
ヘルステックスタートアップ・カケハシ――ゴールドマン・サックスがリード投資家となり約140億円のシリーズDラウンドを実施
株式会社カケハシは、ゴールドマン・サックスをリード投資家とし、第三者割当増資、既存株主による株式譲渡、ベンチャーデットおよび融資からなる合計約140億円のシリーズDラウンドの契約を締結したことを発表した。
今回の調達により、幅広いプレイヤーとの協働をさらに深めるとともに、M&Aや新技術への投資、およびそれらの事業推進を見据えた人材への投資を積極化する。組織基盤の強化やプロダクトの拡充による当社プラットフォームの拡大を加速し、次世代ヘルスケアの推進を通じた日本の医療課題解決を目指していくという。
直近の事業状況と今後の展望
カケハシは「日本の医療体験を、しなやかに。」をミッションに、明日の医療の基盤となるエコシステムの創出を目指し、医療従事者やパートナー企業とともに事業を推進してきた。
2017年にスタートしたクラウド型電子薬歴・服薬指導ツールの「Musubi」をはじめ、薬局向けのプロダクトを複数開発・提供し、グループ全体で日本の薬局の20%超、全国14,000店舗超をカバーしている。近年の薬機法改正や診療報酬改定等で問われる“薬局の次世代化”を推進する医療プラットフォームサービスとして選ばれるようになり、患者さんと薬剤師の関係性強化や服薬アドヒアランス向上、薬局経営改善の実例も多数寄せられている。直近では、経済産業省による「医療機関におけるPHR利活用推進等に向けた実証調査事業」への採択や、医療機関・大学との共同研究など、技術研究と社会実装の両面で着実に成果を重ねている。
今後も、薬局向けサービスの拡充とともに、患者さんへの介入・フォローによる治療・薬剤の価値最大化、処方薬に閉じない生活者の健康増進・QOL最大化実現のためのPHRの利活用、薬局・卸事業者・製薬メーカー等との連携による医薬品の流通最適化・供給安定化等、薬局とともに医薬品産業・医療産業全体へと視野を広げて、ヘルスケアの次世代化による医療課題解決に取り組んでいく。こうした幅広い連携を実現すべく、M&Aや新技術への投資を積極化することで、課題解決のスピードを一層加速させていくという。
資金調達の目的
組織基盤の強化やプロダクトの拡充による同社プラットフォームの拡大に向け、M&Aや新技術への投資を積極化する。それに伴い、開発体制の強化に向けたエンジニアの採用に加え、営業・サービス導入支援・カスタマーサポート体制の充実を図るとともに、既存事業および新規事業において中核を担う人材の採用を積極的に進める。
デジタルテクノロジーを背景に個人・企業・国・公的機関・医療機関など多様なプレイヤーの相関を促進しながら、患者接点とデータを活用し患者さんの健康増進、再発・重症化予防に貢献する、今までにない価値を生み出せる持続可能な医療プラットフォームの構築を加速することで、日本の医療課題解決に取り組んでいく。
カケハシの目指す未来

調達概要
本ラウンドでの資金調達の内訳は以下の通り。

※JPインベストメント株式会社の子会社と三井住友トラスト・インベストメント株式会社を共同運営者とするJPS グロース・インベストメント投資事業有限責任組合
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(TOMORUBA編集部)