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Oishii Farm、シリーズCファーストクローズで240億円調達 技術×オープンイノベーションで「100兆円産業」創出へ挑む

Oishii Farm、シリーズCファーストクローズで240億円調達 技術×オープンイノベーションで「100兆円産業」創出へ挑む

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植物工場事業を展開するOishii Farm株式会社は、シリーズCファーストクローズにおいて総額約240億円の資金調達を実施したと発表した。これにより累計調達額は525億円に到達。調達した資金をもとに、日本と米国を軸とした植物工場事業の拡大、研究開発体制の強化、そして日本発の「植物工場パッケージ」の世界展開を加速させる。

今回のラウンドでは、既存投資家である スパークス・アセット・マネジメント がリード投資家を務めたほか、野村不動産、ミスミグループ本社、日本政策投資銀行 などが新たに参画。また、みずほ銀行をはじめとする国内金融機関からの融資も実施された。

同社は今回の調達を単なる資金確保ではなく、「日本の産業技術を結集したオープンイノベーション体制の構築」と位置づける。種苗、IoT、水処理、ロボティクスといった日本の強みを持つ技術領域に加え、不動産、建設、機械部品など異業種企業との連携を拡大する。農業と工業を融合した新たな産業基盤の形成を目指す。

“高級いちご”から始まった植物工場の進化

Oishii Farmは2017年、CEOの古賀大貴氏によって米国ニュージャージー州で創業された。葉物野菜中心だった植物工場の常識を覆し、難易度が高いとされてきた「いちご」の安定量産に成功したことで注目を集めてきた。

同社のいちごは2018年当初、1パック50ドルという高価格帯で販売されていた。しかし、その後の生産効率改善と技術革新によって価格を大幅に低減。2023年には10ドル、さらに2024年に稼働した世界最大級のいちご植物工場「メガファーム」によって、7.99ドルのプレミアムマス商品として展開可能な水準まで到達した。

現在は米国東海岸を中心に18州へ販路を拡大しており、2026年2月にはカナダ・トロントでも販売を開始。高品質な日本型農業技術をベースに、北米市場でブランドを確立しつつある。

東京・羽村に世界最大級の研究拠点

同社が次の成長フェーズとして位置づけるのが、日本に新設する「オープンイノベーションセンター」だ。

東京都羽村市に開設予定の同施設は、延床面積15,000㎡超を誇る世界最大級の植物工場専用研究開発拠点となる見込み。2026年夏の正式開所を予定しており、既に一部研究開発といちご生産が始まっている。

この施設では数万株規模の実証栽培と、数百パターンに及ぶ異なる栽培条件の同時検証が可能。閉鎖型環境を活用することで、通常の農業サイクルを大幅に上回るスピードで研究を進める「超加速研究」を実現する。

さらに同社は、世界初となる“植物工場専用品種”の開発にも着手。施設園芸と工業技術を融合し、植物工場そのものを輸出可能な「産業パッケージ」として標準化していく考えだ。

国内企業との産業横断連携を加速

Oishii Farmが特徴的なのは、植物工場を単独技術ではなく「産業横断型プラットフォーム」として捉えている点だ。

たとえば、NTT とはIoT・設備領域で協業し、安川電機とはロボティクスによる農業自動化を推進。ミスミグループ本社はFA部品供給や共同開発を担う。

また、大規模施設開発に向けては 野村不動産 と不動産開発、朝日工業社 と建設プロセス標準化を検討。さらに 三菱食品 とは小売・流通領域での連携可能性を模索している。

こうした取り組みの背景には、「気候変動」や「農業人材不足」といったグローバル課題への危機感がある。地域や天候に依存しない閉鎖型農業モデルを確立することで、持続可能な食料供給インフラを構築する狙いだ。

「100兆円産業」へ、日本発アグリテックの本格勝負

Oishii Farmは今回、日本の技術力を結集した植物工場モデルをグローバル展開することで、「100兆円規模の新産業創出」を掲げた。

植物工場はこれまで、コストや採算性の壁から限定的な市場に留まっていた。一方で、AI、IoT、ロボティクス、エネルギー制御技術の進化により、近年は“次世代インフラ産業”として再び注目を集めている。

同社は、日本企業とのオープンイノベーションを通じて、農業を「工業化された輸出産業」へ転換しようとしている。単なる農業スタートアップの枠を超え、日本発のアグリテック産業を世界標準へ押し上げられるか。その挑戦に国内外の期待が集まっている。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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