KANNON×桑名市、約2年間の共創を経て市内に新拠点を開設――地域企業のDX・AI活用支援を加速
AIエージェント構築サービス「オペレス」などを展開する株式会社KANNONは、2026年10月中旬、三重県桑名市に新拠点「三重支店」を開設した。これに先立つ10月5日には、桑名市の伊藤徳宇市長とKANNON代表取締役CEOの山下青夏氏による合同記者会見を実施した。
今回の拠点開設は、KANNONと桑名市が約2年にわたり進めてきた共創の取り組みを背景とするもの。桑名市が推進するスタートアップ誘致の第一号となる事例であり、今後は三重県内の中小企業に向けたDX・AI活用支援を本格化する。
実証実験から正式導入へ、約2年間の共創が拠点開設につながる
KANNONは2023年11月に設立された、愛知県名古屋市のスタートアップ。AIエージェント構築サービス「オペレス」や、ウェブサイトにアクセシビリティ機能を追加するSaaS「フェアナビ」などを開発・提供している。
桑名市との接点は、2024年1月に開催された「くわなスタートアップサミット『開国~KAIKOKU~』」にさかのぼる。同イベントでKANNONの山下氏が自社サービスを発表したことをきっかけに、両者の連携が始まった。
その後、KANNONと桑名市は「フェアナビ」の実証実験を重ね、桑名市公式ホームページへの正式導入を実現。スタートアップの技術を行政サービスに取り入れる取り組みを通じて、継続的な協力関係を築いてきた。
今回の支店開設の直接的なきっかけとなったのは、名古屋市のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」で、山下氏が桑名市スマートシティ推進課の担当者に相談したことだった。
桑名市は「くわなスタートアップ・オープンフィールド戦略」を策定し、2024年度からスタートアップとの事業共創プログラム「MASH UP! KUWANA」を実施するなど、スタートアップとの連携や誘致を推進している。
KANNONは、こうした桑名市の姿勢やこれまでの協業実績を評価し、三重県内の事業拠点として桑名市を選定。実証実験から行政への正式導入、さらに地域への拠点開設へとつながる事例となった。
三重県内の中小企業にDX・AI活用支援を展開
KANNONが開設した三重支店は、桑名市大字安永に所在する。これまで同社は名古屋市を中心に事業を展開してきたが、今回の拠点開設により、三重県内の中小企業に対する営業・サポート体制を強化する。
主な取り組みは、AIエージェント構築サービス「オペレス」を活用したDX・AI活用支援だ。
「オペレス」は、企業の業務プロセスや判断基準を整理し、AIによる業務の自動化を支援するサービス。売上日報の作成や請求書処理、議事録作成などを自動化でき、専任のDX担当者がいない中小企業でも導入できることを特徴としている。
三重支店では、地域企業を直接訪問し、業務課題のヒアリングからAI活用の提案、導入後のサポートまでを一貫して支援する。また、地域人材の採用を通じて、DX人材の育成や雇用創出にも取り組む方針だ。
桑名市にとっても、今回の拠点開設はスタートアップ誘致の具体的な成果となる。自治体が実証フィールドを提供し、スタートアップのサービスを実際に導入することで信頼関係を構築。その関係性が企業の地域進出につながった点が特徴的だ。
KANNONは今後、桑名市を拠点に三重県内の中小企業への支援を拡大し、地域全体のDX・AI活用を後押ししていくとしている。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)