
「東レアローズ静岡」と「藤枝MYFC」が参戦――静岡県主催のオープンイノベーションプログラム『FIELD² 2025』で地域に新たな価値を創出する
静岡県が掲げる「スポーツ産業の成長産業化」のビジョンのもと、県内のプロスポーツチームと企業の共創を促すプログラム『FIELD² - SHIZUOKA SPORTS OPEN-INNOVATION - 2025』(以下、『FIELD² 2025』)が、2年目の開催を迎える。同プログラムは、企業の技術やアイデアと県内スポーツチームの強みを掛け合わせ、地域に新たな価値を生み出すという取り組みだ。
昨年度は、静岡ブルーレヴズ(ラグビー)とベルテックス静岡(バスケットボール)が参画。2025年3月に開催された成果報告会では、静岡ブルーレヴズはナビタイムジャパンと、ベルテックス静岡はトワールとの共創事業を発表した(※)。
今年度、ホストチームとして参画するのは、東レアローズ静岡(バレーボール)と藤枝MYFC(サッカー)の2チーム。東レアローズ静岡はバレーボールを社員研修や地域活動に活かし、藤枝MYFCは環境課題への挑戦を通じて地域貢献を目指す。
そこで今回TOMORUBAでは、『FIELD² 2025』の主催者である静岡県庁の担当者と、両ホストチームの担当者にインタビューを実施。プログラムの狙いや取り組みの方向性、共創におけるポイントなどを聞いた。
※参考記事:静岡発!スポーツ×他産業の共創プログラム『FIELD』――静岡ブルーレヴズ&ベルテックス静岡が参画。パートナー企業と共に挑むスポーツビジネスの新たな可能性とは?
【静岡県】 18のプロスポーツチームを擁する静岡県を舞台に、新たな価値創造に挑むプログラム
――昨年度の『FIELD』では、「静岡ブルーレヴズ」と「ベルテックス静岡」がホストチームとして参画し、2つの共創プロジェクトが始まりました。これらの成果について、どのような感想をお持ちですか。
山口氏 : 昨年度は、ホストチームとパートナー企業の皆さまが見事に連携し、オープンイノベーションの素晴らしい事例が生まれたと感じています。
静岡ブルーレヴズとナビタイムジャパンは、スタジアム周辺道路・スタジアム駐車場の混雑緩和およびCO2排出量削減を目指す共創事業に取り組み、ベルテックス静岡とトワールはマスコットキャラクター「ベルティ」を活用した教育コンテンツ事業を企画・推進しています。昨年度に生まれたこれらの事業は継続・拡大しており、成果が着実に広がっていると思います。

▲静岡県 スポーツ・文化観光部 スポーツ政策課 企画班主任 山口晃汰氏
――静岡県ではスポーツ政策に注力されていますが、どのような方向性で進めているのでしょうか。また、スポーツ産業の振興によって特に解決したい分野はありますか。
山口氏 : 静岡県では2025年7月に『しずおかスポーツ産業ビジョン』を策定しました。スポーツ産業を成長産業化するために、10年後の未来を描き、その実現に向けて取り組みを進めていく構想です。
静岡県の目指すべき姿として「スポーツ・コネクティッド・フィールド」(スポーツによって人、企業、地域等が繋がり、新しい価値が常に創造される県)を掲げています。この意味では、スポーツ産業が中心になり、県内のあらゆる分野で課題を解決できる可能性があると考えています。
――2年目となる『FIELD』ですが、今年度は特にどのような期待をお持ちですか。
藪崎氏 : このプログラムは、『しずおかスポーツ産業ビジョン』に基づき、今後10年間で県内のスポーツ産業の「稼ぐ力」を押し上げる取り組みの一つとして位置づけています。「見るスポーツ」を中心に、チームだけでなく共創する企業も含めて、収益性やネームバリュー、技術力をさらに高めていただくことを期待しています。

▲静岡県 スポーツ・文化観光部 スポーツ政策課 企画班 班長 藪崎裕一氏(写真・手前中央)
山口氏 : プロスポーツチームの皆さまには、自分たちの強みや価値を理解したうえで、他産業や地域と関わり、まちづくりの主役になってほしいと考えています。また、オープンイノベーションの手法を身につけていただき、チームが社会や地域の課題解決に貢献できることを実感してほしいですね。
――スポーツチームとの共創という観点から、企業は静岡県というフィールドをどのように活用できそうですか。
山口氏 : 静岡県では、スポーツ産業ビジョンの策定にあわせて『Shizuoka スポーツ・オープン・イノベーション・プラットフォーム』(静岡SOIP)を立ち上げました。これはオープンイノベーションのスポーツ版に特化した仕組みで、スポーツと他産業の共創が自発的に生まれる環境を作ることを目的としています。企業には、このプラットフォームを通じて、県内のチームと連携しながらスポーツビジネスに取り組んでもらいたいと考えています。
藪崎氏 : 静岡県は横に長く、県内には9競技18チームがあり、共創パートナーとなり得るスポーツチームの種類と数が豊富なことが大きな強みだと思います。チームの中には、長い歴史を持つ老舗チームもあれば、立ち上げたばかりの新興チームもあります。しかし、どのチームとの共創でも、新しい価値を生み出せる可能性は大いにあると思います。
――今年度のホストチーム(東レアローズ静岡、藤枝MYFC)に期待することはありますか。
藪崎氏 : 東レアローズ静岡は三島にある歴史あるチームですが、何でも取り組んでいくという姿勢を示されています。一方、藤枝MYFCは新しいチームです。しかし、私自身が藤枝市の出身で、子どもの頃から校庭でサッカーをするなど身近にある競技でしたから、市民の思い入れも深いと思います。両チームとも地元に根づいた魅力的なチームなので、このプログラムを通じて稼ぐ力をつけ、さらに成長してほしいですね。
山口氏 : 今年度のプログラムの準備を進める中で、各チームが長期的なビジョンや強み・価値を内部で共有する場面が増えていると感じます。これをきっかけに、経営者、運営スタッフ、選手などチームに関わるすべての方々が同じ意識を持ち、今以上にチームが発展していくきっかけになればと思います。
――最後に、『FIELD² 2025』へのエントリーを検討されている企業の皆さんへ、メッセージをお願いいたします。
山口氏 : 静岡県はスポーツの成長産業化やスポーツと他産業の融合に力を入れています。それぞれの活動が点ではなく、線となって継続的に行われていくような環境があると思いますので、ぜひ積極的に参画いただければと思います。
藪崎氏 : 企業の皆さまには、スポーツチームが挑戦しようとしていることを柔軟に見ていただき、「自分たちならこう関われるのではないか」と考えていただければと思います。まずはお話を聞くだけでも構いません。そこに新規事業のチャンスが眠っているかもしれませんので、ぜひ関心を持っていただき、参加してもらいたいです。
【東レアローズ静岡】 『誰もが「挑戦すること」を体現できる社会・地域を実現し、「活気」と「幸福感(Well-being)」の向上を目指す』

▲東レアローズ株式会社 静岡室 営業グループ 兼 普及・行政グループ サポートスタッフ 米山裕太氏(写真・左)、東レアローズ株式会社 静岡室 事業グループ 兼 普及・行政グループ 渡辺慎太郎氏(写真・右)
――まずは、東レアローズ静岡の特徴からお伺いしたいです。
米山氏 : 2025-26シーズンのチームスローガンは「つなげ。」で、バレーボールを通じて地域と繋がっていきたいという想いに由来しています。男子バレーボールリーグ「SVリーグ」所属のトップチームで、三島市をホームタウンとして活動中です。
渡辺氏 : 1947年に創部され、SVリーグの中で長い歴史を持つチームの1つという側面もあります。昨年2024年7月には、親会社である東レ株式会社から分社化され、東レアローズ株式会社が運営を引き継ぎました。
もともとは東レの部活動として始まりましたが、分社化後はバレーボールクラブの運営ということで事業化に向けて走り出しています。一方で、バレーボールの普及活動にも力を入れており、オフシーズンの6月から8月には、パートナーシップ協定を結ぶ自治体を訪問し、学校でバレーボール教室を開催するなど、地域に根ざした取り組みを進めているところです。
――今回の『FIELD² 2025』に参画された背景についてお聞かせください。
渡辺氏 : 分社化により、自らの力で収益を生み出す必要が生じました。しかし、これまで部活動として運営していたこともあり、スタッフの人数は多くありません。引退した選手が運営スタッフになることが多いため、自社だけで新しい事業を始めるのは容易ではないと感じていました。そんな中、静岡県の職員の方から紹介をいただき、外部企業と一緒なら新しい事業に挑戦できそうだと考え、このプログラムへの参画を決めました。
米山氏 : 私たちはバレーボールには精通していますが、ビジネスの知見が十分にあると言えません。そんな状況で今回お声がけいただき、バレーボールを通じて何かできることがあるのではないかと思いました。今回は、社会貢献も含めた新しい事業の立ち上げに挑戦していきたいと思っています。
――募集テーマには『誰もが「挑戦すること」を体現できる社会・地域を実現し、「活気」と「幸福感(Well-being)」の向上を目指す』を掲げられました。外部パートナーと、どのようなゴールを目指していきたいとお考えですか。
米山氏 : バレーボールを通じて、地域の人たちが元気になったり、活力を感じられる取り組みにしたいです。具体的にイメージしていることは2つあります。一つは、私たちがバレーボールを通じて学んできたことを、社会や仕事の場で活かせる教育・研修コンテンツ作りです。
もう一つは、リモートでバレーボールの体験授業を提供できるような仕組みの構築です。現在は拠点のある三島市周辺でバレーボール教室を開催していますが、静岡県中部や西部など移動距離のある地域では、十分に開催できていません。そのような課題を解決したいと考えています。
――1つ目について詳しくお伺いしたいのですが、バレーボール競技のどういった要素が教育コンテンツに活かせそうですか。
米山氏 : バレーボールは、最初から上手くできるわけではありません。プレーを分解して、簡単な部分から練習を始め、少しずつ次のステップへ進んでいきます。習得の過程で出てきた課題を解決・修正しながら進む中で、精神面のコントロール方法やチームメイトとの関係性の整理の仕方も学んでいきます。こうした学びは、社会やビジネスの場にも応用できると考えています。
渡辺氏 : また、バレーボールは1人では点を決められない競技です。仲間や周囲と協力することの大切さも伝えられると思います。このテーマについては、私たちの持つバレーボールの知識を、教育コンテンツとして形にしてくれるパートナー企業と一緒に取り組んでいきたいです。

――2つ目の遠隔でのバレーボール教室についてはいかがでしょうか。
米山氏 : これまで体育館で行ってきたバレーボール教室を、何らかの技術やツールを使って遠隔でも実施できるようにしたいと考えています。実現にあたっての課題は、遠隔では迫力が伝わりにくいこと。この迫力感をどう届けるかを工夫しながら、遠隔でもバレーボールの魅力を伝えられる方法を模索していきたいと思います。パートナー企業には、映像などを活用して遠隔でも臨場感を伝えられる技術を持っているところを想定しています。
――3つ目として、市民の心身の健康をサポートするシステムの開発も挙げていただきました。
米山氏 : バレーボールを実際にプレーすることで、どのような数値の変化が起きるのかを可視化し、健康に良いことを伝えられる取り組みにしたいと考えています。そのため、デジタルデバイスなどを使って健康状態を見える化できる技術を持つ企業と一緒に進められればと思います。
――共創を実現するにあたり、御社から提供可能なリソースやアセットにはどのようなものがありますか。
渡辺氏 : 東レアローズ静岡の選手は17人で、スタッフも含めると日本代表経験者が10人在籍しています。オフシーズンには、年間約5,000人を対象にバレーボール教室を開催していますし、県内13市町村とパートナーシップ協定も結んでいます。
自チームの体育館も持っているため活用できますし、年間22試合あるホームゲームの平均来場者数は約2,000名。公式SNSのフォロワー数は、Instagram、X、LINEを合わせて約8万5,000人。スポンサー・パートナー企業も28社で、こうしたリソースを共創に活用することができます。

――最後に、『FIELD² 2025』へのエントリーを検討されている企業に向けてメッセージをお願いします。
米山氏 : 私たちはプロクラブ化してまだ2年目です。新しいことに積極的にチャレンジして、「東レアローズ静岡」の価値を高め、地域の皆さんに応援される存在になりたいと思っています。興味をお持ちいただけましたら、ぜひご応募ください。
渡辺氏 : 米山が言った通り、まだプロ化して歴史の浅いチームなので、柔軟にさまざまなことにチャレンジできる環境があります。新しい知見や技術を提供していただき、一緒に新しいものを楽しく作っていければと思っています。この想いに共感していただける企業の皆さんに、ぜひ参加していただきたいです。
【藤枝MYFC】 『環境問題を捉えた新たな挑戦により、地域とともに歩み続けるサステナブルなクラブの実現』
――藤枝MYFCは2009年に創設され、日本プロサッカーのJ2リーグで活躍されています。最初にチームの特徴や注力されている活動から教えてください。
鈴木氏 : まず、『藤枝MYFC』という名前ですが、MYFCは「My Football Club」の略で、発足当初はファン・サポーターが投票でスタメンなどを決める「ネットオーナーシステム」を採用していたことに由来します。
ホームタウンは静岡県の志太榛原エリアにある4市2町で、年間で約400回以上、子ども向けサッカー教室の開催や地域イベントへの参加などのホームタウン活動を行っています。静岡県はサッカーが盛んで、西には『ジュビロ磐田』、東には『清水エスパルス』があり、歴史あるクラブに挟まれているため、30代以上というよりも次世代の人たちに向けた活動に注力している状況です。

▲株式会社藤枝MYFC 取締役副社長 三好洋央氏(左)・事業部 ホームタウングループ チーフ 鈴木裕利氏(右)
――スポンサー企業との連携についてはいかがですか。
鈴木氏 : スポンサー・パートナー企業は年々増加しており、現在は約250社に達しています。企業向けの取り組みも、スタジアムでの看板掲出やユニフォームへのロゴ掲載といった従来の方法に加え、企業の「地域の人たちに何かしてほしい」という要望に応えられる活動を模索しているところです。
――今回の『FIELD² 2025』に参画された理由についてもお伺いできますか。
鈴木氏 : 当クラブには多くの課題があります。その中で特に強化が必要だと考えているのが、環境問題です。Jリーグは昨年から環境に対する取り組みを強化する方針を打ち出していますが、私たちのクラブは事業規模もまだ小さく、人手も十分ではありません。
「環境問題に対応できているか」と聞かれると、正直まだ十分に対応できていないのが現状ですし、どのような活動をすべきかも曖昧な状態です。そんな中、『FIELD² 2025』のお話をいただき、環境問題に取り組むよい機会になると考え、参加を決めました。
――プロサッカークラブが環境問題に本腰を入れる理由は?
鈴木氏 : 地球温暖化で年々気温が上昇し、この夏も熱中症で搬送されるニュースが当たり前のように流れています。屋外スポーツの観点では、「夏場はサッカーの試合ができない」「部活動もこの時間は制限される」といった状況が増えてきました。練習量が減れば、競技レベルの低下につながってしまいます。私たちが取り組むサッカー自体が、環境問題によって脅かされつつあると考えています。
サッカーを支える土台には「元気な社会」があり、さらにその社会を支えるには「安心安全に暮らせる地球環境」があるはずです。「元気な社会」はホームタウン活動を通じてある程度は取り組めていますが、それを支える地球環境には着手できていません。今後クラブが長く継続していくためには、規模に関係なく環境問題に向き合うことが欠かせない。そうした考えから、このテーマに本腰を入れています。
――今回のプログラムでは、『環境問題を捉えた新たな挑戦により、地域とともに歩み続けるサステナブルなクラブの実現』を募集テーマに掲げられました。ここについても教えていただけますか。
鈴木氏 : 大きく2つの軸で考えています。1つが「ホームゲーム」でできる環境問題対策、もう1つが「日常生活」でできる環境問題対策です。
1つ目の「ホームゲーム」に関しては、例えば、スタジアムで使用する食器を環境配慮型のものや再利用できるものに変えるといった内容を検討しています。ただ、ホームゲームは年間約20試合程度ですから、大きなインパクトは出せません。ですから、同じ取り組みを地域のイベントなどにも展開して、トータルでゴミの削減につなげていけるといいのではないかと思っています。
2つ目の「日常生活」での取り組みについては、ホームタウン活動で対象としている小学生や中学生の子どもたちと、何か一緒にできる活動を考えたいです。学校の教育現場に直接入るのは難しいので、放課後の児童クラブなど子どもが集まる場所にアプローチして、子ども向けに環境学習の機会を提供できればと思っています。例えば、先ほどのホームゲームでのゴミ削減のアイデアと紐づけて、子どもたちがデザインした食器を、スタジアムのグルメで使ってもらうといったイメージを持っています。
――どのようなパートナー像をイメージされていますか。
鈴木氏 : リサイクル可能な食器を扱うなど、環境対策に関するノウハウを持つ企業に参加いただけるとありがたいです。また、子ども向けの教育プログラムを持つ企業や、ごみ削減に関する知見を持つ企業とも連携できればと考えています。特に子どもたちが対象となるため、楽しみながら学び、実際に体験できるような企画を一緒に作り上げていけるパートナーを期待しています。
――藤枝MYFCが、パートナー企業に提供できる独自の強みや資産には、どのようなものが挙げられますか。
鈴木氏 : まず、活動エリアである志太榛原エリアの4市2町と包括連携協定を結んでおり、環境に関する取り組みなどへの協力が得やすいです。また、年間400回以上のホームタウン活動を通じて多種多様な人々と関わる機会があります。ホームゲームは年間20試合程度で、平均来場者数は約4,500人ですから、何らかの取り組みをする場合、一定の周知を行うことができると思います。
さらに、情報発信力も強みです。Jリーグの公式アプリで藤枝MYFCを登録しているユーザーが約3万7,000人、Instagram約1万4,000人、X(旧Twitter)が約2万5,000人、公式LINEが約5,000人です。ファンクラブ会員は約1,700人、その内シーズンシート会員は約700人ですから、これらを通じて周知を図れます。最大の強みは選手の協力を仰げること。選手が呼びかけると、ファン・サポーターの食いつき方も違いますし、広がり方も異なると思うので、選手も巻き込んでいきたいと思います。
――最後に、『FIELD² 2025』へのエントリーを検討されている企業様へ、ぜひ一言メッセージをお願いします。
鈴木氏 : 私たちは設立から16年と、まだ歴史の浅いクラブです。J1昇格を目指してクラブの強化に力を注いでいますが、フロントスタッフとしては別の次元での目標も掲げています。それは、地域の方々にクラブを知っていただき、好きになっていただき、応援したいと思っていただけるような土台を築くことです。そのためのホームタウン活動は、継続してこそ意味があると考えています。
環境問題も同様に、1年で解決するものでは決してなく、これからずっと続けていかねばならない活動になると思います。そのため、単発ではなく長期的な視点で一緒に取り組んでいただけるパートナーさんと出会いたいと思っています。最初の数年は成果が出にくいかもしれませんが、継続することで何か芽が生まれると信じています。対等な立場で議論をしたいと思うので、ぜひ活発に意見を交わしながら、楽しく取り組みましょう。
取材後記
静岡県が掲げる「スポーツ産業の成長産業化」というビジョンを形にする、オープンイノベーションプログラムの第2期が始動する。東レアローズ静岡は教育・健康分野で、藤枝MYFCは環境分野で、それぞれパートナー企業を求めている。この取り組みは、スポーツとビジネスの枠を超え、地域全体に大きな波及効果を生む可能性がある。地域への貢献と新しいビジネスチャンスを模索する企業にとって、見逃せないプログラムだ。
※『FIELD² 2025』の詳細はこちらをご覧ください。
(編集:眞田幸剛、文:林和歌子)