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【登録社数3000社 目前!】 大企業で「0→1」を体現したeiicon。その創業メンバーが語る2期目の決意とは?<後編>

【登録社数3000社 目前!】 大企業で「0→1」を体現したeiicon。その創業メンバーが語る2期目の決意とは?<後編>

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従業員数3万名を超えるパーソルホールディングスが自グループ内で毎年開催している新規事業コンテストから誕生したサービスであるeiicon。昨日公開した<前編>記事では、立ち上げ期の困難を振り返りながら、大企業の中でいかに新しい事業創造を進めていったのかを、eiicon創業メンバー3名(中村亜由子・田中みどり・富田直)が語り合いました。

本日配信する<後編>では、eiiconのメンバーが集まり、オープンイノベーションという手法を用いて実際どのように企業を支援しているのか、そして2期目を迎えての決意を語っていきます。

【写真左】eiicon founder 中村亜由子

2008年新卒でインテリジェンス(現・パーソルキャリア)入社。求人サイトDODAにて編集を経験後、新規開拓営業、正社員の転職支援領域における法人営業に従事。最速で営業マネージャーに昇進、約1000名の転職をサポート、MVP他社内表彰受賞歴多数。 2015年育休中にeiiconを単独起案&唯一通過。2016年4月に育休から復職後、地の利に関係なく地方含めた日本企業のオープンイノベーション実践をアシストするオープンイノベーションのための企業検索プラットフォームeiiconを担う。

【写真中】eiicon co-founder 田中みどり

2012年新卒でインテリジェンス(現・パーソルキャリア)入社。正社員の転職支援領域における法人営業部門にて、IT・インターネット業界の採用支援に従事。 全社一位の売上実績、顧客評価NPS全社トップ、最年少でマネジメントに昇進などの実績を残した後、 eiiconの立ち上げに参画。アライアンス・セールス・プロモーションなどビジネスサイドを担う

【写真右】eiicon co-founder 富田直

大手不動産会社にて社内SEとしてスマホサイトの構築〜タブレットアプリの開発に従事。また、業界初無人店舗端末の構築・運営まで幅広く経験。2014年にインテリジェンス(現・パーソルキャリア)入社後、アルバイト求人サイト anのリニューアルプロジェクトを担当。リニューアルによる月次応募の底上げに成功。社内表彰歴多数。その後、eiicon立ち上げ時から参画。Webサイト開発・デザインのプロジェクトマネジメント~ディレクション、サービス全体のマーケティングからコンテンツの編集など、幅広く、モノづくり全般を担う。

大企業の中で、リーンな組織に

――昨日配信した<前編>のトークセッションでは、大企業の新規事業であるeiiconの基盤となる「カネ」「ヒト」を集めたエピソードを語ってもらいました。いくつかの壁を乗り越え、サービスのローンチに向けて体制が整ったのが、2016年10月。その後、2017年2月にサービスローンチを迎えますが、その期間の動きを聞かせてください。

富田 : 私が他部署からeiiconに異動してきてまず驚いたのがその熱量とスピード感です。ファウンダーの中村からの要求水準も高く、最初は衝突することも多かったですね(笑)。これまで専門としてきた領域が異なるので話や進め方が噛み合わないということは当然ありました。しかし、「オープンイノベーションのプラットフォームを創る」という共通認識が会話の根底に常にあり、次第に話が擦りあっていきました。

中村 :2016年の10月に田中・富田が参画し、そこからの私・田中・富田3名でのコミュニケーション量は尋常ではなかったですね。本当に学生時代の部活並。寝ても覚めても、オンラインでもオフラインでもずっとコミュニケーションをとり続けていました。

周りからは喧嘩をしているように見えることも多くあったようですが、当事者の我々はもう周囲お構いなしに真剣に議論を交わし続ける、そんな毎日でした。

富田 : 当初は意見が食い違うこともあったのですが、だんだんと見える未来というか、ビジョンが同一化していくような感覚がありました。一度中村とガチッと感覚が揃ってくると、「今通例となりつつあるクローズドなオープンイノベーション手法を覆す」という世界の実現に向け、サービスの機能開発やプラットフォームの構築におけるスピード感が加速度的に向上していきました。意思決定やアクションスピードもどんどん速くなって、仕事の進捗スピード自体は以前の50倍くらいになったと思います。

中村 :今はいろいろな側面で、3人共同じ脳みそなんじゃないかと思うようなことが増えました。怖いくらい、目指すビジョンに対しての考えがシンクロしています。もちろん派手に意見を交わすことは未だにたくさんあるんですけどね。

田中 : 私は2016年10月にeiiconにジョインし顧客開拓をスタートしましたが実はサービスリリースの2017年2月末まで5か月間は、実際のWEBプラットフォームがまだない状態で顧客開拓を実践していました。「今作っています」と。(笑)

幸い、今まで担当していたIT・ネット業界の経営者の方にも賛同いただき、スタートアップ側の開拓は順調に進みました。

しかし、自前主義かつオープンな文化があまりない大企業の開拓に初めのうちは苦戦しました。「新規事業の考えをWEBにオープンにすることなんてできない」、「サービスができてから来てください」と追い返されることも多くありました。私自身オープンイノベーションに関しては、異動を決意した頃から必死に情報収集・勉強をしてきていましたが、実際の肌感覚はまだまだという状態。これまでの知識・経験をうまく活かすことは難しいのではないかと自信をなくす日々でした。

――それをどのように打破していったのでしょうか?

田中 : 行動量と細かい仮説検証の繰り返しでしょうか。月に80件程アポに行き、ニーズがありそうなお客様ととにかくコミュニケーションをとり、抱えている課題に耳を傾けました。そして、顧客のペインを日々分析し、商品開発を進めました。夜は連日イベントに足を運び、すでにオープンイノベーションを実践されている先駆者の方たちに学ばせていただき、夜中には中村・富田とディスカッションを繰り返し、オープンイノベーションにおいて手触り感のある市況と申しますか、具体的な顧客の悩みを掴んでいきました。

その結果、サービスリリース時には600社超の登録を獲得し、スタートさせることができました。

偶発的な出会いを生み出す

――実際、eiiconはどのようにオープンイノベーションによる企業支援を手がけているのでしょうか。

田中 : そうですね。eiiconで最初にお取引をさせていただいたコニカミノルタ様の事例をお話しさせていただきます。コニカミノルタ様は、すでにオープンイノベーションを推進されていて、さまざまなベンチャーとの接点をお持ちでした。しかし、パーソルグループが保有する網羅的な企業DBから探索ができる可能性と、自社のニーズをオープンにすることでうまれる偶発的な企業との出会いによって、オープンイノベーションがさらに加速する。そう期待をいただき、eiiconを利用してもらうことになりました。

中村 :コニカミノルタ様も独自のネットワークをお持ちでしたし、eiiconを利用することによって偶発的な出会いが生まれるのか、そしてその偶発的な出会いは有益なのかという点において初めは懐疑的でした。しかし、実際にご利用いただいた結果、これまでにコニカミノルタ様が出会ったことがなかった企業とのコンタクト・接点が多数生まれたのです。

田中 : 同時に、eiiconを通じて自社のオープンイノベーション活動を発信していくことの重要さも実感していただくことができました。現在では、コニカミノルタ様の社内のさまざまな部署にeiiconを紹介していただき、オープンイノベーションを加速させるお手伝いをしています。

中村 :また同時期の事例としては、富士通様と、AIサービスベンチャーのアジラ様との出会いもeiicon上でのコンタクトがキッカケでした。昨年、両社は東京都町田市において“帰宅困難者を見守るサービス”の実証実験を行い、今年1月には実証実験の第2弾を実施しています。

富田 :「オープンにオープンイノベーションを実践する」。今まで誰もチャレンジしてこなかった事業ドメインですが様々な副次的な効果も生まれていきました。たとえば、中京テレビ様では、eiiconのPRサービスに伴う取材・インタビューを行うことで、社内の各事業部担当者のモチベーションアップに貢献したという声もいただきました。

オープンイノベーションによって、事業を進化させる

中村 :その他にも、事業構想段階から思い描いていたことが事実になっていくたび、目指すビジョンが間違っていないぞと、勇気を持つことができました。京都と新潟の企業がeiicon上でコンタクトを取り合ったり、岐阜×東京、栃木×福岡などeiiconを介して地に関係のない企業間の「共創」の芽が出てきています。

富田 : 大企業だけではなくベンチャー・スタートアップや地方企業も含めて、オープンイノベーションの取り組みを発信し、自社の強みやニーズをPRすれば、適切な共創パートナーと出会える時代であるということをeiiconが実績をもって証明してきていると思います。

口コミや紹介なども嬉しいことに1年間で飛躍的に増えてきており、現在では、社内外から日々10件以上の問い合わせがくる状態にまで認知度が広がってきました。

中村 :eiiconが2期目を迎えられるのも、「価値ある出会いが未来を創る」というビジョンに賛同いただけた、お客様からのご支持のおかげであることは間違いありません。まだ一般的ではない手法に手を挙げてくださったお客様のためにもさらにサービスを磨いていきます。

今、私たちが目指す「オープンなオープンイノベーション実践」は日本の新規事業成功のファクターになりうる、という手ごたえはつかめてきました。ただ企業がオープンイノベーションを自立自走できる世界の実現には、まだまださまざまなハードルがあります。そのハードルの一つの例が大企業ルールです。

今では事業を創る、0→1の段階ではまず人とカネだと身をもって知っていることも、eiiconが提供できるひとつの価値だと思っています。田中・富田の圧倒的な顧客志向とPDCAを回す速度がなければ今のeiiconはありません。そして、カネがなければ、一歩も踏み出せませんでした。

どんな立場でも資金を調達することは、容易でないと考えています。ただ、企業は企業の利益を守る使命があり、その中で新たな異物「新規事業」で予算を獲得していくには特有のやり方があると思っています。我々はあくまで大企業内発の仮想カンパニー。その宿命として、法務や社内ルールや経理処理、たくさんの関門と出会い、乗り越えてきています。

日本には“カイゼン”の文化があり、やり方さえ掴めば、新規事業は生み出せますし、オープンイノベーションはやり方さえ掴めば自社で実践していくことができる。1年を通してより具体的に見えてきたその世界をめざし、我々はオープンイノベーションのプラットフォームとして、事業会社の皆様の挑戦へ本気の支援をこれからも続けていきます。新しい機能も続々投入していきます。期待してください。

(構成・取材・文/眞田幸剛、撮影/保美和子)

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