富士通×名古屋市|地下鉄駅構内の混雑状況を、IoTで可視化する実証実験に着手―混雑緩和や利便性向上を目指す
富士通株式会社は、愛知県名古屋市と共同で、名古屋市営地下鉄 栄駅構内にWi-Fiパケットセンサーを設置し、人の流れを可視化する実証実験を10月7日より開始したことを発表した。本実証実験を通じて、地下鉄利用における混雑緩和や利便性向上を目指す。
取り組みの背景
今回、実証実験を行う地下鉄栄駅は、東山線と名城線が乗り入れ、一日あたりの利用者数は約23万人を誇る名古屋市の中核的な駅だ。1957年の開業以来、オフィスや商業施設などが集まる市の中心地として市民に利用されてきた。沿線でプロスポーツ試合などのイベントが開催される時には、全国各地から多くの観光客が訪れ、臨時列車の運行対応がなされるほど、利用者数が大幅に増加することもあるという。
そのため、駅構内の実態把握や分析が難しく、路線が入り組む複雑な構造も相まって、混雑緩和への適切な対策が講じられていないことが課題となっていた。これらの課題解決に向けて、富士通と名古屋市は共同で、地下鉄利用者の人流データを計測・分析する実証実験を行う。
実証実験の中身
今回の実証実験では、乗降および乗り換えを行う地下鉄利用者のスマートフォン(Wi-Fiがオンの状態)などの固有IDを、栄駅の改札やホームなどに設置したWi-Fiパケットセンサーで収集し、データを匿名化した上で計測を行う。その計測データをもとに、利用者数や人の流れを可視化、分析し、時間帯ごとに栄駅構内の最適な移動ルートを検証するという。
▲Wi-Fiパケットセンサーとプライバシーマーク(予定)を設置[左図] 栄駅ホームの設置場所(予定)[右図]
実証実験の概要
●期間 2019年10月7日から2020年1月31日まで
●場所 名古屋市営地下鉄「栄駅」構内
●実証内容
(1) 栄駅構内の人の流れをリアルタイムに計測
・栄駅構内の改札およびホームなどにWi-Fiパケットセンサーを6台程度設置。乗降および乗り換 えを行う地下鉄利用者が所有するスマートフォンなどの通信機器から発する固有IDのみをリアルタイムにセンサーで収集し、データを匿名化した上で計測。
(2) 収集データを可視化、分析
・センサーごとに収集、計測した固有IDをグラフ化し、人の流動状況を15分ごとに可視化。
・複数のセンサーで計測した固有IDをクロス集計することにより、時間帯ごとの人の流れを流動量とともに可視化。これらのデータを分析することで、栄駅構内における時間帯ごとの最適な移動ルートを検証。
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(eiicon編集部)