名古屋大学発のモビリティベンチャー、オプティマインド|トヨタなどから総額10億円を超える資金調達を実施
ラストワンマイルのルート最適化サービスを提供する株式会社オプティマインドは、第三者割当増資により、総額約10億1300万円の資金調達を実施したと発表した。第三者割当増資の引受先となったのは、トヨタ自動車株式会社、株式会社MTG Ventures、KDDI株式会社による「KDDI Open Innovation Fund 3号」(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)、他1社だ。同社は、引受先各社と連携を強化し、共同開発などを進めていくという。
資金調達の背景と目的
オプティマインドは、ラストワンマイルのルート最適化を目的としたサービス「Loogia(ルージア)」を提供するベンチャーだ。2018年9月に同サービスをローンチして以来、ラストワンマイルの配送事業者が直面する深刻なドライバー不足や労働環境の改善、配送業務の効率化を促進し、ルート最適化AIを活用した配送業務の持続可能性の実現に取り組んできた。
本資金調達を実施することで、プロダクト開発体制の強化、人材の獲得・育成、マーケティング施策の拡充、顧客の成功体験の実現、および事業の成長スピードの加速を狙う。また、「Loogia」を通して配送業界が抱える課題解決に貢献し、日本のみならず世界のラストワンマイルのルート最適化のインフラ構築を実現する構えだ。さらに、これまでに培ったルート最適化の知見を活用し、MaaS領域への参画を進めていくという。
引受先となった各社とは取引の強化も進める。トヨタ自動車とは、同社が構築するモビリティサービス向けの様々な機能の提供を目指したオープンプラットフォーム、MSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)に、オプティマインドのルート最適化で培った知見を活用する。両社が描くモビリティ社会を実現するために、共同開発を実施する。
また、株式会社MTG Venturesとは、経営や事業推進に関する知見、人的ネットワークを用いた支援により、オプティマインドの企業価値向上と経営体制の強化を図る。KDDI株式会社とは、IoT/AIを活用した「需要予測×ルート最適化」による配送ソリューションの共同開発を進める予定だという。
オプティマインドは、コア技術であるラストワンマイルのルート最適化アルゴリズムを研究し、現場に触れ、投資をすることで、ラストワンマイル現場に新しい価値をもたらし続ける世界のリーディングカンパニーへと成長することを目指す。
引受先各社からのコメント
■トヨタ自動車株式会社 執行役員 山本圭司 氏
オプティマインドとの共同研究を通じ、ベンチャー企業ならではのスピード感を学びながら、人流・物流を含めた様々なモビリティサービスの高度な配車を実現する最適化技術を早期に開発し、ジャスト・イン・タイムのモビリティサービスを実現することで、全ての人に移動の自由を届けるとともに、人々の生活が更に豊かになることを目指していきます。
■株式会社MTG Ventures 代表取締役 藤田豪 氏
令和新時代、オトナたちが応援したくなるような清々しい魅力を持った松下、斉東、高田の名古屋大学卒の経営チームは、日本の配送業務にイノベーションを起すべく大きな一歩を踏み出しました。若いこの経営陣は日々成長を続けています。将来、名古屋を代表する企業となるべく、全力で応援をして参ります。
■KDDI株式会社 ビジネスインキュベーション推進部長 中馬和彦 氏
オプティマインドのルート最適化技術と、KDDIグループのARISE analytics社の持つ「需要予測」技術を掛け合わせた、高度な配送ソリューションを共同で開発中で、今後、小売業、飲食業、エネルギー業などさまざまな業界への展開を検討していきます。また、今回の出資を契機に、MaaS領域でも連携を深め、両社のシナジーを最大化し、新たな価値を創造して参ります。
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(eiicon編集部)