バカン × 宮城県仙台市 | 災害時に避難所195カ所の混雑可視化、混雑状況を伝える「VACAN」を用いた実証実験を開始
AIとIoTを活用してあらゆる空き情報を配信するスタートアップ、株式会社バカンと宮城県仙台市は、2021年7月2日、災害発生時における避難所の混雑情報配信に関する実証実験を開始したことを発表した。対象となる市内の避難所は計195カ所で、配信はバカンが提供するリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN(バカン )」を通じて行われ、インターネット上で確認ができる。
混雑情報の配信について
今回の実証実験では、仙台市が災害発生時に避難所を開設する際、バカンが避難所の混雑情報配信を行うインターネットサービスを提供する。現在対象となる避難所は計195カ所。配信はバカンが提供するリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN」を利用して行われる。
VACANには、マップ上で近くの施設等の空き・混雑状況を一覧できる「VACAN Maps」という機能があり、避難される方はこのVACAN MapsにPCやスマートフォン等でアクセスすることで、各避難所の位置や混み具合を確認することができる。混み具合の情報は、各避難所の職員から報告を受けた災害対策本部の職員がインターネット上の管理画面から操作することで更新する。表示は、「空いています」「やや混雑」「混雑」の3段階だという。
本実証実験の背景
コロナ禍においては、感染拡大防止のために人と人との間の距離を確保する社会的距離(ソーシャルディスタンス)などが求められている。これは災害時に開設される避難所でも例外ではなく、距離の確保や体調不良者のゾーニングなどが重要になる。一方で、そうした状況下においては各避難所の収容可能人数が従来と比べ少なくなる可能性があり、一部の避難所に人が集中することを避け、分散して避難することが必要になる。
そうした背景を踏まえ、仙台市が設置する民間企業等との連携窓口である「クロス・センダイ・ラボ」を通じ、実証実験を行うこととなった。今回の取り組みは、今後いつ起こるかわからない災害への備えとして、避難される方や遠方にお住まいのご家族の方が混雑状況を簡単にスマホなどから確認できるようにし、分散避難を考慮して行動できる環境づくりを図るものだという。
「クロス・センダイ・ラボ」について
仙台市の「クロス・センダイ・ラボ」は、民間企業等からの提案を一元的に受け付ける仙台市の窓口であり、2つの事業で構成されている。
「パートナーシップ推進事業」では、民間企業等から行政・地域課題の解決等に向けた提案を幅広く受け付け、対話を重ねながら提案の実現に向けた支援を切れ目なく行うことで、スピーディーかつ強力に連携を推進する。
「近未来技術実証ワンストップセンター事業」では、AI、IoT、自動走行、ドローン等の近未来技術の発展を推進するため、仙台市内で行おうとする近未来技術の実証実験について、必要な手続きに関する相談の受け付け、関係機関や実証実験のフィールドの管理者等との調整等を行い、民間企業等による実証実験の円滑な実施を支援する。
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