、昆布だしの味成分がグルタミン酸というアミノ酸の一種であることを発見、この味を「うま味」と命名した。研究の背景には、「日本人の栄養状態を改善したい」という志があった。こうした池田博士の志に胸を打たれ、事業化を進めたのが、実業家・二代鈴木三郎助だ。そして、世界初のうま味調味料『味の素』が発売された。</p><p>産学連携というオープンイノベーションの一つの形から生まれた味の素グループは、現在に至るまで外部連携を積極的に推進。<a href="https://eiicon.net/companies/3357">「オープン＆リンクイノベーション」</a>という取り組みに着手している。そしてここ最近は、「<a href="https://www.ajinomoto.com/jp/rd/AIAP/">Ajinomoto Co. Innovation Alliance Program（AIAP）</a>」という革新的な技術・研究への研究助成も手がけている。――これらの取り組みについて、具体的にどのような事例があるのか、そして味の素（株）と協業するメリットとは？オープンイノベーションに取り組むチームにインタビューを実施した。</p><p><strong><span style="color: rgb(71, 85, 119); font-size: 12px;">■インタビュー対象者／上写真（左&rarr;右）</span></strong></p><p><span style="font-size: 12px;"><span style="color: rgb(71, 85, 119);">・研究開発企画部 事業開発グループ　シニアマネージャー　坂井良成氏</span></span></p><p><span style="font-size: 12px;"><span style="color: rgb(71, 85, 119);">・コーポレート戦略部　丸山明子氏</span></span></p><p><span style="font-size: 12px;"><span style="color: rgb(71, 85, 119);">・研究開発企画部　事業開発グループ長　神崎道哉氏</span></span></p><p><span style="color: rgb(71, 85, 119); font-size: 12px;">・研究開発企画部　事業開発グループ　シニアマネージャー　三原隆一氏</span></p><p><br></p><h4><span style="display:block;color:#33a09b;background-color:#e9f0f0;border-left:5px solid #33a09b;padding: 11px 15px 7px 18px;"><strong>オープンイノベーションにより、地球規模で新たな価値を創造していきたい</strong></span></h4><p><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――まずは、味の素グループがオープンイノベーションに取り組む目的や、実現したい世界についてお話いただけますでしょうか。</span></strong></p><p><strong><span style="color: rgb(65, 168, 95);">神崎氏　：　</span></strong>味の素グループでは、オープンイノベーションという言葉が生まれるずっと前から外部連携に取り組み、多岐にわたる分野で新たな製品を生み出してきました。昨今、グローバル競争は激化しており、我々も外部連携が今後の成長に不可欠だとさらに強い意識を持つようになりました。そこで数年前から、国内外の企業や研究機関などと連携し、これまでにない新しい価値を創造する「オープン＆リンクイノベーション」に取り組んでいます。<br>また、我々は「健康なこころとからだ」「食資源」「地球持続性」を柱として、地球規模の課題に挑んでいます。外部企業との連携により、こうした社会課題の解決を行い、健康な世界を実現していけたらと考えています。<br><br><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――具体的なオープンイノベーションの事例を教えてください。</span></strong><strong><br></strong><br><strong><span style="color: rgb(41, 105, 176);">三原氏　：　</span></strong>NGOや国連機関などと参画した「ガーナ栄養改善プロジェクト」は、産官学連携によるソーシャルビジネスの成功例として高い評価をいただいています。これは開発途上国の大きな社会課題である「栄養不足」を、持続可能なビジネスを通じて解決しようという試みです。ガーナ大学との協働をはじめ、オランダのライフサイエンス企業 DSM 社、国際 NGO等と連携し、栄養強化食品の開発・製品化を行いました。<br><br><strong><span style="color: rgb(65, 168, 95);">神崎氏　：　</span></strong>私も一昨年ガーナに行ったのですが、中心街の一歩外に出ると、栄養不足の課題が顕著であると思い知らされました。我々がオープンイノベーションにより開発した栄養強化食品は、現地の人々の間に口コミで広がり、こうした課題の解決に寄与しています。</p><p><img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/eiicon.prd.contents/image/articles/0cdf8f65-ee60-48d6-b64e-92a5b0235032.jpg" style="width: 100%;" class="fr-fic fr-dib"></p><p><span style="font-size: 12px; color: rgb(71, 85, 119);"><strong>▲研究開発企画部　戦略・事業開発グループ長　神崎道哉氏</strong></span></p><p><br></p><h4><span style="display:block;color:#33a09b;background-color:#e9f0f0;border-left:5px solid #33a09b;padding: 11px 15px 7px 18px;"><strong>本格的なビジネス実装を踏まえた、ベンチャーへの戦略投資</strong></span></h4><p><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――ベンチャー企業への戦略投資も行っていると伺いました。</span></strong></p><p><strong><span style="color: rgb(124, 112, 107);">丸山氏　：　</span></strong>従来のオープンイノベーションは、技術起点で共同開発を行うことがほとんどでした。そこで昨年、より本格的にビジネス実装につなげるべく、オープンイノベーションを進化させていくための新たな取り組みとして、米国の食品技術スタートアップ「MycoTechnology」社に戦略投資を実施しました。同社はキノコ<br>を使った発酵技術により、環境に優しく栄養価の高い素材を創ることができます。発酵は、当社のコア技術のひとつ。そして今、世界的にナチュラルニーズが高まっていることから、協業することに大きな可能性を感じて出資を決めました。まだ始まったばかりではありますが、先方と様々なプロジェクトを進めているところです。<br><br><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――ベンチャーへの出資は、どのような観点で決めていくのですか？</span></strong><br><br><strong><span style="color: rgb(41, 105, 176);">三原氏　：　</span></strong>まずは技術にフォーカスします。相手が持つ技術が、我々の技術とつながることで新しいモノが生まれるかどうか。他にも特殊なチャネルと持っているとか、相手の製品を当社のチャネルにそのまま乗せられる、といったパターンもあります。いずれにせよ、純粋にキャピタルゲインのみを狙った投資は行いません。共通項があるか、互いのビジネスが発展する可能性があるかどうかを考えて決定します。<br><br><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――様々なベンチャーと、積極的にコンタクトを取っていらっしゃいますか？</span></strong><br><br><strong><span style="color: rgb(124, 112, 107);">丸山氏　：　</span></strong>私は、積極的に国内のイベントに参加するようにしています。三原さんは世界中のスタートアップとコンタクト取っていますよね。<br><br><strong><span style="color: rgb(41, 105, 176);">三原氏　：　</span></strong>そうですね。来週はヨーロッパでのイベント、その後はアメリカでのイベントに参加する予定です。</p><p><img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/eiicon.prd.contents/image/articles/078d09e6-f8a6-4f27-b679-dff159905e58.jpg" style="width: 100%;" class="fr-fic fr-dib"></p><p><strong><span style="color: rgb(71, 85, 119); font-size: 12px;">▲研究開発企画部　戦略・事業開発グループ　シニアマネージャー　三原隆一氏</span></strong></p><p><strong>&nbsp;</strong></p><h4><span style="display:block;color:#33a09b;background-color:#e9f0f0;border-left:5px solid #33a09b;padding: 11px 15px 7px 18px;"><strong>今までの枠にとらわれない革新的な技術・アイデアに対する研究助成も実施</strong></span></h4><p><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――オープンイノベーションの手法として、研究助成プログラム「</span></strong><a href="https://www.ajinomoto.com/jp/rd/AIAP/"><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">Ajinomoto Co. Innovation Alliance Program（AIAP）</span></strong></a><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">」も実施していらっしゃいますね。これはどのようなプログラムなのでしょうか？</span></strong></p><p><strong><span style="color: rgb(84, 172, 210);">坂井氏　：　</span></strong>革新的な研究提案を、幅広い領域から公募する研究助成プログラムです。年間20～30件程度を採択し、200万円の研究費で1年間研究助成を行っていきます。その後、結果に応じて共同研究へと進めていきます。</p><p><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――昨年までは件数を3件ほどに絞って2000万円の研究費助成を行っていたということですが、件数を増やして1件当たりの助成を少額にした理由を教えてください。</span></strong></p><p><strong><span style="color: rgb(84, 172, 210);">坂井氏　：　</span></strong>最初の段階であまりハードルを上げて絞り込みすぎるよりは、間口を広く持った方が可能性も広がります。まずはやってみることが大事なので。そこで、ファーストステップはシンプルな契約・比較的少額の助成から始めて、上手く行けばセカンドステップとしてさらに協業していくという形で再構築を行いました。契約までの期間も、以前は1年くらいかかってしまうケースもあったのですが、今回はかなりスピードを重視しています。</p><p><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――なるほど。ハードルを下げて幅広いアイデアを募集しようという意図もあるのでしょうか。</span></strong></p><p><strong><span style="color: rgb(84, 172, 210);">坂井氏　：　</span></strong>その通りです。実現可能性の高い提案から、「もしそんなことがあったら面白い」という様なチャレンジングな提案まで、幅広くイノベーティブなアイデアを募集していきたいと考えています。</p><p>(※プログラム詳細はこちら&rarr;<a href="https://www.ajinomoto.com/jp/rd/AIAP/">https://www.ajinomoto.com/jp/rd/AIAP/</a>)</p><p><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――技術・アイデアを持つ企業が味の素グループと協業するメリットはどのようなところでしょうか？</span></strong></p><p><strong><span style="color: rgb(41, 105, 176);">三原氏　：　</span></strong>当社がこれまで培ったコア技術や生産設備、そして事業化やマーケティングノウハウ、グローバルな開発・ビジネス拠点など、提供できるリソースは豊富にあります。とはいえ、当社には欠けている技術ももちろんあります。そこで、我々のリソースと、最先端の技術や革新的なアイデアと掛け合わせることで、新しい何かを生み出せるのではないかと期待しています。</p><p><strong><span style="color: rgb(124, 112, 107);">丸山氏　：　</span></strong>特に食品の美味しさについては、当社は長く研究してきた歴史があります。よりお客様に美味しく提供するための加工技術、調味の技術、食感を変える技術などを提供できますし、新しいことを一緒に考えていくことができるのではないでしょうか。</p><p><strong><span style="color: rgb(65, 168, 95);">神崎氏　：　</span></strong>事業の幅が広いというところも、大きな魅力なのではないでしょうか。食品をコアとして、栄養・ヘルスケア関連事業、電子材料、香粧品など、それぞれの事業に必要なインフラを当社は持っています。だからこそ、様々な領域のスタートアップと共に、新しい価値を生み出せる可能性があると思います。</p><p><img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/eiicon.prd.contents/image/articles/1590b85b-508d-4c88-8a82-03504612af0b.jpg" style="width: 100%;" class="fr-fic fr-dib"></p><p><span style="color: rgb(71, 85, 119); font-size: 12px;"><strong>▲コーポレート戦略部　丸山明子氏</strong></span></p><p><br></p><h4><span style="display:block;color:#33a09b;background-color:#e9f0f0;border-left:5px solid #33a09b;padding: 11px 15px 7px 18px;"><strong>オープンイノベーションに立ちはだかる「壁」を壊していくのが、このチームの重要なミッション</strong></span></h4><p><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――様々な大企業にお話を伺っていると、「自前主義の意識が強く、スタートアップと連携がなかなかうまくいかない」という悩みも聞こえてきます。味の素グループではどうでしょうか？</span></strong></p><p><strong><span style="color: rgb(65, 168, 95);">神崎氏　：　</span></strong>もちろん、色々なタイプの人がいるので一概には言えませんが、創業の精神が根付いているため、積極的に外部と連携して新しいモノを生み出そうという意識を持っている人は多いのではないかと思います。当社の研究者たちは比較的フットワークが軽く、技術営業のようにどんどん外に出ていく傾向が強いですね。</p><p>とはいえ、異なるバックグラウンドを持つ者同士が手を携えて新しいことを実現していくには、当然のことながら壁にぶつかるでしょう。これまでも、決して平坦な道ではありませんでした。しかし、その壁を壊し、突破していくのが私たちのチームに課せられた重要なミッションだと思っています。</p><p><strong><span style="color: rgb(243, 121, 52);">――とても頼もしいですね。最後に、共創パートナーとなる企業にメッセージをお願いします。</span></strong></p><p><strong><span style="color: rgb(65, 168, 95);">神崎氏　：　</span></strong>私個人もチームとしても、様々な企業との出会いで大きくモチベートされています。互いの技術やアイデアを掛け合わせることで、これまで世の中になかった新しい何かを生み出す、そういった意識を持って協業していけたらいいなと思います。</p><p><strong><span style="color: rgb(84, 172, 210);">坂井氏　：　</span></strong>先ほどもAIAPについてお話しましたが、これまでよりも多くの技術・アイデアに研究助成を実施し、協業につなげていきたいと考えています。ですからぜひ、臆せず積極的に提案をしていただきたいですね。</p><p><strong><span style="color: rgb(124, 112, 107);">丸山氏　：　</span></strong>協業するということは、一緒に働いていくということ。ですからぜひ一度お会いして、一緒に楽しく働いていけるか、お互いの夢を実現していけるか、見ていただきたいなと思います。</p><p><strong><span style="color: rgb(41, 105, 176);">三原氏　：　</span></strong>私個人としては「まずは会ってみる」ことを大切にしています。当社は様々な事業を展開しておりますので、可能性を狭めず、色々な方とお会いしたいと思っています。興味を持っていただけたら、まずは気軽にコンタクトしてみてください。</p><p><span style="font-size: 12px;">※本取り組みの詳細やコンタクトはこちらから。　</span><a href="https://eiicon.net/companies/3357"><span style="font-size: 12px;">https://eiicon.net/companies/3357</span></a></p><p><img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/eiicon.prd.contents/image/articles/49f4bdd3-165f-4443-8b85-c2d97ca75113.jpg" style="width: 100%;" class="fr-fic fr-dib"></p><p>（構成：眞田幸剛、取材・文：佐藤瑞恵、撮影：古林洋平）</p><h4><span style="display:block;color:#33a09b;border-bottom:3px solid #33a09b;padding: 11px 15px 7px 18px;"><strong>共創に関する詳しい情報はこちらから</strong></span></h4><div style="display:flex;"><p><br></p><p><a href="https://eiicon.net/about/ajinomoto-openlinkedinnovation/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/eiicon.prd.contents/image/articles/376018f5-2158-4726-a779-386429878bc1.png" style="width:100%;padding:6px;" class="fr-fic fr-dib"></a></p></div>

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食とアミノ酸のリーディングカンパニーとして、130を超える国や地域でビジネスを展開している味の素グループ。その成り立ちが、「オープンイノベーション」であることをご存じだろうか。1908年、東京帝国大学理学部の池田菊苗博士が、昆布だしの味成分がグルタミン酸というアミノ酸の一種であることを発見、この味を「うま味」と命名した。研究の背景には、「日本人の栄養状態を改善したい」という志があった。こうした池田博士の志に胸を打たれ、事業化を進めたのが、実業家・二代鈴木三郎助だ。そして、世界初のうま味調味料『味の素』が発売された。産学連携というオープンイノベーションの一つの形から生まれた味の素グループは、現在

眞田幸剛 | eiicon lab 編集長

眞田幸剛 | TOMORUBA編集長

<p>おいしさ設計技術、先端バイオ・ファイン技術を軸に、日本や世界の「食」を100年以上にわたり支えてきた味の素グループ。2030年に「食と健康の課題解決企業」に生まれ変わるとビジョンを掲げ、様々な改革に取り組んでいる。</p><p>2020年7月には、未来の新事業開発をミッションとするリサーチ＆ビジネス企画部を新設した。経営主導のもと組織横断的な体制を築き、新たな領域での価値創造に向けて、外部企業とのオープンイノベーションを強力に推進していくという。</p><p>その味の素株式会社が、10年後、20年後の暮らしと社会を想定し、次世代の価値を創造する共創プロジェクトを始動。5つのテーマを掲げ、<a href="https://eiicon.net/about/ajinomoto-oi2020/" target="_blank">7月16日（木）より共創パートナーの募集を開始した。</a></p><p>今回は、日本国内だけでなく、フランス、ロシアでも研究者としてのキャリアを積み、現在はリサーチ＆ビジネス企画部を管掌する、専務執行役員　児島宏之氏にインタビューを実施。味の素が目指す姿や新設組織にかける意気込み、そして今回の共創プロジェクトについて話を聞いた。</p><p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/1919/upload/EsMzX1RPSlJq4xn6Y-ASFg.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></p><div><div><b><font color="#003163">■味の素株式会社　専務執行役員　リサーチ＆ビジネス企画部長　農学博士　児島宏之氏</font></b></div><div><br></div><div>1985年入社。研究所にてアミノ酸生産菌の育種に携わる。1997年、フランスの味の素ユーロリジン社アミアン工場に赴任、飼料用アミノ酸生産技術の導入を行う。2000年に帰国、新規技術開発に携わった後、2005年にモスクワの研究所に赴任。2009年に帰任し、発酵研究所長に就任。プロセス開発研究所長、バイオ・ファイン研究所を歴任。2019年に研究開発統括へ。研究開発企画部にて策定した中期計画のなかの未来創造プロジェクトが、味の素グループ全体の事業モデル変換タスクフォースの中核に据えられている。</div></div><div><br></div><div><br></div><h2><b>未来の価値を創る、共創プロジェクトに設定された5つの募集テーマ</b></h2><div><br></div><div><div><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/1919/upload/atEvftzBiZ8_aOuiz4S_ng.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><b><font color="#ff9c00"><br></font></b></div><div><b><font color="#ff9c00"><br></font></b></div><div><b><font color="#ff9c00">――7月16日始動の『“未来の食と健康の課題解決”を使命に挑む共創プロジェクト』では、テーマを5つ設定していらっしゃいます。それぞれどのようなことを期待していらっしゃいますか。</font></b></div><div><br></div><div><b><font color="#003163">児島氏　：　</font></b>今回の5つのテーマはいずれも、当社1社だけでは到底成し遂げることはできません。しかし、どういう課題があるのか、糸口はある程度見えているような状況です。ぜひ、「我こそは」という方々と共創して、価値を生み出していきたいと思っています。</div><div><br></div><div>まず、<b>「①次世代の調理/食事準備による生活の向上」</b>については、調理器具や住宅設備関連の方々と協業する方が、より良いものを早く生み出すことができるでしょう。<b>「②環境に配慮した「たんぱく質」」</b>では、たんぱく質の素材はどこにあり、どのような形で提供するのか、考えていく必要があります。</div><div><br></div><div>そして、<b>「③パーソナライズされた“食”で健康を実現」</b>については、健康情報の収集・分析といったテクノロジーの力が不可欠です。<b>「④フードロス問題を未利用原料の活用で解決」</b>では、何をどう活用していくのか、そうしたアイデアから検討していくテーマです。</div><div><br></div><div>最後の<b>「⑤環境にやさしい食品包材の開発」</b>においても、当社だけでは新たな食品包材の開発はできません。しかし、包材に要求される性能についての知識を提供する事ができます。</div></div><div><br></div><div><div><b><font color="#ff9c00">――研究開発畑を歩まれてきた児島さんは、他社と共創する上での味の素グループならではの強みをどう捉えていらっしゃいますか。</font></b></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>やはり、アミノ酸の研究で培った、研究開発力とグローバルに広がる顧客基盤です。たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されていますが、アミノ酸の研究は実に奥が深いのです。アミノ酸には様々な働きがあり、機能があり、アプリケーションがあります。また、それぞれを組み合わせたアミノ酸配合設計の研究も進んでおり、「食と健康」をテーマに多くのソリューションを開発してきました。これらは世界に誇れる当社ならではの強みです。</div><div><br></div><div>また、おいしさの設計技術、栄養に関する知識も豊富ですし、顧客への提供方法にも工夫を凝らしてきました。このような当社が持つ強み・ノウハウと、当社にない技術やアイデアを掛け合わせることで、事業の可能性は広がっていくと考えています。</div><div><br></div><div><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/1919/upload/ATO5c-RlmEZ-WfeOqOoeIw.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></div></div><div><br></div><div><br></div><div><h2><b>未来からバックキャストして事業開発を行う</b></h2><div><br></div><div><b><font color="#ff9c00">――味の素グループでは2030年に目指す姿として、「食と健康の課題解決企業」を掲げていらっしゃいます。その背景を聞かせていただけますでしょうか。</font></b></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>これまで当社にとって、「新しい事業＝新しい製品を作ること」でした。スーパーマーケットに行くと、味の素グループの商品が棚にたくさん並べてある、そんな姿を目指していたのです。</div><div><br></div><div>しかし急速に変化する世の中において、そうした自社起点の発想のままでは、持続的な成長は期待できません。本当に必要なのは、社会の未来像からバックキャストして事業開発を進め、顧客への提供価値を最大化させていくことです。</div><div><br></div><div>たとえば、一人ひとりの健康状態やライフスタイルが変化・多様化する中で、いかに製品とソリューションを組み合わせ、パーソナライズされたサービスを提供するか。それを実現できてこそ、「食と健康の課題解決企業」なのです。</div></div><div><br></div><div><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/1919/upload/6tAPpDnlMD8L7o9DKZsohg.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></div><div><br></div><div><div>▲味の素グループの<a href="https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/strategy/managementplan.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「中期経営計画」</a>より、2030年に目指す姿の実現に向けた基本方針。大上段に「食と健康の課題解決」が掲げられている。</div><div><br></div><div><b><font color="#ff9c00">――自社起点の発想から脱却し、顧客価値に力点を置いた事業の創出にシフトチェンジしていくということですね。</font></b></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>その通りです。しかしながら顧客への提供価値というものは、必ずしも誰かが答えを持っているというわけでもありません。現在、顧客が認識していない、顕在化していないニーズや価値もあります。iPhoneのように、顧客が気付いていない価値を見つけ、誰にも真似できない価値を創造する。そういったことを、私たちも食と健康をテーマに推進していきたいと考えています。</div><div><br></div><div>もちろん、遠回りもするでしょうし、失敗もたくさんするでしょう。私も過去、新規事業を手掛けた際に、失敗を経験しました。iPhone を生み出したApple社だって、すべての製品がヒットしたわけではありません。失敗を繰り返して試行錯誤していかなければ、当社の未来はないと考えています。</div><div><br></div><div><b><font color="#ff9c00">――児島さんご自身の失敗経験とは？</font></b></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>印象的なのは、ある化学会社との共同研究で、バイオプラスチックを開発した時の経験です。「地球にやさしいから売れるはずだ」という理由で、顧客ニーズを十分に検証しないままで走り出してしまいました。その結果、製造コストが高い上、実際の利用シーンで求められる性能を満たすことができなかったため、世に出すことはできなかったのです。</div><div><br></div><div>結局それも、顧客への提供価値を考えず、「両社の今の技術なら、これができるだろう」と、自社の技術起点での発想だったことが、失敗の原因だったのだと思います。世の中にない新しいものを作ろうとすると、どうしても今の自社の姿を起点に考えてしまいがちです。</div><div><br></div><div>しかし、起点にすべきなのは現在ではなく、未来です。10年後、20年後、世の中がどのように変化し、そこでは何が求められているのかを考え、そこに到達するには今から何を着手すべきなのかを考える。それが2030年に向けて取り組みを開始する上での、一番のポイントですね。</div><div><br></div><div><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/1919/upload/VrVzl5JJGhDQMaJ_XqDvxw.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></div></div><div><br></div><div><br></div><div><h2><b>研究開発と事業をシームレスにつなぐ新設部門</b></h2><div><br></div><div><b><font color="#ff9c00">――2020年7月、リサーチ＆ビジネス企画部を設立したと伺いました。この組織を立ち上げた背景について聞かせてください。</font></b></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>新たな領域での事業創造をより強力に推進することが目的です。リサーチ＆ビジネス企画部は、元々は研究開発企画部という名称の組織でした。</div><div><br></div><div>しかし、「未来の顧客価値を起点に、バックキャストで今やるべきことを考える」ためには、研究開発で終わるのではなく、事業までを見据えて仕事をすることが不可欠です。そういったミッションを担うべく、この組織を発足させました。</div><div><br></div><div><font color="#ff9c00">――研究開発から事業までをシームレスにつなぎ、未来に向けてより素早く柔軟に動ける組織となったのですね。</font></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>実は、「社会の未来像を起点に、バックキャストして事業開発を行う」という味の素グループの全体方針は、研究開発企画部の中期計画から生まれたのです。企業の研究開発部は、比較的中長期のテーマに取り組んでいます。</div><div><br></div><div>しかし、すぐに芽の出ない研究テーマは、「いつマネタイズできるのか」「本当に必要があるのか」という声と常に戦わなくてはなりません。真剣に取り組んでいる研究が、途中で「やめろ」と言われるのは悔しいものです。</div><div><br></div><div>では、どうすれば止めなくてよくなるのか。それこそが、バックキャストという考え方です。「未来を見据え、そこからバックキャストして、今やらなければならない緊急度の高いテーマに取り組んでいる」と言うことができれば、途中でやめろと言われることはなく、むしろ事業に大きなインパクトを与える重要なテーマだと理解してもらえると考えます。</div><div><br></div></div><div><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/1919/upload/xvqm78yjBmQ_xDC-c81WAA.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></div><div><br></div><div><div>▲味の素グループのASV経営<a href="https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/top/pdf/2020_02_19.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「2030年の⽬指す姿と2020–2025中期経営計画」</a>より</div><div><br></div><div><font color="#ff9c00"><b>――新たな組織になることで、研究開発部の頃よりも体制は強化されているのでしょうか。</b></font></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>人数は大幅に増えたというわけではありませんが、組織構造と役割を変えました。インキュベーショングループ、アクセラレーショングループ、そしてアドミニストレーショングループという3グループで、事業に紐づくように編成しています。</div><div><br></div><div><b><font color="#ff9c00">――未来の事業を見据えた組織ということで、メンバーの方々のモチベーションも変わってきていますか。</font></b></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>そうですね。組織のミッションを社員にも浸透させているところで、意識も変わってきています。今はまだ、飛行機で言えば離陸に向けて滑走路を走っているところです。早く大空に飛び立ち、味の素グループの未来のDNA、行動規範になるように育てていきたいですね。</div><div><br></div><div>当社には、幸い様々なバックグラウンドを持つ社員がいます。そうした人財が、さらに外部の多彩な発想を持つ人々と共創することで、新たな価値を創出できると考えています。</div><div><br></div><div><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/1919/upload/XimOaznSlhDI4bAzbgPn3w.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></div><div><br></div></div><div><br></div><div><h2><b>「うま味」に匹敵する新しい価値創造へ</b></h2><div><br></div><div><b><font color="#ff9c00">――最後に、プログラムへの期待、そして応募企業に向けたメッセージをお願いします。</font></b></div><div><br></div><div><span style="color: rgb(0, 49, 99); font-weight: bolder; letter-spacing: 0.2px; font-family: Roboto, -apple-system, system-ui, BlinkMacSystemFont, &quot;Segoe UI&quot;, Oxygen, Ubuntu, Cantarell, &quot;Droid Sans&quot;, &quot;Helvetica Neue&quot;, Arial, sans-serif;">児島氏　：　</span>当社の歴史は、1909年に「味の素」を販売したところから始まりました。これは世界初の「うま味調味料」です。当社は、甘味・酸味・塩味・苦味に続く第5の味「うま味」を世に送り出したのです。</div><div><br></div><div>“未来の食と健康の課題解決”を通じて、この「うま味」に匹敵するインパクトを生み出す価値創造に、ぜひチャレンジしたいと考えています。そこには、当社にないアイデアや技術が欠かせません。既存の製品やサービスを改良するのではなく、新しい価値を創るためのコラボレーションができたら幸いです。</div><div><br></div><div><br></div><h2><b>取材後記</b></h2><div><br>自社起点から脱却し顧客価値の創造に力点を置くこと、そのために未来からバックキャストすること。この姿勢を児島氏はインタビューの中で幾度も強調していた。世の中の変化に追随するのではなく、先取りをして、今やるべきことを考える。そして決めたことに固執せず、柔軟にアップデートしていく。味の素グループのこうした柔軟な姿勢は、オープンイノベーションに不可欠であろう。</div><div>その意志を反映したリサーチ＆ビジネス企画部を新設し、新たに挑む<a href="https://eiicon.net/about/ajinomoto-oi2020/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">『未来の食と健康を、アップデートする共創プロジェクト』</a>は、期待も大きい。テーマに関連した取り組みをしている企業は、ぜひ応募を検討して欲しい。</div><div><br></div><div>（編集：眞田幸剛、取材・文：佐藤瑞恵、撮影：加藤武俊）</div></div>

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鈴木　知美

田上 知美

箕浦智昭

小野寺崇

早瀬　信行

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村上　英一

辻　英輔

Ayuko Nakamura

食とアミノ酸のリーディングカンパニーとして、130以上の国や地域でグローバルにビジネスを展開している味の素グループ。かねてより産学連携など研究開発領域での外部共創で多くの成果を上げてきた。近年はその範囲を広げ、ライフスタイルの変化や「食」を取り巻く様々な領域において、共創パートナーとのオープンイノベーションを積極的に推進している。昨年だけでも60～70社と会い、現在複数社とのプロジェクトが進行中だという。日本や世界の「食」を100年以上にわたり支えてきた味の素は、オープンイノベーションによりどのような「食と健康の未来」を描いているのか。そのために提供できるリソースは。研究開発企画部にて『オープ

<p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">味の素は2020-2025中期経営計画において、「食と健康の課題解決企業」の実現を目標として掲げており、これに向けた施策の一つとして、今回新たにCVCを設立したことを発表した。CVCを通じ、食品やヘルスケア等の事業領域において、自社にない先端技術やソリューション、ビジネスモデルを有するスタートアップ企業やVCとの協業を推進し、自社ノウハウや知見との融合を図ることにより事業モデル変革を牽引する。CVCの活動は、2020年12月16日より開始。R&amp;B(Research and Business)企画部にグループを配置し、フードテックやヘルスケア分野におけるスタートアップ企業やベンチャーキャピタル(VC)への投資を行うという。</span><br></p><p><br></p><h2><span style="font-family: system-ui; background-color: rgb(255, 239, 198);"><b>CVCの活動内容</b></span></h2><p><span style="font-family: system-ui;">CVCは、スタートアップ企業との協業によるR&amp;Bの実行や情報収集・ネットワーク構築によりイノベーションを加速する「イノベーションの探索」、スタートアップ企業と共に持続的な協業構造を補完させる「エコシステムの構築・強化」と、スタートアップ企業との連携やイノベーションを担う人財の育成による「企業文化変革の牽引」を目的に、「食と健康の課題解決」に繋がる分野において、卓越した技術やソリューション、事業モデルを有するスタートアップ企業やそれらに投資するVCに出資を行う。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">2030年の未来として描く「食と健康の将来像」からバックキャストし、「Well-Being」、「地域・地球との共生」、「食の伝承と新たな発見」、「調理の進化」を投資領域として設定した。なお本CVCは、社内外向けの起業家プログラム（※1）とともに、事業モデル変革タスクフォースの中核となる取り組みの一つだという。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;"><font color="#636363">※1：　社外向け起業家プログラム「Ajinomoto Group Accelerator」、および社内向け起業家プログラム「A-STARTERS」</font></span></p><p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/2320/upload/ySI7Mo7Mm49Zp0qLNcLhkg.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></p><p><br></p><h2><span style="font-family: system-ui; background-color: rgb(255, 239, 198);"><b>植物肉の「DAIZ」と資本業務提携</b></span></h2><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">CVCの新設発表に先立ち、味の素は大豆由来の植物肉の開発・製造・販売を手がけるスタートアップである<a href="https://www.daiz.inc/" target="_blank">DAIZ株式会社</a>と投資契約を締結し、資本参加を開始したことも発表した。食肉の代替として植物由来のタンパク源への注目が高まっていることを受け、「栄養価値の高い植物肉」を開発したスタートアップであるDAIZ社への投資を行うことを決定したという。</span><br></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">DAIZの発芽丸大豆を使用した独自の素材に、味の素の「おいしさ設計技術」を活用してソリューション提案を行うことで、さらなる市場拡大とプラントベースドミート（植物肉）の普及を目指す。「おいしさと健康価値を両立したプラントベースドミート（植物肉）」をより多くの加工食品メーカーや外食店のメニューを通して生活者に届けることで、食資源代替による地球環境保護と、おいしくて健康的な食生活に貢献するという。</span></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;"><br></span></p><p><span style="font-family: system-ui;">※関連リンク：<a href="https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter_topics/2020_12_16.pdf?1608166969204" target="_blank">プレスリリース</a></span></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">（<a href="https://twitter.com/tomoruba" target="_blank">TOMORUBA編集部</a>）</span></p>

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<p>川崎市では味の素株式会社が開発した新品種のハーブペッパー「香辛子（こうがらし）」について、味の素（株）、セレサ川崎農業協同組合、市農業技術支援センターの、3者連携で初めての栽培実証・共同研究の契約をした。現在香辛子は、3者協力のもと品質の維持や栽培土壌の適合などの研究が行われ、市内29軒の農家で栽培されている。</p><p>川崎市は、これまで香辛子を使用した加工品の商品開発や飲食店でのメニュー化のマッチングに取り組んできた。香辛子そのものを直販するだけではなく、様々な商品・メニューにし消費者に届けることで、香辛子の付加価値向上や都市農業の振興、さらには市内経済の活性化を目指す。</p><p><br></p><h4><span style="display:block;color:#33a09b;background-color:#e9f0f0;border-left:5px solid #33a09b;padding: 11px 15px 7px 18px;"><strong>香辛子（こうがらし）とは</strong></span></h4><p>香辛子の最大の特徴は、他の唐辛子にはない独特の香り。唐辛子の中でも特出した激しい辛さと、辛さの中のフルーティな香りが特徴の、ハバネロやブートジョロキアの辛さを抑え、育種。 唐辛子の辛みをもたらす主成分である「カプサイシン」が、辛味1/1000の成分「カプシエイト」に置換されている為辛味が弱く、豊かな香りとうまみを楽しむことができる。</p><p><img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/eiicon.prd.contents/image/articles/ce3f5257-1868-4260-ba13-1e1974d5ab5d.jpg" style="width: 350px;" class="fr-fic fr-dib"></p><p>また香辛子には抗酸化作用があり、ビタミンＡの形成にも関わる「カロテノイド」がトマトの10倍以上含まれ、「カプシエイト」は「カプサイシン」同様の基礎代謝向上の働きをする為、健康的な体作りをサポートするという。</p><p><br></p><h4><span style="display:block;color:#33a09b;background-color:#e9f0f0;border-left:5px solid #33a09b;padding: 11px 15px 7px 18px;"><strong>開発の経緯とこれから</strong></span></h4><p>「香辛子」　はもともと、味の素（株）川崎工場にて、サプリメントの栄養素として「カプシエイト」を抽出するための新品種として開発された。実験の中で研究員が「香辛子」の果実を試食した際、親品種であるハバネロ・ブートジョロキアが食べられる際には強い辛さにより掻き消されてしまう香りやうまみを感じられたことに着目、サプリ以外の商品化も視野に入れた今回の3者連携の栽培実証・共同研究が開始された。以降、栽培奨励活動等において共同研究契約に基づき、川崎市内29件の農家で香辛子が栽培されている。</p><p>8月20日、24日、30日には「川崎生まれのハーブペッパー香辛子」として、JAセレサ川崎 直売所「セレサモス」で、収穫された香辛子のプロモーション販売を行う。</p><p>現在は「香辛子」のフルーティな香りや健康成分を活かしたソース、アイスなど新商品開発、飲食店での提供において、川崎市が企業の知的財産創出・保護・活動を支援する取り組み「川崎モデル」のネットワークを活用し、食品加工業者のマッチングを進め、新たな名産品の開発が進められている。</p><p><br></p><p>※関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000035638.html">プレスリリース</a></p><p>（eiicon編集部）</p>

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川崎市では味の素株式会社が開発した新品種のハーブペッパー「香辛子（こうがらし）」について、味の素（株）、セレサ川崎農業協同組合、市農業技術支援センターの、3者連携で初めての栽培実証・共同研究の契約をした。現在香辛子は、3者協力のもと品質の維持や栽培土壌の適合などの研究が行われ、市内29軒の農家で栽培されている。川崎市は、これまで香辛子を使用した加工品の商品開発や飲食店でのメニュー化のマッチングに取り組んできた。香辛子そのものを直販するだけではなく、様々な商品・メニューにし消費者に届けることで、香辛子の付加価値向上や都市農業の振興、さらには市内経済の活性化を目指す。香辛子（こうがらし）とは香辛子

世の中の共創情報！最新情報をピックアップ。

共創情報

<p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">多くのビジネスパーソンが注目するAIビジネスですが、AIには多用に細分化された用途があります。ですから「どの領域のAI活用がアツいか？」に注目するのが正しいビジネス洞察眼と言えるでしょう。TOMORUBAの連載<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/series/Break%20Down%20AI" target="_blank">「Break Down AI」</a>では、期待される【AI×○○】の実態を深堀りし、どのような共創が行われているかに迫ります。</span><br></p><p><span style="font-family: system-ui;">今回は「料理」をテーマにAIを活用した共創事例を紹介します。人間が食事をするには、多くの場合誰かが料理をしなければなりません。これをマーケットとして捉えた場合、人間が料理をする数はとてつもなく多いことは想像に難くありません。料理をする人やその回数が多ければそれだけ課題の数も多いわけですから、AIが助力になる余地がありそうです。企業は料理に関するどの部分を課題と認識し、どのように課題解決へのアプローチをしているのでしょうか。</span></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;"><br></span></p><h2><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px; background-color: rgb(255, 239, 198);"><b>フードテック世界市場は700兆円。国内でも投資活性化の動き</b></span></h2><p><span style="font-family: system-ui;">最近では、食×テクノロジーの分野は「フードテック」と呼ばれ、グローバルでの市場規模は700兆円とも言われています。あまりにも規模が大きいように感じますが、冒頭にも述べたように全ての人が毎日複数回の食事をとるわけですから、巨大産業であることは間違いありません。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">国内に目を向けると、2020年に農林水産省が公開した「農林水産省フードテック研究会　中間とりまとめ」では、フードテック分野への投資額についての言及があります。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">米国、中国、インド、英国などではフードテックへの投資が活発化しており、近年年間2兆円を超える金額が投資されています。その一方で、日本の投資額は、最も投資額の多い米国に比べると1％程度にとどまっています。</span></p><p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/2604/upload/pMjFX2tTk_7gg7rb2LNYjw.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;" border="1"><br></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;"><font color="#9c9c94">出典：<a href="https://www.maff.go.jp/j/kanbo/foodtech/foodtech_kenkyukai_torimatome.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">農林水産省フードテック研究会 中間とりまとめ</a>　</font></span></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;"><br></span></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">そのため、レポート内では国内の投資環境について「国際的な競争力を上げるため、民間活力を呼び込み、投資を活性化するような新たな仕組みの検討が必要」と記載されており、今後フードテックへの投資が国内でも活発化する可能性があると考えられます。</span><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;"><font color="#9c9c94"><br></font></span></p><p><span style="font-family: system-ui;">フードテックにはもちろん料理分野も内包されているため、料理×AIの領域も近い将来に盛り上がることが期待できます。</span></p><p><br></p><h2><span style="font-family: system-ui; background-color: rgb(255, 239, 198);"><b>料理×AIの共創事例</b></span></h2><p><span style="font-family: system-ui;">ここからはAI活用で料理分野のイノベーション推進に取り組む共創事例を紹介していきます。</span></p><p><br></p><h4><span style="font-family: system-ui;"><b><font color="#ce0000">【味の素×アスリート】アスリート向け献立提案AIアプリ「勝ち飯®AI」β版の実証実験が開始</font></b></span></h4><p><span style="font-family: system-ui;">味の素は2021年3月、アスリート向け献立提案AIアプリ『ビクトリープロジェクト®管理栄養士監修 勝ち飯®AI』β版を開発し、ユーザテストを開始しています。『勝ち飯』とは2003年からスタートした、味の素が日本代表や日本代表候補のアスリートと取り組むフードテックプロジェクトで、アスリートの栄養プログラムを生活者に向けて発信しています。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">同アプリは味の素の持つ食とアミノ酸の分野における先端技術・知見を基盤に、デジタルテクノロジーを活用して生活者に新たな価値を提供する取り組みの一環として開発したもので、限定ユーザテストを通してコンセプトの受容性を確認すると共に、当社では今後さらに多様な領域において生活者への価値を創出、提案していく予定です。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">昨今では一般アスリートや部活生がコロナ禍でトレーニングや食事の管理が難しくなっているため、味の素の持つノウハウで食事から体作りをサポートすることが同アプリの目標と位置付けられているようです。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;"><font color="#9c9c94">関連ページ：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000059753.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">味の素㈱がアスリート向け献立提案AIアプリ「勝ち飯®AI」β版を開発 ユーザテストを開始</a></font></span></p><p><br></p><h4><span style="font-family: system-ui;"><b><font color="#ce0000">【サッポロ×オトナル】共創ビジコンでパパ社員から生まれた、AIがレシピや買い物を提案する『うちレピ』</font></b></span></h4><p><span style="font-family: system-ui;">サッポロホールディングスは、自宅にある食材からつくれるレシピや買い足す食材候補を提案し、料理を通じた家族コミュニケーションができる「うちレピ」のβ版webアプリを2021年1月にリリースしました。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">うちレピでは、購入時のレシートや冷蔵庫内を写真撮影することで自宅にある食材を登録でき、それらの食材のみを組合わせてつくることができるレシピや買い足す食材候補をAIが提案し、日々の献立や買い物を考える手間を減らすというもの。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">うちレピはサッポロが開催した『スタートアップ共創型ビジネスコンテスト』で「共働き世帯増加に伴う社会課題の解決につながるビジネスの発展性」が評価され事業化挑戦権を得たアイデアを起点に開発されました。スタートアップ企業のオトナルの現役パパ社員が自身の家庭での実体験を踏まえ、夫婦における料理の負担を最小化し、楽しさを最大化すべくサッポロとの協業開発に至ったとのことです。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;"><font color="#9c9c94">関連ページ：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001658.000012361.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎日の料理をもっと楽しく、家族のコミュニケーションのきっかけに！おうちにある食材からレシピや買い物を提案する「うちレピ」β版webアプリをリリース</a></font></span></p><p><br></p><h4><span style="font-family: system-ui;"><b><font color="#ce0000">【ユーハイム×Makuake】職人の技術を機械学習するバウムクーヘンAI職人『THEO』</font></b></span></h4><p><span style="font-family: system-ui;">ユーハイムは2021年2月、職人の技術を機械学習する、バウムクーヘン専用 AI オーブン『THEO(テオ)』が焼いたバウムクーヘンの販売を、クラウドファンディングサイト『Makuake』にて開始しました。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">テオは職人が焼く生地の焼き具合を、各層ごとに画像センサーで解析することで、その技術をAIに機械学習させデータ化し、無人で職人と同等レベルのバウムクーヘンを焼きあげることができます。ベテランの菓子職人のほか、ロボット工学の研究者、AIの専門家、デザイナーなどの協力を得て5年がかりで開発したとのことです。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">テオはMakuakeにて先行販売を開始しましたが、目標達成率1300％を超え680万円相当が購入されました。現在、3月に名古屋・栄にオープンした複合施設「BAUM HAUS(バウムハウス)」に実装されており、購入が可能となっています。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;"><font color="#9c9c94">関連ページ：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000034027.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">厳選バターと卵で1000本、特訓中！ AI職人の“純正自然”なバウムクーヘンAI職人「THEO(テオ)」が焼くバウムクーヘン応援購入サービス「Makuake」にて販売開始</a></font></span></p><p><br></p><h4><span style="font-family: system-ui;"><b><font color="#ce0000">【NVIDIA×クックパッド×オプト】クックパッドの画像データを活用する「AIチャレンジコンテスト」</font></b></span></h4><p><span style="font-family: system-ui;">内閣府と文部科学省は2017月、国内の学生・社会人を対象として、先端的な人工知能技術の開発とビッグデータ活用の能力を競う「AIチャレンジコンテスト」を主催しました。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">第1回のテーマは「画像認識」で日本最大のレシピサービス「クックパッド」に投稿されている料理画像データを使用して、料理の領域検出・料理の分類の画像認識アルゴリズムの作成がタスクとして課されました。開催にあたってはNVIDIA・クックパッド・オプトの3社が技術的な支援やデータ提供などを手がけています。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">料理領域検出部門と料理分類部門でそれぞれ精度とアイデアを競うコンテストが行われました。コンテストの総参加者数は631名、予測結果の総提出件数は2732件にのぼりました。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;"><font color="#9c9c94">関連記事：<a href="https://tomoruba.eiicon.net/articles/133" target="_blank" rel="noopener noreferrer">【特集インタビュー】クックパッドの画像データを“料理”せよーー「AIチャレンジコンテスト」が目指すものとは？</a>／</font></span><a href="https://signate.jp/competitions/31" target="_blank" rel="noopener noreferrer" style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;"><font color="#9c9c94">人工知能技術戦略会議等主催 第1回AIチャレンジコンテスト</font></a></p><p><br></p><h2><span style="font-family: system-ui; background-color: rgb(255, 239, 198);"><b>【編集後記】ほんの少しのシェアでもインパクト大</b></span></h2><p><span style="font-family: system-ui;">新規事業を始める際に気になるのは「狙う領域に市場があるかどうか」ですが、料理という分野はもちろん巨大な市場があります。本文でも述べたように兆の単位で市場が動いていますから、ほんの少しのシェアを獲得できたとしたら売上のインパクトはかなり大きくなるでしょう。私たちは「人間が料理をするのは当たり前」と思いがちですが、そこに可能性が眠っているかもしれませんね。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">（<a href="https://twitter.com/tomoruba" target="_blank" rel="noopener noreferrer">TOMORUBA編集部</a>）</span></p>

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眞田幸剛

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城野真樹

オープンイノベーションプラットフォーム・eiiconは、「YOKOGUSHI　VOL.2～食品メーカー各社が仕掛けるオープンイノベーションを徹底討論！～」と題したイベントを8月22日に開催した。「YOKOGUSHI」（ヨコグシ）とは、同業界の中でオープンイノベーションに取り組むイノベーターたちが集い、それぞれの仕掛けや狙いを文字通り“横串”でディスカッション形式で紹介するイベントだ。初回のテーマは『交通インフラ』だったが、今回開催された第二回目のテーマは『食品業界』。味の素株式会社、サントリーホールディングス株式会社、ハウス食品グループ本社株式会社、森永製菓株式会社、この4社にて新規事業担当者

<p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">食のパーソナライズによる健康・医療の最適化を目指す株式会社おいしい健康は、味の素株式会社を引受先とする第三者割当増資を実施し、資本業務提携契約を締結したことを発表した。本提携では「食を通じた、世界の健康創造」という協業パーパスのもと、食と健康のプラットフォーム構築の推進や、パーソナライズされたプロダクトによる食体験の提供を行っていくという。</span><br></p><p><br></p><h2><span style="font-family: system-ui; background-color: rgb(255, 239, 198);"><b>資本業務提携の背景</b></span></h2><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">人生100年時代という超⻑寿社会を迎えるにあたり、「健康寿命」（=医療・介護に依存せず、自立的な生活を送ることのできる人生の長さ）への関心が急速に高まりつつある。さらに新型コロナウイルス感染症の流行以降は、家庭生活や働き方が大きく変容するとともに、公衆衛生や医療に対する国民意識が大きく高まった。2025年には、いわゆる団塊世代が一⻫に後期高齢者となり、医療・介護費は合計75兆円に膨張するものと予測されている（2025年問題）</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">そうした中、「誰もがいつまでも、おいしく食べられる社会の実現」を理念に掲げる「おいしい健康」では、AI による献立・栄養管理支援アプリ『おいしい健康』を提供してきた。一人ひとりの健康状態にパーソナライズした食環境を実現し、医療機関や薬局、製薬会社などとの協業を通じた疾患治療支援、あるいは一般生活者に向けた病気予防を支援してきたという。これまでブラックボックスであった家庭内の食事と栄養を、デジタルトランスフォーメーション（DX）によって高度に最適化・見える化することは、医療費抑制やQOL向上といった社会課題解決に大きく寄与するものとの考えからだ。</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">▼おいしい健康のパーパス</span></p><p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3212/upload/KXHNLZfNlxmRhVjY7YwwMw.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></p><p><br></p><p><span style="font-family: system-ui;">そして今回、「新たな食の楽しさやおいしさを通じた幸せの提供」および「食や健康・栄養を軸としてパーソナライズされた『食体験ジャーニー』の実現」に取り組む味の素社とのパーパスが合致したことから、「食を通じた、世界の健康創造」へ向け、本提携を実現するに至ったという。</span></p><p><br></p><h2><span style="font-family: system-ui; background-color: rgb(255, 239, 198);"><b>協業内容と今後の展開</b></span></h2><p><span style="font-family: system-ui;">今後、両社の有する技術とアセットを活用したオープンイノベーションの深化を図り、食と健康のプラットフォーム構築の推進や、パーソナライズされたプロダクトによる食体験の提供などを実現していく。</span></p><p><br></p><p><span style="font-family: system-ui;">【主な協業内容】</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">・デジタル技術を活用した、生活者の健康および食体験の価値向上</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">・デジタル領域から食卓までがつながる、新しい食体験の提供</span></p><p><span style="font-family: system-ui;">・食と健康に関するエビデンスの拡充と高度化</span></p><p><img src="https://auba-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/articles/3212/upload/b0envg0Y3PScuCVlGSV1pw.jpg" class="auba-summernote-image" style="width: 100%;"><br></p><p><br></p><h2><span style="font-family: system-ui; background-color: rgb(255, 239, 198);"><b>本提携について両社のコメント</b></span></h2><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;"><b>■味の素株式会社 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者 ⻄井孝明 氏</b></span><br></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">『味の素は「食と健康の課題解決企業」を掲げ、食に関わる一連の行動の中で、新たなおいしさや楽しさの発見、健康や栄養を軸としてパーソナライズされた食体験ジャーニーの提供を推進しています。おいしい健康社の企業理念、食習慣や疾患課題に対応したレシピ開発、アプリ等のデジタルサービスは、当社が目指す方向性と高い親和性があることから、今回の資本業務提携に至りました。おいしい健康社の食と健康のデジタル領域の強み・経験と、当社の食やヘルスケア領域での事業や技術を相互活用することで、生活者に新たな価値を提供していきたいと考えています。』</span><br></p><p><br></p><p><span style="font-family: system-ui;"><b>■株式会社おいしい健康 代表取締役CEO 野尻哲也 氏</b></span></p><p><span style="font-family: system-ui;">『「おいしい健康」は「一人ひとりに最適な食事を提案するパーソナライズ・ソリューション」の提供を通じ、食による健康・ 医療の課題解決を目指すデータニュートリション・スタートアップです。健康な方から妊娠中・病気の方まで、難しい栄養管理を日常生活においしく取り入れられるよう、独自の情報技術に基づきサポートしております。このたび、「妥協なき栄養」を提唱し、アミノ酸を中心とした高度な研究開発体制と商品群を有する味の素社と、資本業務提携を締結するに至りました。「食を通じた、世界の健康創造」を協業パーパスとして、両社の資産と情熱を集結し、「心と体の両方がおいしい」というような未来の食と健康を切り拓いてまいります。』</span></p><p><br></p><p><span style="font-family: system-ui;">※関連リンク：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000043855.html" target="_blank">プレスリリース</a>　</span></p><p><span style="font-family: system-ui; letter-spacing: 0.2px;">（<a href="https://twitter.com/tomoruba" target="_blank">TOMORUBA編集部</a>）　</span></p>