排泄ケアシステムを開発するaba、福祉用具レンタル事業のリーディングカンパニーであるヤマシタ社と資本提携
株式会社abaは、株式会社ヤマシタ、株式会社 Impact Venture Capitalなどから約1億円の資金調達を実施した。今回の調達により、ビジョンである「テクノロジーで誰もが介護できる社会をつくる」の実現に向けて事業開発を加速させていくという。
▲上写真左:aba 代表取締役 CEO 宇井吉美氏、右:ヤマシタ代表取締役社長 山下和洋氏
直近の事業概要
今期で創業10期目に入った aba は、排泄ケアシステム『Helppad(ヘルプパッド)』を、パラマウントベッド株式会社と共同開発・共同販売している。三大介護の一つである排泄介助の業務負担や、介護施設利用者へのケアサービス品質向上の目的で開発した製品。機器を身体に装着することなく、ベッドに敷くだけで排泄を検知でき、蓄積されたデータを利活用して排泄パターン表を自動作成する機能も備えている。
aba はこれまで『Helppad』の高齢者介護施設への普及販売を積極的に進めてきており、日々導入数が増えてきているという。引き続き、介護者を支えられるよう、そして要介護者へ必要なときに必要なケアを届けられるよう、『Helppad』の普及に向けて努めていくという。Helppad の導入を加速していくべく、2021年1月にはパラマウントベッド社の『眠りSCAN』とのシステム連携を行い、現時点で数多くの反響をもらっている。また、次世代排泄センサーの研究開発も行なっており、手の平サイズの小型化、ベッド上以外での使用を目的とした新型など、介護現場のニーズに応えられるよう日々試行錯誤を重ねている。
他にも、介護ソフトメーカーやセンサープラットフォームとの協業、協業会社との新規ソリューション開発など、aba の排泄センシング技術や製品開発の知見を活かした事業にも取り組んでいる。
今後目指していくこと
ヤマシタは長年、福祉用具のレンタル・販売事業を担ってきた実績があり、現在約10万人の在宅要介護者にサービスを提供している。1963年の創業以来、センシングや AI 技術を持つベンチャー企業への投資は、初の取り組みだという。
ヤマシタと aba が提携することで、今後期待されている在宅介護市場向けの排泄ケアシステム開発を加速させることができるという。ヤマシタの「自立支援を促す力」、そして aba の「支えあいを生み出す技術」。それらを掛けあわせることで、両社は日本の介護現場にもっと寄り添いながら、より多くの人がもっと自分らしい毎日を過ごせる未来社会の実現を目指していくという。加えて、既存製品だけではなく、在宅介護市場を見据えた次世代排泄センサーの開発・販売・マーケティング活動もより加速させていくという。
また、Impact Venture Capital のグループ会社である株式会社リブ・コンサルティングの協力で、権田氏が経営顧問に就任した。今後の事業を更に力強く推進できるよう、経営体制の強化も図っていくという。
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