損保ジャパン、有機廃棄物からエネルギーを生成する「サステイナブルエネルギー開発」と業務連携
損害保険ジャパン株式会社は、亜臨界水処理技術を活用して有機廃棄物からエネルギーを生成する事業により、顧客に安心安全な自立分散型エネルギーを提供するベンチャー企業、サステイナブルエネルギー開発株式会社と、エネルギー分野の社会課題解決に資する技術・サービスを提供するため、業務連携を進めることに合意した。
また、損保ジャパンのグループ持株会社であるSOMPOホールディングス株式会社は、サステイナブルエネルギー開発に出資した。
背景と目的
損保ジャパンは、「安心・安全・健康のテーマパーク」の実現に向け、優れた研究開発機関やベンチャー企業などとの提携・投資・人材交流を通して、社会課題の解決につながるような事業創造に取り組んでいる。
現在、持続可能な社会の実現に向けて、廃棄プラスチック、賞味期限切れの食品、農業廃棄物等の有機廃棄物の一層のリサイクルが求められている。また、社会インフラである廃棄物処理施設の老朽化、頻発する大型台風等の自然災害で発生した災害ごみの処理、長期停電に伴うライフラインの維持などの問題が顕在化している。そのような状況のなか、身近で発生する有機廃棄物を分別不要・低廉な費用でエネルギー化できる、災害に強く、人や環境にやさしい自立分散型エネルギーシステムのニーズが企業・自治体を中心に高まっている。
業務連携の概要
サステイナブルエネルギー開発は、亜臨界水処理技術(*1)をベースに、有機廃棄物を原料にしたエネルギー生成装置の開発に取り組んでいる。
同社製品は据置型と車載型があり、「プラスチックを含む有機廃棄物の分別が不要」「廉価な設置維持コスト」 「コンパクトなサイズ」 「CO2排出量の削減」「滅菌」を特長としている。また、生成物(ブラックペレット(*2)またはメタンガス)は再生可能エネルギーとして利用可能。同社は自治体の廃棄物処理施設、自立分散型電源としてオフィスビルや商業施設への内部設置や併設、スマートシティへの導入を検討している。また、当該装置を活用して海ごみのエネルギー化、感染性医療廃棄物のエネルギー化等を検討するなど、幅広い業界での再生エネルギーの活用を目指している。
損保ジャパンは、自治体との連携協定や大型台風などの自然災害対応時に蓄積したノウハウを活かし、災害時の災害ごみ処理や非常電源としてサステイナブルエネルギー開発が開発する装置の活用を検討し、レジリエントな社会の構築を目指すという。
(*1)亜臨界水処理技術とは、臨界点以下の高温高圧の水が持つ強い加水分解力を活かして、プラスチックを含む有機物を低分子化すると同時に、病原性を持った有機物も滅菌して無害化することが可能な技術。
(*2)ブラックペレットとは、エネルギー密度が高く、劣化しにくい、保管性や粉砕性に優れた燃料。同社製品で生成したブラックペレットには石炭なみの熱量がある。
▲車載型装置の利用イメージ図
今後について
損保ジャパンとサステイナブルエネルギー開発は、SOMPOホールディングスが有する経営資源の活用やグループ各社とも連携し、「安心・安全・健康のテーマパーク」を実現するサービスの開発・提供に取り組み、社会課題解決に貢献していくという。
<サステイナブルエネルギー開発株式会社について>
主な事業内容:
クリーンエネルギー供給事業
有機系廃棄物活用事業
畜産飼料およびバイオマス燃料作物の生産事業
高付加価値農産物の生産事業
非常用光源等の販売
地域資源循環構築のためのコンサルティング など
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