コメから乳製品代替をつくるKinish、シリーズAで4.9億円を調達――日米展開と研究開発を加速
株式会社Kinishは、シリーズAのファーストクローズとして、第三者割当増資により4.9億円の資金調達を実施した。INSPiRE Mutualistic Symbiosis Fund 1、Shimadzu Future Innovation Fund(島津製作所のCVC)、大林組、カナダのLove Veggies Holding Ltd.が引受先として参画した。
調達した資金を活用し、コメを原料とする植物性アイス「The Rice Creamery」の日本・米国での販売拡大に加え、植物工場や分子農業の研究開発、人材採用を加速する。
島津製作所のCVCや大林組などが出資
Kinishは2023年に設立されたフードテックスタートアップ。コメを起点に、乳製品の代替となる商品の開発・販売と、それを支える次世代の生産技術の開発を進めている。
同社が展開する「The Rice Creamery」は、国産米を主原料とした植物性アイスで、国内約500店舗で販売。2025年10月には、米国ワシントンD.C.の小売店やMetaのオフィスでも販売を行った。
研究開発では、牛乳タンパク質の一種である「カゼイン」をコメに発現させることにも成功している。また、草丈約20cmの小型イネを植物工場で栽培する実証実験にも取り組み、3カ月で1平方メートルあたり2,079.7g(玄米重)を収穫した。
今回の資金調達には、島津製作所のCVCであるShimadzu Future Innovation Fundや大林組などの事業会社系投資家も参画。各社との連携を通じ、研究開発だけでなく、事業化や持続可能な食料生産に向けた取り組みを進める。
ニューヨークに拠点開設、コメの研究開発も加速
Kinishは米国での事業展開を加速するため、ニューヨークにオフィスを開設した。同拠点を中心に現地生産や取扱店舗を拡大し、「The Rice Creamery」のブランド認知向上を図る。
研究開発では、カゼインを含むイネについて、カゼインの含有量を高めるための品種改良を進める。また、小型イネの植物工場についても栽培試験の規模を拡大し、大量生産に向けた栽培方式の具体化や、データを活用した栽培レシピの改善に取り組む。
今回の調達資金は、こうした日米での事業展開や研究開発に加え、経営管理部門の責任者や日米の事業ポジションなどの採用強化にも充てる。
Kinishは、コメを活用した植物性食品の事業化と、植物工場・分子農業などの技術開発を並行して進めることで、持続可能な食料生産と乳製品代替の新たな選択肢の創出を目指す。
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(TOMORUBA編集部)