AI調理ロボットのTechMagic、JAFCOから資金調達を実施。外食産業の革新と社会課題の解決を目指す
TechMagic株式会社は、独立系ベンチャーキャピタル、株式会社ジャフコ(以下 「JAFCO」)から、シードラウンドで出資を受けたことを発表した。今回の調達を通じ、コア技術開発と開発環境を充実させ、最先端技術を利活用した調理ロボットと業務自動化ソリューションによる外食産業の革新と社会課題の解決を目指すという。
会社概要
TechMagicは、前Google日本法人名誉会長の村上憲郎氏をアドバイザーに、「ロボットによる持続可能な食インフラを創る」ことをミッションとして、2018年2月に設立。外食産業が直面している未曽有の人手不足を解決するため、ロボットの企画、設計、製造、販売を行っている。調理ロボット事業、業務自動化AIロボット事業により、外食産業にとって最大のコスト費目である人件費に対し、ソリューションを提供している。
ソリューションの特徴
1. 業務軽減でなく、スタッフ一人単位で省人化可能
2. 既存の店舗 / 工場オペレーションと親和性の高い、コンパクト且つ高効率なロボット
3. ロボットの企画、設計、製造、販売を行い、幅広い調理方法・プロセスに対応
事業内容
1. 調理ロボット事業
店舗キッチンにおける一連の調理工程を自動化し、人件費を抑制。既に大手飲食チェーン複数社(延べ20,000店舗超)からの引き合いがあり、順次調理ロボットを導入していく予定。
2. 業務自動化AIロボット事業
大規模調理現場及びセントラルキッチンにおける、洗浄・盛付工程などの単純作業を自動化し、人件費を抑制。既に、AIロボットの2020年度内の導入が決まっており製品化を目指している。
最先端技術
同社が有する最新技術により、価値の高いソリューションを提供。
1. 調理ロボット事業
〜スタッフ一人単位で省人化可能な、AI調理ロボットの技術を開発〜
調理器とロボットアームの単なる組み合わせでは、調理の手間や作業者の軽減に限度がある。同社の調理ロボットは専用に設計されたロボットアームとカスタマイズした調理器モジュールにより、調理工程の完全な自動化を目指している。ロボットアームとコントローラは同社オリジナルの構成で、多数のセンサ、アクチュエータを同期させて動作させることで、安定した品質と速度で料理の供給を実現。Webベースのインターフェースによって、店舗のオペレーションの簡略化はもちろん、顧客のスマートフォン等からの注文受付も可能になるという。
2. 業務自動化AIロボット事業
〜食器洗浄の工程を自動化するロボットソリューションを開発〜
大量の食器の洗浄が必要な病院、ホテル、エアケータリングといった洗浄ラインでは、食器洗浄機への食器の投入や、洗浄後の食器の収納作業にたくさんの人が携わっている。その環境は高温多湿で、衛生管理も厳しいため、作業者にとっては大きな負担。同社は産業用ロボットアームを用いた洗浄後の食器片づけの自動化ソリューションを開発。画像センサからの食器の映像で、食器の種類、位置および姿勢を正確に把握し、ロボットアームでピックアップして分別、収納できる。マーカや深層学習を用いた画像認識技術と、ロボットアームの動作制御技術を組み合わせたシステムを実現し、実証実験を通して製品化を目指している。
資金調達の目的
今回の資金調達により、以下の点を中心に強化するという。
1. 調理・業務ロボットのコア技術の開発
2. 開発環境の充実
資金調達先からのコメント
株式会社ジャフコ パートナー 北澤 知丈 氏
TechMagicは、白木さんの強い想いとリーダーシップのもと、圧倒的に優秀なエンジニア・ビジネスサイドのメンバーが集まったチームです。人手不足の現場を深く理解した、外食産業の直接的な課題解決に繋がるソリューションを創り上げ、既に飲食店への導入が見込まれている状況です。白木さんの想いに強く共感し、TechMagicと「持続可能な食のインフラを創る」ことにJAFCOも共に挑戦していきたいとの思いに至り、今回出資を決定させて頂きました。外食業界のスタンダードとしてグローバルに発展する企業になるものと期待しております。
TechMagic代表者メッセージ
代表取締役 CEO 白木 裕士氏
TechMagicは、世界中のヒトを調理や調理に付随する単純作業から開放できる世界を目指しています。外食業界は、人手不足が最も深刻化している市場でもあり、一刻も早く多くのお客様に調理ロボット/業務自動化ソリューションを提供したく、この度シードラウンドとして資金調達を実施しました。日本を代表するベンチャーキャピタルのJAFCO様が弊社の目指す世界に共感してくださり、引き続き爆速で事業を成長させていきます。
取締役 CRO & CTO 但馬 竜介氏
私たちは、人間の代わりに現実世界と戦ってくれるロボットを開発しています。 日常の仕事や作業で人々が直面する物理的な困難さを肩代わりしてくれるものです。その実現は決して容易なものではなく、ハードウェアとソフトウェア両方のロボット技術の高度な融合によってはじめて実現できます。私たちはロボットの「天才」でも「魔法使い」でもありませんが、世界を着実に良くしていくロボットを創れる、優れた技術者集団です。共に研究開発を行ってくれる仲間を募集しています。
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(eiicon編集部)