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東大発・位置情報AIと衛星インテリジェンスの「LocationMind」 | シリーズAで11.6億円の資金調達、事業拡大・研究開発の加速にむけて積極投資

東大発・位置情報AIと衛星インテリジェンスの「LocationMind」 | シリーズAで11.6億円の資金調達、事業拡大・研究開発の加速にむけて積極投資

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位置情報AIと衛星インテリジェンスベンチャーであるLocationMind株式会社は、2022年9月9日までに、シリーズA資金調達ラウンドにより、総額11.6億円の資金調達を完了したと発表した。今回の資金調達を含めた創業からの累計資金調達額は、総額15.6億円となる。

「LocationMind」の事業概要

LocationMindは、世界の全ての事象を時間と空間から読み解くことを目指し、位置ビッグデータ・IoT機器を用いた位置情報分析、人流・物流の予測・最適化・シミュレーションなどの応用的分析、測位衛星システムを用いた次世代のGNSSセキュリティサービスを提供する、位置情報AI・衛星インテリジェンスのスタートアップだ。日本の位置情報研究の先駆者である柴崎研究室(東京大学空間情報科学センター)の技術を社会に実装すべく、2019年に創業した。

シリーズAラウンド  出資者一覧

今回のシリーズAラウンドの引受先は以下のとおり。

- みやこキャピタル株式会社(みやこ京大イノベーション2号投資事業有限責任組合)

- 日野自動車株式会社

- 神姫バス株式会社(エスファイブ1号投資事業有限責任組合:運営者 株式会社サンブリッジコーポレーション)

- 株式会社ゼンリンフューチャーパートナーズ(ZFP第1号投資事業有限責任組合)

- みずほキャピタル株式会社(みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合)

- ヒューリックスタートアップ株式会社(ヒューリックスタートアップ 1号投資事業有限責任組合)

- Intelligent Style株式会社

- 株式会社梓総合研究所

- エンジェル投資家

- その他

調達後の重点投資領域

調達資金をもとに、採用を強化するとともに、さらなる事業拡大・研究開発の加速にむけて積極投資していく考え。なお、同社の特徴的な成長分野は以下の4つだという。

(1)トラックプローブのビッグデータを活用した「物流革新」

2022年6月30日、LocationMindと日野自動車株式会社は、車両位置情報等のデータ活用による物流ソリューション提供を目指し、資本業務提携に関する契約を締結した。日野から提供されるトラックの位置情報などをLocationMindが分析・可視化を行い、両社協力して物流ソリューションの開発を行う。本提携で開発するソリューションの第一弾は22年度中に提供予定だ。将来的には運送事業者、インフラ事業者、自治体などへ様々なソリューションの提供を目指す。


(2)スタートアップとして他に類を見ない「宇宙事業」

同社の宇宙事業の中核を担う新技術「信号認証」は、日本の準天頂衛星システム「みちびき」への実装が進んでいる。2年後の2024年より「みちびき」を使った、測位信号を認証するサービスが開始される。現在のGPSなどのGNSS信号は、保護のない状態で送受信されている。そのため、位置情報の詐称や、誤ったデータに基づく分析や意思決定が看過されている状況にある。同社の「信号認証」は、信号に電子情報を埋め込むことで真正性を付与する仕組みだ。この世界的にも最新の技術を用いて、日本の準天頂衛星の範囲、さらにその先の世界の測位市場の高度化に貢献することを目指す。


(3)人流分析ツール「LocationMind xPop」をさらに拡大

同社独自の人流分析ツール「LocationMind xPop(読み方:エックスポップ)」は、LocationMind社の祖業の一つで、事業化への移行期にある現在、新型コロナウイルス・都市交通・観光・エネルギー・不動産・大型イベントなど、既に様々な場面での分析実績がある。ユーザーの課題に寄り添う体制を強化すべく、今後導入時のサポート体制の拡充を予定している。事業化により、パートナー企業との協業などを進め、さらに大規模な応用的分析を提供していく。※xPopの詳細はこちら 


(4)IoT人流分析ツール 「LocationMind xTraffic」の開発

位置情報を収集するには、屋外と屋内で適切な手法の選択が必要だ。屋外では人流ビッグデータによる統計的な分析が適している一方で、屋内ではIoT機器を使った計測が正確な分析に繋がる。同社が開発したIoT型の人流分析ツール「LocationMind xTraffic(読み方:エックストラフィック)」は、このような要衝の精緻な分析に適したツールで、xPopと同様に事業化への移行期にある。自治体や大規模移動拠点などで行われた様々な実証実験での採用実績があり、シリーズAの資金をもとに当ツールの事業化を加速する。

経営陣のコメント

■LocationMind株式会社 Chief Technology Officer 柴崎亮介教授(創業メンバー)

『近年の新型コロナウイルスの流行を踏まえ、『人流』に対する人々の関心はこれまで以上に高まっています。私たちは、インターネットが携帯電話に搭載される黎明の時代から位置情報を研究し、空間情報科学の分野を開拓してきました。空間情報科学は、社会をまるごとデジタルツインできる、未来を担うテクノロジーです。これにより、現実世界のさまざまな問題の見える化や解決を加速させることができます。この度の資金調達で、これまでの膨大な研究成果を社会に還元する準備が整いました。是非私たちのソリューションにご注目いただき、応援いただければ嬉しいです。』

■LocationMind株式会社 Chief Executive Officer 桐谷直毅 氏(創業メンバー)

『あらゆる事象を人やモノの移動と滞在の連続と捉えると、位置情報と関わりのないビジネスや社会課題はほとんどありません。私たちの事業が広がることで、世の中の様々な事象の解明と課題解決が進むことを願っています。安心・安全な位置情報の活用を目指し、様々な壁を乗り越えて参ります。

さらに、私たちが構築した『位置認証』という世界最先端の衛星技術は、数百兆円規模とも言われる位置情報産業の健全な発展と、数えきれない程の技術革新のきっかけとなると私たちは考えています。位置情報が真正性を持つようになるという利点だけでなく、衛星測位が位置情報と同時に提供する時刻情報は、時刻の実質的な基準としても幅広く利用されており、通信システムなどの根幹を支えています。その意味で、『位置認証』の貢献は大規模なものになると確信しています。この世界最先端の衛星技術で、次世代の社会システムを提案したいと思います。

この度の資金調達は、世界のすべてを時間と空間から読み解くというLocationMindのチャレンジにおいて、技術投資とさらなる事業化を加速する大きな一歩です。これから未来に大きく羽ばたくベンチャー企業として、今後もご期待いただけますようお願いいたします。』

※関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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コメント2件

  • 木元貴章

    木元貴章

    • 有限会社Sorgfalt
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