
ライブコマース事業を展開するCellestが累計9.4億円の資金調達を実施。ライブコマース専用アプリ「WABE」拡充へ
ライブコマース事業を展開する株式会社Cellestは、2025年5月、複数の金融機関からデットファイナンスによる累計9.4億円の資金調達を実施した。今回の調達には、紀陽銀行、京都銀行、徳島大正銀行、日本政策金融公庫、北國銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行が参加しており、スタートアップ企業への支援姿勢が改めて注目される。
「ライブコマースのインフラ化」へ向けた取り組み
Cellestは、ライブ配信とECを融合させた「ライブコマース」に2017年から着目し、2019年に創業。ライブ配信を通じた販売を行うインフルエンサー「ライブコマーサー」のマネジメント事務所「セレスト」を運営し、「ぞうねこちゃんねる」「アヒルのライブマーケット」といった人気チャンネルを展開してきた。
2025年4月には、約2年にわたる開発期間を経て、ライブコマース専用ECモールアプリ「WABE(ウェイブ)」を正式ローンチ。事業者がライブコマースを手軽に導入でき、視聴者が安心して買い物を楽しめるプラットフォームとして、今後の成長が期待されている。
調達資金の使途:開発・マーケティング・人材に集中投下
今回の資金は、平常運転資金に加え、「WABE」の継続的な開発・運営、マーケティング費用、人員および設備投資に充当される。中でも注力されるのは、アプリの利便性向上とカスタマーサポート体制の強化。日本における「ライブコマースのインフラ」を目指し、マーケティング活動の積極展開や、配信スタジオの拡充、スタッフの採用・育成が進められるという。
金融機関からの信頼と期待の声
今回出資した各金融機関も、Cellestの成長性に高い期待を寄せている。紀陽銀行の談儀哲也氏は「ライブコマース市場の将来性、Cellestのノウハウに魅力を感じた」とし、みずほ銀行の西元一樹氏は「創業期からのメインバンクとして、インフラ化の実現を支援する」とコメント。日本政策金融公庫の江守百合佳氏は「ライブコマース業界のトップランナーとしての成長を期待している」と述べた。
代表取締役CEO・佐々木氏「WABEを市場の中心に」
代表取締役CEOの佐々木宏志氏は、「創業以来、『ライブコマースのインフラ化』という目標に向けて、粘り強く事業を展開してきた。今回の資金調達を起点に、WABEを中心とした事業をさらに加速していきたい」と意気込みを語っている。
大手企業のライブコマース参入も進む中、次世代の購買体験を再定義する存在として、Cellestの動向は今後も注目を集めそうだ。
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(TOMORUBA編集部)