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料理体験で血糖値は変わるのか 食のおくすり×藤田医科大学、HbA1c改善を示唆するパイロット研究を実施

料理体験で血糖値は変わるのか 食のおくすり×藤田医科大学、HbA1c改善を示唆するパイロット研究を実施

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株式会社食のおくすりは、藤田医科大学と共同で、料理体験を取り入れた栄養指導が2型糖尿病患者に与える影響を検証するパイロット研究を実施した。研究では、体験型プログラムの導入により血糖指標であるHbA1cの有意な改善が確認され、従来の座学中心の指導を補完する新たなアプローチとして注目される成果となった。本研究の結果は、国際学術誌『Nutrients』(2026年)に掲載されている。

“理解しているが続かない”課題に対する新アプローチ

糖尿病治療において食事療法は重要な柱である一方、現場では「知識はあるが実践できない」という課題が長年指摘されてきた。従来の栄養指導は講義形式が中心であり、日常生活への落とし込みが難しいという限界があった。

こうした課題を背景に近年注目されているのが「Teaching Kitchen(ティーチングキッチン)」という概念だ。これは栄養学の知識提供に加え、実際の調理や試食を通じて食行動の変容を促すプログラムであり、米国では医療機関や大学を中心に導入が進んでいる。

料理教室と個別指導を組み合わせた実証研究

今回の研究では、2型糖尿病患者19名を対象に、約2か月間にわたり以下のプログラムを実施した。

  • 管理栄養士による個別栄養指導

  • 副菜中心の料理教室(調理実習)

介入前後で食事内容、血液データ、体組成などを比較し、行動変容と健康指標への影響を評価した。

HbA1c改善と食習慣の変化を確認

主な成果として、HbA1cの有意な低下が確認され、血糖コントロールの改善が示された。料理体験を伴う栄養指導が、実際の治療指標に影響を与える可能性を示した点は大きい。

また、食行動にも変化が見られた。炭水化物摂取量の減少やたんぱく質比率の増加傾向が確認され、「知識」ではなく「体験」を通じた学習が日常の意思決定に影響を及ぼしたと考えられる。一方で、体脂肪率の増加や筋肉量の減少傾向も確認された。対象者の平均年齢が約70歳と高齢であったことから、加齢による代謝変化や身体活動量の影響が結果に影響した可能性がある。

また、本プログラムは主に食事改善に焦点を当てており、運動や筋力維持への介入が十分ではなかった点も要因として挙げられる。これにより、血糖改善と引き換えに体組成の変化が生じた可能性も否定できない。

本研究は小規模なパイロットスタディであり、薬物療法の影響や個人差も含め、結果の解釈には慎重さが求められる。

“血糖改善だけではない”包括的介入の必要性

今回の結果は、糖尿病栄養指導において「血糖値の改善」にとどまらず、「筋肉量の維持」や「身体機能の保全」まで含めた包括的な介入設計の重要性を示唆している。今後は、運動プログラムとの併用や、より大規模な臨床研究を通じたエビデンスの蓄積が求められる。

医療・企業・教育へ広がる可能性

食のおくすりは今後、本研究の成果をもとに医療機関との連携によるプログラム開発を進めるほか、企業の健康経営施策やウェルビーイング領域、さらには食育・教育分野への展開も視野に入れる。

日常的な「食」という行為を起点に、医療の枠を超えた行動変容を促す取り組みとして、体験型栄養指導の可能性は今後さらに広がりそうだ。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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