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KDDIグループ|常葉大学や国土緑化推進機構と連携し、IoTを活用したシカなどによる森林被害を未然に防ぐための実証実験を開始

KDDIグループ|常葉大学や国土緑化推進機構と連携し、IoTを活用したシカなどによる森林被害を未然に防ぐための実証実験を開始

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株式会社KDDI総合研究所、KDDI株式会社、学校法人常葉大学、公益社団法人国土緑化推進機構の4者は、鳥獣による森林被害の軽減のため、IoTを活用した森林管理効率化の実証実験を、8月より開始したことを明らかにした。

実証実験の背景

近年、日本における鳥獣による森林の被害面積は全国で年間約6千ha(※1)と言われており、林業に深刻な影響を与えている。静岡県内の植林地域においては、シカによる植林の食害被害が増加しており、防鹿柵による侵入防止などの対策が講じられている。しかし、防鹿柵はシカなどの動物による衝突や倒木などにより破損することがある。そのため、防鹿柵の破損を発見し迅速に修復作業を行えるように、定期的な見回りが必要だ。

近年は防鹿柵の監視業務の負荷を削減するため、カメラによる遠隔監視も行われているが、防鹿柵は広大な植林地域に設置されており、柵全体の監視には多数のカメラを設置する必要がある。そのため、機器費用、通信費用などのコスト面で課題があった。

これらの課題を解決するため、本実証実験では静岡県内の植林地域(※2)にて、広範囲に設置された防鹿柵を低コストで遠隔監視する手法の確立を目指す。

実証実験の中身

実証実験では、植林地域を囲う防鹿柵に、加速度センサー、並びに無線通信モジュールを搭載した振動検知センサーデバイスを一定の間隔で設置し、KDDI総合研究所にて考案した防鹿柵の振動原因(動物の衝突、風など)をAI(機械学習)により推定する手法を検証する。

今回本実証実験を行う植林地域は、携帯電話などのモバイル通信の通信エリア外であることから、収集した揺れデータをクラウドに送信するためのセンサーネットワークを構築。揺れデータはセンサーネットワークと、モバイル通信が可能な場所に設置されたゲートウェイ装置を経由し、クラウド上のサーバーに送信される。

また、この植林地域は電力会社からの商用電源が届けられていないエリアであることから、振動検知センサーデバイスは省電力回路を採用しボタン電池で、センサーネットワークを構成する装置はソーラー発電で動作する。そのため、商用電源のない場所でも常時監視することが可能だという。

今後、本実証実験を通じて取得した揺れデータを検証し、振動原因の推定精度の改善を継続していくとともに、アラーム発報など実監視業務への適用性を検証していく予定だという。

※1: 数値は2017年度。農林水産省「鳥獣被害の現状と対策」(2019年6月)

※2: 実証実験を実施する静岡県内の植林地域は、林野庁 関東森林管理局 静岡森林管理署と常葉大学社会環境学部との間で締結された協定に基づき、静岡森林管理署にて森林管理されている植林地域を対象としている。

(参考)「静岡森林管理署と常葉大学社会環境学部とのニホンジカによる森林被害対策での連携について」(2017年8月4日、林野庁 関東森林管理局 静岡森林管理署プレスリリース)

※関連リンク:プレスリリース

(eiicon編集部)

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