【前編】青森県の共創プログラム『Blue Ocean』3期目が始動――県内ホスト企業4社(ヤマモト食品・日本ハルマ・appcycle・八戸酒造)と挑む地域資源からの新事業創出
本州最北端に位置し、豊かな自然と独自の産業・文化を育んできた青森県。この地をフィールドに、共創による新たな事業創出を加速させる「AOMORI OPEN INNOVATION PROGRAM 『Blue Ocean』」が第3期を迎えた。地域に根差す企業(ホスト企業)と全国のプレイヤー(パートナー企業)を結び、未知の市場を切り拓く挑戦が再び始動する。
今期はホスト企業を以下の4社へ拡大し、挑戦的な共創テーマが揃った。実証実験の費用支援はもちろん、過去2年で培った知見を活かした伴走体制を敷き、地域固有の課題を事業へと転換する取り組みを力強く支える。
<ホスト企業と共創テーマ> ※記事登場順
●ヤマモト食品株式会社(青森県青森市)
テーマ:「ニシンをはじめとする水産加工残渣を高付加価値化し、新たな魚食文化と商流を創出する共創事業の構築」
●日本ハルマ株式会社(青森県弘前市)
テーマ:「青森の天然素材と独自技術から、まだない価値を共創する」
●appcycle株式会社(青森県弘前市)
テーマ:「りんご残渣をはじめとする未利用資源の価値化を通じた農家還元と脱炭素社会を創る青森発の共創」
●八戸酒造株式会社(青森県八戸市)
テーマ:「青森の酒の新市場を切り拓く。新たな飲用シーン・飲み方・流通を共創」
TOMORUBAでは、パートナー企業の公募開始に伴い、青森県とホスト企業4社への取材を実施。インタビューの内容を前後編にわたってお届けする。今回はその前編として、プログラムを主導する青森県庁とホスト企業2社(ヤマモト食品/日本ハルマ)を取り上げ、『Blue Ocean』にかける想いや提示する共創テーマの背景に迫っていく――。
【青森県】 地域課題を逆手に取って新ビジネス創出へ――2年間の蓄積を結集して加速させる3期目の船出
――最初に、青森県の産業面での強みや地域特性についてお聞かせいただけますか。
青森県・小田氏 : 青森県は三方を海に囲まれ、美しく豊かな自然や深い歴史、豊富な海の幸や山の幸、祭りや伝統工芸など独自性に富んだ文化が息づく地域です。産業面での強みとしては、盛んな農林水産業と、高い技術力を誇る製造業が挙げられます。
具体的には、りんごをはじめとする果物やにんにく、ごぼうなどの野菜、ホタテやイカといった水産物、さらにそれらを活かした加工食品、全国的に有名なお酒など、多彩な特産品が揃っています。また、津軽塗や津軽びいどろに代表される伝統工芸品から、高度な技術を要する製造業まで、幅広い分野で優れた製造技術が根付いています。このように豊かな地域資源と独自の製造技術にあふれている点が青森県の大きな強みであり、地域特性であると考えています。
▲青森県経済産業部 産業イノベーション推進課 技術振興グループ 主事 小田朱莉氏
――そうしたなか、県の産業イノベーション推進課が今、特に注力されている取り組みやテーマがあれば教えてください。
青森県・小田氏 : 私たちの課では、こうした魅力ある地域資源を活かして、県民所得の向上や雇用の活性化につなげていくことを目指しています。今回のオープンイノベーションプログラムもまさにその取り組みの一つであり、地域経済を力強く牽引するための事業として実施しています。
――青森県には豊かな地域資源がある一方で、直面している課題もあると思います。現在、県として特に注視されているのはどのような点でしょうか。
青森県・小田氏 : まず、全国的な課題でもある人口減少の影響は青森県にも色濃く表れています。農業や製造業など様々な分野で労働力不足が生じており、その対策が急務です。また、今回のプログラムに関わる部分では、先ほどご紹介したような地域資源がたくさんある一方で、りんごの搾りかすをはじめとする農産物残渣や、廃棄されるホタテの貝殻といった未利用資源の多さも、県が抱える問題の一つです。
▲青森県は日本全体のりんご生産量の約60%を占める、国内最大の産地だ。収穫量は351,400トン(令和7年度)を誇る。
――そうした課題へのアプローチとして位置づけられるのが、県主催のオープンイノベーションプログラム『Blue Ocean』ですね。これまで生まれた代表的な共創事業や成果をお伺いしたいです。
青森県・小田氏 : このオープンイノベーションプログラムは、県内産業の活性化や持続的な発展を目指し、2024年度から取り組みを開始したもので、今年度で3期目を迎えます。過去2年間(2024年度・2025年度)は、それぞれ県内企業3社に参加いただき、各社が抱える経営課題の解決に向けて、県外企業との共創による新たな商品開発やサービス開発に取り組んできました。
例えば2024年度には、ホタテの貝殻の廃棄に悩む県内企業(山神)が、貝殻の粉砕技術とエコプラスチックの素材・製品開発技術を持つ県外企業(甲子化学工業)とタッグを組み、ホタテの貝殻の粉末を含んだ雪かきスコップ「HOTASCOOP(ホタスコップ)」を開発しました。
貝殻の廃棄という同社の課題と、降雪量の多さという青森ならではの課題を交差させて、新たなプロダクトを生み出すことができました。このプロジェクトはプログラムが終わり、県の支援を離れた後も共創が進んでおり、今後、販売が予定されています。
▲2025年2月に青森市内で開催された第1期『Blue Ocean』の成果発表会。山神×甲子化学工業の共創による「HOTASCOOP」事業も、この場で発表された。(参考記事)
――プログラム終了後も共創が継続している点に、本事業の実効性を感じます。藤田さんは、これまでの成果についてどう捉えておられますか。
青森県・藤田氏 : 本事業は青森県としても初の試みであり、スタート当初は手探りの部分もあって、どのように成果へ繋げていくか模索していた面もありました。しかし、蓋を開けてみれば、各県内企業が理想的なパートナー企業と出会い、それぞれのペースで着実に商品・サービスの開発を進め、今なお継続して発展を続けています。プログラム終了後も企業同士が自走し、共創を深化させている姿を見ると、県内企業の成長に確かな貢献ができたのではないかと手応えを感じています。
▲青森県経済産業部 産業イノベーション推進課 技術振興グループマネージャー 総括主幹 藤田篤史氏
――3期目を迎える今年度はどのようなテーマに注力されているのでしょうか。また、参加企業への支援内容についてもお聞かせください。
青森県・小田氏 : 今回は枠を1社増やし、計4社の県内ホスト企業に参画いただきました。各社の共創テーマを見ると、りんごや水産加工品の残渣など、食品・未利用資源の利活用が多くなっています。初めて扱うテーマも増えているので、県としても土台づくりからフォローしていきたいと思います。また、具体的な支援として、実証実験にかかる費用のサポートも用意しています。参加企業の皆さんが、様々な共創や開発に自由に挑戦できるよう、手厚く支援していく考えです。
――本プログラムを通じて、青森県が目指す姿や実現したいことは何でしょうか。
青森県・小田氏 : 地域課題を逆手に取って、青森県ならではの強みを新しいビジネスに変えていく。そうした共創を次々と生み出していくことが、私たち県の目指す姿です。ホスト企業とパートナー企業がタッグを組み、プログラム名である『Blue Ocean(ブルーオーシャン)』のように、新たな市場を開拓していってほしいですね。県内企業が抱える課題は、青森県全体の課題でもあります。このプログラムをきっかけに、各社の成長はもちろん、県全体の課題解決や産業の活性化という大きな成果へとつなげていきたいと思います。
――藤田さんはいかがですか。
青森県・藤田氏 : 地域課題を解決していきながら、ゆくゆくは青森から世界へと羽ばたく事業へと育ってほしいです。青森の魅力や技術が広く世界に届き、青森を好きになってくれる人が増え、若い人たちが「ここで暮らしたい」と思ってくれるような未来を実現できたらと思います。
――最後に、本プログラムに参加する皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
青森県・小田氏 : まず、ホスト企業の皆さんに対しては、不安もあるかと思いますが、3期目を迎えて県にも経験やノウハウが蓄積されています。全力でサポートしますので、安心して自社の想いや取り組みたいテーマに向け、自由な発想で挑戦してください。
そして、パートナー企業の皆さんに対してですが、青森の地域課題を逆手に取って、新しいことに挑戦してみたいという意欲的な企業からの応募をお待ちしています。過去には、思いもしなかった角度から素晴らしいものが生まれた事例もあるので、固定観念にとらわれずに取り組んでいただければと思います。
【ヤマモト食品】 「ニシンをはじめとする水産加工残渣を高付加価値化し、新たな魚食文化と商流を創出する共創事業の構築」
――はじめに、水産加工を手がける御社の事業概要や主力商品について教えてください。
ヤマモト食品・山本氏 : 当社は青森市に拠点を置く水産加工会社で、創業から90年以上の歴史があり、私で4代目になります。主力商品は、2代目にあたる祖父が考案した「ねぶた漬」で、自社で登録商標も取得しています。年間で100万〜200万食ほど出荷しており、青森の家庭では、「納豆の次ぐらいに食卓に並ぶのではないか」と言われるほど、長年親しまれている看板商品になっています。
▲ヤマモト食品株式会社 代表取締役社長 山本浩平氏
――「ねぶた」という青森ならではのお祭りを冠したネーミングが印象的です。開発の背景や、そこに込められた想いを教えていただけますか。
ヤマモト食品・山本氏 : 開発当時、青森市には目立った名産品がなかったそうです。そこで「青森市にも何か自慢できる名産品を作りたい」という想いから、前身となる当社の「味よし」という商品に、大きな数の子をごろっと入れ、「ねぶた漬」と呼んで売り出したのが始まりだと聞いています。
▲数の子、スルメ、昆布の海の幸と、大根、きゅうりの山の幸を特製醤油ダレで漬け込んだ「ねぶた漬」。青森の代表的なお土産として人気を博している。
――市を代表する商品に育てようという気概から生まれたわけですね。そうした歴史を持つ御社が、今回のプログラムに参画を決めた理由や課題感を教えていただけますか。
ヤマモト食品・山本氏 : 当社ではニシンの加工を手がけているのですが、その過程でどうしても残渣が出てしまいます。約23トンのニシンを加工すると、およそ5トンは残渣として残ってしまうのです。残る部分は、魚の頭や尻尾、骨、内臓といった部分。これらを今は、契約農家さんに堆肥の原料として無償でお渡ししていますが、堆肥だけではなく、別のものに変えて収益を生むような挑戦がしたいと考え、本プログラムに参画しました。
――ニシン残渣を活用した新規ビジネスの創出を目指されていると。
ヤマモト食品・山本氏 : はい。単なる残渣や廃棄物として捉えてしまうと、どうしても価値が低く見積もられてしまいます。現状は無償でお譲りするか、養殖飼料として専門の回収業者さんに引き取ってもらうくらいしか選択肢がありません。しかし、回収業者さんに引き取ってもらっても利益はほとんど出ないか、輸送コストを考えるとマイナスになることも多いです。自社トラックで近隣の業者さんに持ち込んではじめて、わずかなお金になる程度というのが実情です。
そのままでは事業としての発展性がありません。ですから、「残渣」と捉えるのではなく、ニシンの未活用資源に含まれる成分を分析・調査し直し、「こんな有用な成分があるから、こんな活用方法があるのではないか」といった発見につなげたいと考えています。そこで、成分の調査・分析ノウハウを持つようなパートナー企業とともに、未活用部分の可能性を洗い出すところから始めたいというのが、今回のテーマです。
――「捨てるもの」ではなく「未知の資源」として捉え直すのですね。
ヤマモト食品・山本氏 : そうです。そのうえで、こうした未活用資源の有効活用を考えるうえでは、やはり「地産地消モデル」を組み立てる必要があると思っています。なぜなら、遠くへ運ぼうとすると輸送コストの方が高くなって採算が合わなくなるためです。
まずは自社周辺でコンパクトに回し、採算の取れるモデルを構築する。そして、そのモデルを全国の他エリアへも展開していくことができれば、全体として大きなマーケットを作ることもできますし、結果として各地方の活性化にも貢献できるのではないかと考えています。
ニシンの未活用部位が養殖飼料になるのか、健康食品になるのか、あるいは私たちでは思いつかないような全く別の製品になるのかは、現時点では分かりません。私たちが実現したいのは、これまで詳しく調査をしてこなかった未活用部分の特性に改めてメスを入れ、新しい活用の可能性をゼロから見出して事業化へとつなげていくことなのです。
――そうした取り組みを進めるにあたり、御社から提供可能なアセットやリソースについてもお聞かせいただけますか。
ヤマモト食品・山本氏 : まず、加工過程で出るニシンの頭、尻尾、骨、内臓などの未活用部分をご提供できます。加えて、自社の製造・加工設備や販路など、当社のバリューチェーンの中にあるもので活用できそうなものがあれば、基本的に柔軟に使っていただくことが可能です。販路としては通信販売をはじめ、自販機や無人販売所などを自社で保有しています。新たな商品が生まれれば、商品の種類にもよりますが、こうした販路を使って売り出していくこともできるでしょう。
――出口まで見据えた心強いリソースです。最後に、応募を検討している企業へ向けてメッセージをお願いします。
ヤマモト食品・山本氏 : 都会に少し疲れたら、ぜひ青森に来ていただきたいと思います。私自身、地元に戻って10年ほどになりますが、都会では見られない景色が、ここ青森にはあります。外部からふらりと体一つで足を運んだだけでは、地域の本当の姿は見えないことが多いです。そうした外からでは見えにくいところに触れるお手伝いはできると思います。
今回のテーマに限らず、「青森でこんなことをやってみたい」といったご相談やご依頼があれば、まずは気軽にご連絡ください。当社としては、プログラム期間中に限らず、長い目線、広い視野でパートナー企業の皆さんと関わっていきたいと考えています。
【日本ハルマ】 「青森の天然素材と独自技術から、まだない価値を共創する」
――まずは、青森県弘前市に本社を構える御社の事業概要と、独自の強みや特徴についてお聞かせいただけますか。
日本ハルマ・柳川氏 : 当社は創業43年目を迎える会社です。八甲田山に自生するチシマザサと、県産のりんごジュースの搾りかすの2つのみを原料に、独自の特許技術で製品を製造しています。特許技術の特徴は、薬品・薬剤を使わず高圧で搾り取るため、素材の成分をそのまま抽出できること。これにより、体に優しく安全性の高いものづくりができています。企業理念は「一物全体(捨てることなく丸ごと生かす)」で、1983年の創業からこの考え方を大切にして事業を続けてきました。
▲日本ハルマ株式会社 研究員・営業・広報・管理栄養士 柳川朝美氏
――県産りんごのほか、チシマザサ(笹)に着目された理由は?
日本ハルマ・柳川氏 : 実は当社の原点は笹にあります。研究者だった先代社長が、古来より日本人の生活に寄り添ってきた笹に着目し、全国各地の笹を研究してまわった結果、最も栄養素が豊富で抗菌・抗酸化作用が強いものとして行き着いたのが八甲田山のチシマザサだったそうです。その笹の加工で培った特許技術を活かし、青森県内で年間約2万トン廃棄されているりんごの搾りかすを活用できないかと挑んだのが、約20年前のりんご事業の始まりとなっています。
▲日本ハルマでは、八甲田山系に自生するチシマザサを国有林の許可を得て採取。チシマザサから抽出されたエキスには必須アミノ酸9種の内の8種類を含んでいる。
――笹の研究からスタートし、そこで培った技術を青森のりんごへと応用されたのですね。そうした歴史を持つ御社が、本プログラムへの参画を決めた背景について教えてください。
日本ハルマ・柳川氏 : 当社には独自の抽出技術がある一方で、素材の新たな用途開拓や市場開拓、商品企画、マーケティングのノウハウが十分ではないと感じています。
また、青森の未利用資源の活用を掲げているものの、地域に十分な還元をもたらす事業規模に育て上げられていないのが現状です。そこで本プログラムを通じ、パートナー企業と共に地域課題の解決に寄与できる事業へと成長させたいと考え、参画を決めました。
▲高圧圧搾機。硬いチシマザサの繊維やりんごの搾りかすなどを、水や薬品を使わずに非加熱で圧搾できる。
――本プログラムで実現したいこととして、3つの共創イメージを挙げていただきました。それぞれ簡単にご紹介いただけますか。
日本ハルマ・柳川氏 : 1つ目が「笹エキスを活用した新たなオーラルケアカテゴリーの共創」です。当社の笹エキスは、化学薬品を一切使わず笹そのものを圧搾・濃縮しており、高い安全性を誇ります。歯周病菌や虫歯菌への有効性を示す論文も発表される予定です。
すでに自社で歯磨き粉やマウスウォッシュを展開していますが、共創を通じて可能性をさらに広げたいと考えています。例えば、「飲み込んでしまっても安全」という特徴を活かし、吐き出しが難しい高齢者や乳幼児向けの商品開発、あるいはペット向けのオーラルケアなど、新たな市場を開拓していきたいです。
2つ目が「りんご残渣から地域循環型の価値を創る」です。当社ではりんご残渣から抽出した濃縮甘味料を開発しており、砂糖不使用でありながら糖度35度〜70度と非常に高く、青森県産という地域性も兼ね備えていることが特徴です。現在は、地元の飲食店やバーなどで使われ高い評価をいただいていますが、この素材にはまだ多くの可能性が眠っています。飲料や食品、化粧品など幅広い用途を視野に入れ、商品開発から市場検証までを共同で推進できるパートナーを求めています。
――飲食店やバーで選ばれている理由は、どのような点にあるのでしょうか。
日本ハルマ・柳川氏 : 甘味料の味わいの複雑さや奥深さに加え、りんごの搾りかすから生まれたストーリーも評価されています。例えばバルサミコ酢の代わりとして使われるなど、感度の高い飲食店や、創作意欲あふれるシェフ、バーテンダーの方々に選ばれています。
――食のプロの感性を刺激するような魅力があるわけですね。3つ目の共創イメージはどのようなものでしょうか。
日本ハルマ・柳川氏 : 3つ目の「眠る天然素材から、新たな価値を共創」に関しては、当社が40年以上かけて培ってきた天然素材の抽出・濃縮技術を活用した共創を考えています。笹やりんごにとどまらず、パートナー企業がお持ちの未利用資源や農産物、植物と当社の技術を掛け合わせ、新たな素材開発を模索していきたいです。
――どれも魅力的な取り組みですね。パートナー企業へ提供できる御社のリソースや強み、協業のメリットはどのようなものでしょうか。
日本ハルマ・柳川氏 : まずは、独自の抽出・濃縮特許技術があることです。また、長年研究畑で歩んできた会社ですので、確かなエビデンスや研究データを豊富に保有しています。弘前大学などの研究機関とも共同開発を行っており、研究者と直接相談しながら商品企画を進められる体制も整っています。さらに、大手化粧品メーカーへの原料供給実績や、地域企業との共同開発実績も豊富です。
――最後に、応募を考えているパートナー企業へメッセージをいただけますか。
日本ハルマ・柳川氏 : 当社は43年間、「一物全体」の考え方を大切にして研究を続けてきた会社です。抽出技術や安全性には自信を持っています。パートナー企業の皆さんと、これまでにない新しい取り組みに挑戦していきたいと思っているので、ご応募を心よりお待ちしています。
取材後記
3期目を迎えた青森県主催のオープンイノベーションプログラム『Blue Ocean』。今回の取材では、地域課題を武器に新市場を開拓しようとする青森県の熱量と、未利用資源をビジネスへと昇華させようとするヤマモト食品、日本ハルマ両社の力強い意志を感じ取ることができた。両社が持つ独自の強みと外部のアイデアが融合し、新たな価値が生まれる未来に大いに期待したい。続く後編記事では、同じく未知の領域へと挑戦するホスト企業2社(appcycle・八戸酒造)の共創テーマをお届けする。
(編集:眞田幸剛、文:林綾)