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ECの台頭と運送の人手不足でイノベーションが不可欠に。AI×物流の共創事例

ECの台頭と運送の人手不足でイノベーションが不可欠に。AI×物流の共創事例

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多くのビジネスパーソンが注目するAIビジネスですが、AIには多用に細分化された用途があります。ですから「どの領域のAI活用がアツいか?」に注目するのが正しいビジネス洞察眼と言えるでしょう。TOMORUBAの連載「Break Down AI」では、期待される【AI×○○】の実態に迫り、どのような共創が行われているかに迫ります。

今回は、インフラとしての存在感が年々増していく物流におけるAI活用にフォーカスします。物流は工程が多く、関わる組織や個人も多岐にわたるため、業務効率化の余地が多いにある分野です。生産性は日進月歩で改善していますが、AIの登場で物流の現場にイノベーションが起きようとしています。

人手不足とECによって激変する物流事情

AIを活用している業界はどこも人手不足が大きな課題ですが、物流はその傾向が顕著です。経済産業省が今年7月に公開した電子商取引に関する市場調査によると、BtoC-ECの国内電子商取引市場規模は19.4 兆円で、前年比7.65%増というスピードで拡大しています。

しかし、国土交通省が2019年に公開した「トラック運送業の現状等について」では、貨物自動車運転手の有効求人倍率は上昇傾向で2.68倍となっています。市場は急成長しているのに、人手不足は加速しているのが物流を取り巻く現状なのです。


出典:トラック運送業の現状等について

明るい話題としては、AIをはじめとした物流テックが台頭してきています。今年1月に公開された富士経済の調査では、人手不足の対応策としてロボティクス、IoT、AIなどを活用したシステムの需要が増加していることがわかっています。

例えば、2025年市場予測(2018年比)では次世代物流システムが9,232億円(2.1倍)、さらに倉庫ロボットシステムは270億円(8.4倍)と予測されています。

現状のECの需要増と物流の人手不足を鑑みると、AI×物流のポテンシャルが高いことがわかります。

関連ページ:電子商取引実態調査

関連ページ:トラック運送業の現状等について

関連ページ:富士経済、次世代物流システム・ビジネス市場の調査結果を発表

AI×物流の共創事例

ここからは、AI×物流の共創事例を紹介していきます。

【大和ハウス工業×NTT Com】マルチテナント型物流施設「DPL市川」で実証実験を開始

大和ハウス工業とNTTコミュニケーションズは、大和ハウス工業が開発したマルチテナント型物流施設「DPL市川」において、NTT Comが提供するAI映像解析ソリューション「COTOHA Takumi Eyes®」を活用し、物流施設で初めて施設内に設置したカメラ映像から利用者のマスク着用有無や、施設内カフェテリアの混雑度を自動で検知する実証実験を2020年12月4日より開始しました。

同実証実験では、利用者が同施設に入館する際に、「COTOHA Takumi Eyes®」がマスク着用の有無を判定し、マスク装着を促すメッセージを同施設入口のモニターに表示することや、共用スペースであるカフェテリアの混雑度を検知し、エリア別の混雑状況や入場を制限するメッセージをカフェテリア入口に設置されたモニターを介して利用者に伝えることで、新型コロナウイルスなどの感染症拡大防止対策としての有効性を検証します。

今後は、サーマルカメラ連携による利用者の体温測定および発熱者の施設内における追跡や、NTT Comが提供するIoTプラットフォームと各種センサーの組み合わせることで、施設内の温度管理を行う仕組みの導入なども検討し、安全・安心な場の提供に取り組むとのことです。 

関連記事:大和ハウス工業×NTTコミュニケーションズ | マルチテナント型物流施設「DPL市川」においてAIを活用した実証実験を開始

【郵船ロジスティクス×シナモン】物流業務改善で協業、 AIを活用したシステム開発に着手

郵船ロジスティクスとAI-OCRを開発するシナモンは2020年3月、物流業務改善に向けたソリューション提供において、AIを活用した協業に関する基本合意書を締結したことを発表しました。シナモンのAI-OCR 「Flax Scanner」技術を活用し、航空輸出におけるケースマーク照合システムを開発することを目指します。

このシステム開発により、これまで目視で行われてきたケースマーク照合を、シナモンAIのAI技術であるFlax Scannerを活用しケースマークを読取・照合させることで、目視による確認作業の軽減や照合誤りの未然防止につながる期待がされます。

まずは郵船ロジスティクスの成田ロジスティクスセンターでの導入を目指し、その後、他の国内物流施設や海外施設への導入も進めていく予定とのことです。

関連記事:郵船ロジスティクス×シナモン | 物流業務改善で協業、 AIを活用したシステム開発に着手

【TRYETING×三井物産】サプライチェーン最適化に向けた共同実証実験を開始

AI技術の研究開発、およびライセンス販売事業を展開するトライエッティングは2020年1月、三井物産とサプライチェーン・バリューチェーン最適化を目指し、AI技術を活用した需要予測に基づくサプライチェーン業務効率化手法の共同実証実験を開始しました。

本実証実験では、TRYETINGのコア技術であるデータ・アルゴリズム集約プラットフォーム「UMWELT(ウムヴェルト)」の需要予測アルゴリズムと、三井物産の複数に渡る事業領域におけるサプライチェーンオペレーションのデータを掛け合わせることで、同社のサプライチェーン業務効率化の有効性検証を目的としています。

今後両社は、三井物産の幅広い事業領域、数多い出資先への技術適用機会を活用し、「UMWELT」を土台とした技術開発と価値提供機会の更なる拡大を目指すとのことです。

関連記事:名古屋大発AIベンチャーTRYETING×三井物産|サプライチェーン最適化に向けた共同実証実験を開始

【オプティマインド】三菱商事・三菱地所・東京海上日動・岡山県玉野市の協力の下、自動配送ロボットの実証実験を開始

ラストワンマイルに特化したルート最適化サービス「Loogia(ルージア)」を開発するオプティマインドは2020年12月、岡山県玉野市の協力の下で、三菱商事/三菱地所/東京海上日動火災保険が実施する、自動配送ロボットによるラストワンマイル配送の実証実験にパートナー企業として参画しました。

同件は、昨今開発が進む自動運転技術により、近い将来に中長距離幹線輸送やラストワンマイル配送においても普及が期待される無人配送に関する新たなビジネスモデルの可能性を検討する実証実験です。

今回の実証実験においてオプティマインドは、「Loogia」が顧客注文情報などを基に計算した配送順と走行経路を、ティアフォーが開発する自律走行ロボット「LogieeS」に提供することで、公道を利用したロボットによる商品配送実現を支援します。

オプティマインドは未来社会においても、自動運転をはじめとしたあらゆるラストワンマイルモビリティの意思決定を担う技術を提供し続け、「世界のラストワンマイルを最適化」を目指すとのことです。

関連記事:オプティマインド、三菱商事・三菱地所・東京海上日動・岡山県玉野市の協力の下、自動配送ロボットの実証実験を開始

【編集後記】バラバラだったシステムが一気通貫に

物流にはさまざまな組織や個人が関わるため、業務が煩雑になりがちです。今回紹介した事例では、バリューチェーン・サプライチェーンに関わる事業者がそれぞれ手を組んでいるものが多くありました。

利害関係者同士が同じ目標を解決するために共創することで、AIが得意な分野はAIに任せ、人間の担う業務がより本質的になっていくことが期待されます。

TOMORUBA編集部

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Break Down AI

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