コーヒーを“食べる”という新体験を提案するモカブルが総額1.5億円を調達 サントリー発の社内ベンチャーがカーブアウトし、グローバル展開を加速
「大切に育てられたコーヒー豆の個性を余すことなく楽しんでほしい」——そんな想いから生まれた“コーヒーを食べる”という新体験を提案する株式会社モカブルは、シードラウンドで総額1.5億円の資金調達を実施した。サントリーホールディングス株式会社の社内ベンチャー制度「FRONTIER DOJO(フロンティア道場)」を経て2025年にカーブアウトした同社は、食品領域における新しいカテゴリー創出を目指すスタートアップだ。
出資には、Genesia Venture Fund 4号投資事業有限責任組合、サントリーホールディングス、みずほ成長支援第5号投資事業有限責任組合、Kconイノベーション1号投資事業有限責任組合が参画。本資金は、主力製品「モカブル」の開発・販促体制の強化や、2025年7月に設立した北米法人の拡充、さらにコーヒー産地への投資を通じた持続可能なサプライチェーン構築に活用される。
“Japan to Global”の食文化を創る挑戦
リード投資を行ったジェネシア・ベンチャーズの鈴木隆宏氏は、「成熟市場に思えるチョコレート業界に“コーヒーを食べる”という新たな体験をもたらし、食品ロス削減や農園改革にも挑むユニークな企業」と高く評価。みずほキャピタルの小土井善章氏も「コーヒー豆を丸ごと食べるという発想はサステナブルで、糸山代表の経験と情熱がグローバル市場を切り拓く」とコメントする。
サントリーホールディングス 未来事業開発部の後藤謙治氏は、「糸山氏の強い想いが社内外の共感を呼び、カーブアウトという形で事業化が実現した。今後のグローバル展開にも期待している」と語る。
モカブルの製品は、微粉砕したコーヒー豆と植物油脂を組み合わせたチョコレート状のスイーツ。口に含むとコーヒー特有の華やかな香りとリッチな味わいが広がり、豆の約70%が捨てられてしまう“飲むコーヒー”とは異なり、豆を余すことなく楽しむことができる。
糸山氏は「今回の調達を新たな水の潤いとして、世界中に“食べるコーヒー”という体験を広げたい」と語る。サントリーで培った研究開発・ブランド構築の知見を基に、北米を皮切りに「Japan to Global」の新しい食文化を発信していく考えだ。
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(TOMORUBA編集部)