
建築資材調達プラットフォームを展開するMOZU、シリーズAエクステンションで3億円調達 累計6.5億円に
建築資材調達プラットフォーム「MOZUオーダー」を展開するMOZU株式会社は、シリーズAエクステンションラウンドにおいて、三菱地所のCVCであるBRICKS FUND TOKYOなどを引受先とした資金調達を実施した。さらに日本政策金融公庫からのデットファイナンスもあわせ、今回のラウンドで調達した総額は3.0億円。累計調達額は6.5億円に達した。
建築資材の“デジタル問屋”へ 急成長する「MOZUオーダー」
「MOZUオーダー」は、エアコン、給湯器、ユニットバス、キッチンなど住宅設備を対象に、工務店やリフォーム業者限定で安価かつスピーディに資材を調達できる会員制プラットフォームだ。煩雑な受発注、配送、請求業務のデジタル化により、業界の“アナログ慣習”を一掃しつつある。
2024年4月のリリースからわずか1年で、すでに7,000社以上の企業が登録(2025年4月時点)。「LINEで専門スタッフに簡単に相談できる」「現場の実務に即した対応がありがたい」といった声も多く、高いリピート率を誇る。
今後はAI連携機能やメーカー比較も視野に
今回の資金調達を通じて、MOZU社は「案件管理機能」や「AIによる自動見積・プラン作成」といった新機能の開発を本格化させる。さらに、複数メーカーの設備プランを比較検討できる機能の実装も予定しており、ユーザーの意思決定支援を強化する。
代表の野口氏と竹内氏は、前職イタンジ社にて不動産業界のデジタル化を牽引してきた実績を持つ。業界の構造的課題を熟知しながら、現場主導のプロダクト開発にこだわる姿勢は、スタートアップ界でも注目されている。
建築業界の変革に挑むスタートアップをCVCが支援
投資を主導したBRICKS FUND TOKYOの武居隼人氏(三菱地所株式会社)、秦野豊氏(株式会社プライムパートナーズ)は、次のようにコメントしている。
「建築資材の調達領域は、SKU数の多さや商流の複雑さからデジタル化が遅れてきた分野。MOZUオーダーは、発注側・受注側双方にメリットを提供するユニークなプラットフォームです。今後はAI・OCRの技術も取り入れ、業務のさらなる効率化が期待されます」
同ファンドでは、三菱地所グループのアセットを活用し、中小工事会社のDX支援を通じて建築・不動産業界全体の持続的発展に貢献するとしている。
なお、今回の資金調達には、BRICKS FUND TOKYOのほか、Spiral Capitalや株式会社シーラテクノロジーズも参加している。MOZU社の市場理解、現場密着のプロダクト開発力に対して、各社が強い成長ポテンシャルを見出していることがうかがえる。
建築業界全体のDXを牽引する存在へ
資材価格の高騰や人手不足といった構造的課題が山積する建築業界において、MOZUオーダーは単なる仕入れサービスではない。業界構造そのものをアップデートする可能性を秘めた“デジタル問屋”として、今後の動向に注目が集まる。
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(TOMORUBA編集部)