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WAKU、プレシリーズAで1.8億円を調達 グルタチオン活用の次世代農業資材で国内外展開を加速

WAKU、プレシリーズAで1.8億円を調達 グルタチオン活用の次世代農業資材で国内外展開を加速

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アグリバイオベンチャーの株式会社WAKUは、プレシリーズAラウンドにおいて総額1.8億円の資金調達を実施した。引受先はANOBAKA、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)、朝日メディアラボベンチャーズ、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、AgVenture Lab、個人投資家らだ。今回の資金調達により、研究開発強化と営業組織拡充、さらにEUを中心とした海外展開の準備を進める。

グルタチオンで農業を変革する

WAKUは、植物体内に存在する「グルタチオン」に着目し、作物の耐暑性向上や収量改善を実現する次世代型農業資材を開発している。国内では埼玉県深谷市の大規模ネギ農家をはじめ、すでに70件以上の農業法人や生産者が導入・試験を進めており、暑さに弱い作物の品質向上や苗の活着改善など、実用的な効果が期待されている。

今回の調達資金は、グルタチオンを活用した新規プロダクトの研究開発、国内営業体制の拡充、そして欧州を中心とした市場進出準備に投じられる予定だ。

世界で広がるバイオスティミュラント市場

農業は現在、猛暑による高温障害や肥料価格の高騰、労働力不足といった課題に直面している。こうした状況下で注目されているのが、作物の生理機能を活性化し、ストレス耐性を高める「バイオスティミュラント(BS)」である。欧州ではすでに制度整備が進み、世界市場は2028年までに年平均11.8%で拡大すると予測されている。

WAKUはグルタチオンという日本発の技術を武器に、世界市場での競争力確立を狙う。さらに将来的には、林業や藻類培養、化粧品分野への応用も視野に入れており、持続可能な産業創出を目指している。

投資家の声

今回の調達に際し、出資各社からも期待のコメントが相次いだ。ANOBAKA代表の長野泰和氏は「シード期から伴走してきたWAKUが、いよいよ社会実装フェーズに入った。日本を代表するアグリテック企業になる日は近い」と強調。KIIの友野直人氏は「気候変動による農業課題を解決する革新的技術」と評価し、研究と事業成長の両面で支援を行う姿勢を示した。朝日メディアラボベンチャーズの白石健太郎氏は「現場の声を反映し、スピード感を持って製品化してきた姿勢に共感している」と述べた。

また、ちゅうぎんキャピタルパートナーズの石元玲氏は「投資家ではなく仲間として共に次のステージを目指す」と語り、伴走する意志を示した。さらにAgVenture Labの荻野浩輝氏(農林中央金庫 特別参与)は「農業・林業の現場展開に加え、畜産・環境分野への応用にも期待している」とコメントした。

今後の展望 

2022年創業のWAKUは、「グルタチオンで人類の食を守る」をミッションに掲げる。光合成活性化やストレス耐性の向上といった植物機能に注目し、持続可能な農業の実現に取り組んできた。今回の資金調達を契機に、国内での普及を加速させると同時に、欧州を中心とする海外市場にも挑む。気候変動時代の農業を支える技術として、WAKUの存在感は今後ますます高まることが期待される。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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  • 村松豊文

    村松豊文

    • フリーランス
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