東京大学とAGC、東京大学国際オープンイノベーション機構を活用した共同研究を開始
国立大学法人東京大学と、AGC株式会社は、東京大学国際オープンイノベーション機構を活用し、同機構において初めてとなる大型共同研究プロジェクトを開始する。本年8月より新規事業創出を目的とした産学共同研究を開始するという。
東京大学は、基礎研究領域において産学連携の取組みを多数行い、さまざまな研究成果を生み出してきた。これらの研究成果の事業化を目的として、2018年12月1日に東京大学国際オープンイノベーション機構を開設。同機構により、これまで産学連携の基礎研究領域で培った研究成果を、事業化へ円滑に移行する仕組みが構築された。
一方東京大学とAGCは、ガラス分野では建築用素材の可能性を追求するための寄付講座や、ガラス加工を中心とした先端技術を創出するための社会連携講座を開設してきた。またフッ素化学分野ではフッ素化学・有機化学・生命科学の分野を超えた新領域開拓のための社会連携講座を開設するなど、さまざまな分野で長期的テーマの共同研究を進めている。
今回、東京大学の研究成果展開とAGCの新規事業創出を目的として、両者の研究開発力を結集し、東京大学国際オープンイノベーション機構を活用した共同研究を開始する。更に事業競争力を強化するため、技術成果や知的財産権の取扱いについて、これまでの産学連携の枠組みを超えた共同研究契約を締結した。同機構への参画に伴い、東京大学工学部浅野キャンパスに共同研究スペースを設立すると共に、AGCから共同研究員を派遣し、組織対組織の連携を進めていく。
日本の経済成長や事業競争力強化のため、産学連携を活用したイノベーション創出がますます求められている。東京大学とAGCは、東京大学国際オープンイノベーション機構による連携で、新規事業の創出を加速させると共に、学術の発展に寄与することを目指すという。
■東京大学国際オープンイノベーション機構概要
<名称>
東京大学国際オープンイノベーション機構
<発足日>
2018年12月1日
<機構の概要>
文部科学省オープンイノベーション整備事業の支援により発足。企業との大型共同研究の実施を通じて、大学の知識や技術から新たな社会価値を創出し、経済成長に資するオープンイノベーションプラットフォームの構築を目指す。
<研究領域>
生体・エンジニアリング、機能性材料、宇宙・環境、AI・情報
<機構長>
有信 睦弘氏(東京大学副学長)
<URL>
http://www.ioi.t.u-tokyo.ac.jp/
■本機構におけるAGCプロジェクトに関して
<AGC代表共同研究員>
岡添 隆氏(AGC株式会社 技術本部材料融合研究所)
<AGC共同研究内容>
フッ素化学関連技術
ガラス加工関連技術など
▲共同研究スペースを設置する東京大学工学部9号館
※関連リンク:プレスリリース
(eiicon編集部)