東北大学発のTAI、シリーズCで12.7億円を調達――エッジAIと自社開発AI半導体の事業拡大を加速
Tokyo Artisan Intelligence株式会社(以下、TAI)は、シリーズCファーストクローズで総額12.7億円の資金調達を実施した。
三井住友海上キャピタル株式会社をリード投資家とし、ワタキューホールディングス株式会社、東京計器株式会社・東京計器レールテクノ株式会社、株式会社エー・ディ・ティを引受先とする第三者割当増資に加え、株式会社みずほ銀行からの融資によって調達した。
今回の資金を活用し、鉄道事業者や地方自治体などで実証・導入を重ねてきたAIソリューション事業と、自社開発のAI半導体チップ「Manta Ray」事業を強化。グローバルな生産・供給体制の構築と社会実装を加速する。
鉄道や自治体でエッジAIの実証・導入を推進
TAIは、東北大学発のAI・半導体研究を基盤とするスタートアップ。AI半導体の研究開発と、エッジAIソリューションの開発・提供を手掛けている。
AIソリューション事業では、JR九州をはじめとする鉄道事業者や地方自治体など、人手不足が課題となっている現場を中心に実証・導入を進めてきた。
特に、クラウドとの常時接続に頼らず、デバイス側でAI処理を行うエッジAIの活用を推進。製造・物流・インフラなどの現場で高まる省人化・自動化ニーズに対応するとともに、実際の現場で得られたデータや知見をAI半導体の開発にも生かしている。
AI半導体事業では、2026年7月に自社開発のテストチップ「StingRay」の評価を完了。現在は、量産化を見据えた次世代AI半導体チップ「Manta Ray」の開発プロジェクトを本格化させている。
AI半導体「Manta Ray」の量産化とグローバル展開へ
TAIは、AIソリューションとAI半導体の2事業を相互に連携させることで、事業拡大を目指す。
2026年6月には、マレーシアの半導体企業Oppstar社と戦略的パートナーシップ契約を締結。日本とマレーシアの連携を背景に、AI半導体の開発・生産を支える国際的なパートナーシップの構築も進めている。
今回調達した資金は、「Manta Ray」の生産およびグローバルサプライチェーンの構築をはじめ、AIソリューション事業の拡大などに活用する。
TAIは、鉄道や自治体などの現場で培ったAIソリューションと、自社開発の半導体チップを組み合わせることで、現場でAIを動かすための技術基盤を強化する方針。AI普及に伴う電力消費の増加や、製造・物流・インフラ分野における人手不足といった課題に対し、日本発のディープテック企業として社会実装を進めていく。
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(TOMORUBA編集部)