ヘルスケアスタートアップ「おいしい健康」×味の素 | 資本業務提携、食と健康のDXによる人生100年時代の社会課題解決へ
食のパーソナライズによる健康・医療の最適化を目指す株式会社おいしい健康は、味の素株式会社を引受先とする第三者割当増資を実施し、資本業務提携契約を締結したことを発表した。本提携では「食を通じた、世界の健康創造」という協業パーパスのもと、食と健康のプラットフォーム構築の推進や、パーソナライズされたプロダクトによる食体験の提供を行っていくという。
資本業務提携の背景
人生100年時代という超⻑寿社会を迎えるにあたり、「健康寿命」(=医療・介護に依存せず、自立的な生活を送ることのできる人生の長さ)への関心が急速に高まりつつある。さらに新型コロナウイルス感染症の流行以降は、家庭生活や働き方が大きく変容するとともに、公衆衛生や医療に対する国民意識が大きく高まった。2025年には、いわゆる団塊世代が一⻫に後期高齢者となり、医療・介護費は合計75兆円に膨張するものと予測されている(2025年問題)
そうした中、「誰もがいつまでも、おいしく食べられる社会の実現」を理念に掲げる「おいしい健康」では、AI による献立・栄養管理支援アプリ『おいしい健康』を提供してきた。一人ひとりの健康状態にパーソナライズした食環境を実現し、医療機関や薬局、製薬会社などとの協業を通じた疾患治療支援、あるいは一般生活者に向けた病気予防を支援してきたという。これまでブラックボックスであった家庭内の食事と栄養を、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって高度に最適化・見える化することは、医療費抑制やQOL向上といった社会課題解決に大きく寄与するものとの考えからだ。
▼おいしい健康のパーパス
そして今回、「新たな食の楽しさやおいしさを通じた幸せの提供」および「食や健康・栄養を軸としてパーソナライズされた『食体験ジャーニー』の実現」に取り組む味の素社とのパーパスが合致したことから、「食を通じた、世界の健康創造」へ向け、本提携を実現するに至ったという。
協業内容と今後の展開
今後、両社の有する技術とアセットを活用したオープンイノベーションの深化を図り、食と健康のプラットフォーム構築の推進や、パーソナライズされたプロダクトによる食体験の提供などを実現していく。
【主な協業内容】
・デジタル技術を活用した、生活者の健康および食体験の価値向上
・デジタル領域から食卓までがつながる、新しい食体験の提供
・食と健康に関するエビデンスの拡充と高度化
本提携について両社のコメント
■味の素株式会社 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者 ⻄井孝明 氏
『味の素は「食と健康の課題解決企業」を掲げ、食に関わる一連の行動の中で、新たなおいしさや楽しさの発見、健康や栄養を軸としてパーソナライズされた食体験ジャーニーの提供を推進しています。おいしい健康社の企業理念、食習慣や疾患課題に対応したレシピ開発、アプリ等のデジタルサービスは、当社が目指す方向性と高い親和性があることから、今回の資本業務提携に至りました。おいしい健康社の食と健康のデジタル領域の強み・経験と、当社の食やヘルスケア領域での事業や技術を相互活用することで、生活者に新たな価値を提供していきたいと考えています。』
■株式会社おいしい健康 代表取締役CEO 野尻哲也 氏
『「おいしい健康」は「一人ひとりに最適な食事を提案するパーソナライズ・ソリューション」の提供を通じ、食による健康・ 医療の課題解決を目指すデータニュートリション・スタートアップです。健康な方から妊娠中・病気の方まで、難しい栄養管理を日常生活においしく取り入れられるよう、独自の情報技術に基づきサポートしております。このたび、「妥協なき栄養」を提唱し、アミノ酸を中心とした高度な研究開発体制と商品群を有する味の素社と、資本業務提携を締結するに至りました。「食を通じた、世界の健康創造」を協業パーパスとして、両社の資産と情熱を集結し、「心と体の両方がおいしい」というような未来の食と健康を切り拓いてまいります。』
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