
契約DXを提供するHubble、シリーズBで累計15億円を調達——生成AI活用と事業基盤の拡充へ
契約業務・管理クラウドサービス「Hubble(ハブル)」を提供する株式会社Hubbleは、シリーズBラウンドにおいて累計約15億円の資金調達を完了した。2024年12月に実施したファーストクローズ(7億円)に続き、2025年7月のセカンドクローズでは新たに8億円を調達。法務と事業部門の連携を促進するプロダクトの進化と、導入企業の拡大に向けて体制を一層強化する。
同社が提供する「Hubble」は、契約書の作成・審査・締結から管理までを一元化。法務の専門性と事業部のスピード感を両立させるUI/UXが支持され、500社以上の企業に導入されている。継続率は99%超を維持し、安定した運用実績を誇る。
資金調達の概要と使途
今回の資金調達では、SMBC日興証券、弁護士ドットコム、パーソルベンチャーパートナーズ、阿波銀キャピタルがエクイティ出資を行い、SDFキャピタルからの融資やSiiibo証券を通じた社債発行、商工中金からのスタートアップ融資など、デットファイナンスも含めたハイブリッド型の資金調達を実施した。
調達資金は以下の領域に重点的に使用される予定だ。
生成AI技術の活用を含むプロダクト開発体制の強化
法務・ビジネス双方の体験価値を高めるUX改善
カスタマーサクセスと導入支援の体制拡充
ミドルマーケット~エンタープライズ向けの営業体制強化
組織全体の基盤整備および事業成長投資
生成AI時代の“契約SaaS”を目指して
近年、契約業務は法務部門単体の役割から、組織横断での“運用業務”へと移行しつつある。Hubbleではこうした流れを見据え、協業性とデータ活用性を重視したプロダクト開発を進めている。特に注力しているのが、生成AIの活用による業務負担の軽減と、検索性の向上だ。
同社が展開する「Hubble mini」は、契約書PDFをアップロードするだけでGPT-4oを活用して契約情報を自動解析。主要項目のAI自動入力に加え、企業独自の管理項目にも対応できる柔軟性が特徴だ。法改正への対応や横断検索機能など、日常業務を支える機能も充実しており、スモールスタートから全社導入まで幅広く対応する。
投資家も注目する“全社的契約DX”
今回の出資を受けた各社からも、Hubbleの可能性に対する期待の声が寄せられている。SMBC日興証券の中西孝介氏は、「契約業務全体を俯瞰しプロダクトに実装する構想力」に魅力を感じたとコメント。阿波銀キャピタルの祖父江誠氏は、地方企業のDX化を牽引する存在としての役割に期待を寄せる。
また、パーソルベンチャーパートナーズの片山幹健氏は、「組織横断の契約業務を推進する思想と、将来的な人材ニーズ創出の可能性」を評価し、弁護士ドットコムの澤田将興氏も「全社のビジネススピードを加速するプロダクト」として高く評価している。
Hubble CEOの早川氏は「生成AI時代の契約SaaSといえばHubble」となる未来を掲げ、「皆さんの“生成AIなら○○できるかも”という予想を超える業務体験を実現する」と意気込みを語った。
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(TOMORUBA編集部)