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6つの共創チームが提案する“未来のコミュニケーション”とは?――本気の共創を体感できるー日。

6つの共創チームが提案する“未来のコミュニケーション”とは?――本気の共創を体感できるー日。

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2019年1月に、第一回目となるオープンイノベーションプログラム「NTT Communications OPEN INNOVATION PROGRAM」を始動させたNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)。共創パートナーとして6つの企業・団体を採択、本気で事業化することを目指して、以下のような共創プロジェクトを前へと進めている。

 <6の共創プロジェクト>

●東京ロボティクス×NTT Com……テレイグジスタンスロボットを活⽤した遠隔地における専⾨作業の実現

●YouVR Inc.×NTT Com……データセンターにおける3D Viewを含む画像データプラットフォームの実現

●構造計画研究所×NTT Com……データセンターのスマートセキュリティ化の実現 

●慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)×NTT Com……ラグビーを⾰命するスポーツテックのシステムデザイン

●フーモア×NTT Com……NTT Comの鉄塔を活⽤した街おこし事業の創出 

●メトロウェザー×NTT Com……鉄塔を活⽤した⼩型ライダーの展開による⾵況データ活⽤の実現

――このように、初めてのオープンイノベーションプログラムを着実に推進させている同社では、来る8月29日に「OPEN INNOVATION DAY」と題したイベントを開催する。イベントでは、各共創プロジェクトの現時点における成果がお披露目されるほか、NTTデータ・NTT東日本といったNTTグループによる共創内容のピッチも実施される。また、各業界のイノベーター達によるセッション、さらにはネットワーキング・パーティーも盛り込まれ、多彩な内容となっている。

今回、eiiconではイベントが開催される「大手町プレイス ウエストタワー28F」にお伺いし、プログラム運営事務局の4名に、各共創プロジェクトの進捗や見どころ、イベント全体の見どころについてお話を伺った。

<写真左→右>

経営企画部 ビジネスイノベーション推進室/デジタル・カイゼン・デザイン室 ビジネスデザイナー 岩田裕平氏

経営企画部 ビジネスイノベーション推進室/デジタル・カイゼン・デザイン室 担当部長 福田直亮氏

経営企画部 ビジネスイノベーション推進室 八塩初奈氏

経営企画部 デジタル・カイゼン・デザイン室 斉藤久美子氏

■6者6様に盛り上がる共創プロジェクト

――まず、各プロジェクトの進捗と、8月29日に開催されるイベントでの見どころについてお伺いしたいです。「東京ロボティクス」さんとのプロジェクトは、どう進んでいるのでしょうか。

岩田氏 : 東京ロボティクスさんとは、『テレイグジスタンスロボットを活用した遠隔地における専門作業の実現』というテーマで取り組んでいます。東京ロボティクスさんの持つロボットと、当社の持つP2P通信技術を組み合わせて、遠隔地にあるロボットを自分の体の延長のように動かすという試みです。現在は、この技術の活用先を探しているというフェーズで、当社のクライアント先に訪問して、「こういうものがあれば使いたいか」というヒアリングを行っています。同時にロボットの開発も進めていますね。

斉藤氏 : 当社のテーマオーナーがシリコンバレーへ長期出張に行っていましたので、すでにアメリカと日本間で通信のテストはできています。イベント当日はビデオ紹介になるかもしれませんが、離れた場所にあるロボットを遠隔で動かすデモを見せたいと思っています。

――実際に遠隔でロボットが動かせると、かなりおもしろいですね。「構造計画研究所」さんとのプロジェクトはいかがですか。

岩田氏 : 構造計画研究所さんとは、『ハンズフリーなデータセンターラック鍵解錠』というテーマで取り組んでいます。これは、防犯カメラの映像をベースにユーザの顔や体の動きを検知して、当社のデータセンター内の鍵を自動的に開けるという内容です。「鍵管理が煩雑」という事業者とユーザのペインを解消したいとの想いが起点でした。進めていくうちに、当社のデータセンターだけにとどまらず、たとえばビル管理や施設管理といった方々にもニーズがあるのではないかと考え、ヒアリングを始めているところです。

斉藤氏 : 社外への展開を模索すると同時に、データセンターの一区画にカメラを設置して、テストも進めています。イベント当日は、簡易的な登録をしていただくことで、鍵が自動で開くような展示を予定しています。ぜひ、新しい技術に触れてください。

――自動解錠は、ぜひ体感してみたいです。「慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)」とのプロジェクトはいかがですか。

岩田氏 : SDMさんとは、『ラグビーを革命するスポーツテックのシステムデザイン』というテーマで取り組んでいます。協業プラン発表会の段階では、「スポーツに関わりたい人」と「スポーツ運営を手助けしてほしい人」をつなぐプラットフォームの構築を目指していました。その後、アイデアをブラッシュアップしていく中で、少し方向性を変えています。SDMさんがデータアナリティクスに長けていらっしゃるので、「スポーツデータを解析したい人」と「データ解析を手伝ってほしい人」をマッチングするプラットフォームをつくる方向で進めています。7月末には、当社のラグビーチームがある浦安の練習場でワークショップも行いました。

八塩氏 : ワークショップの内容としては、チームの強化という観点から、データの活用やスポーツファシリテーションを絡めた「講習」と、実際にデータを使って実践する「実習」です。イベント当日は、ワークショップで得られた感触などもお伝えしていきたいです。

――スポーツテックは今後ますます注目を集めそうですね。「フーモア」さんとのプロジェクトは、どう進捗していますか。

岩田氏 : フーモアさんとは、『鉄塔を活用した街おこし事業の創出』というテーマで取り組んでいましたが、ユーザーインタビューを重ねる中でアイデアを発展させました。現在は、フーモアさんが今後展開していく予定の新たなIP創出プラットフォームに、鉄塔コンテンツを提供するという話で進めています。ストーリーが分岐していくような、一般的なノベルとは少し異なるコンテンツをつくっていく予定です。 

八塩氏 : 当初、鉄塔の擬人化というキャラクターづくりで進めていましたが、鉄塔をモチーフにした物語にシフトしました。「鉄塔を題材にしたIPビジネスを確立する」という大筋は変わっていませんが、アイデアとしてはキャラクターから物語に寄った形です。イベント当日にどういう展示を行うかは現在詰めている段階ですが、コンテンツや物語はどなたにとっても身近なものだと思うので、ご覧いただき率直なご意見を頂戴できると幸いです。

(WeWork丸の内北口にて撮影)

――どんな鉄塔コンテンツがお披露目されるのか楽しみです。「メトロウェザー」さんとのプロジェクトはどうでしょう。

岩田氏 : メトロウェザーさんとは、『鉄塔を活用した小型ライダーの展開による風況データ活用の実現』というテーマで取り組んでいます。これは、当社の鉄塔に空気中の塵を観測する機能をもったライダーを乗せて、風況データを取得するという試みです。現在、関西にある当社の通信ビルにライダーを設置し、データを取得するテストを始めようとしています。

同時に、風況データを必要とする方々に、局所的な風況を提供するためのプラットフォームをつくる検討も進めており、ユーザーインタビューを行っています。たとえば、他社さんでドローン関連の実証実験が始まっていますが、ドローンを飛ばす上で、局所的な風の強さを見積もりたいというニーズがあります。そういったニーズに対して、風況データを提供することを考えています。

斉藤氏 : 風況を表示するサイトは既にいくつかありますが、地球全体の風の動きといった広範な規模での表示が大半です。このプロジェクトでは、もっとローカルな、ピンポイントかつリアルタイム性のあるデータ提供を目指しています。イベント当日は、ライダーで取得したデータを可視化したサンプルも展示する予定です。

――あらゆる業界でドローンの活用が進んでいるので、必要とされるシーンが豊富にありそうです。

※YouVR社との共創プロジェクトの進捗については、以下記事を参照ください。(下記画像のようにYouVRのプロダクトを活用し、『データセンター・通信ビル内部のストリートビュー化とビジュアル情報プラットフォームの構築』を推進中) https://eiicon.net/articles/974


■目指すのは、“五感で感じられる”イベント

――次に、「OPEN INNOVATION DAY」というイベント全体を通してどんな点に注目してほしいか、事務局がこだわっているポイントなどがあれば教えてください。

福田氏 : 現時点でオープンイノベーションプログラムの約半分が経過しましたが、各プロジェクトが様々な盛り上がり方をしています。テーマを深掘り、アイデアの質を高めていけばいくほど、価値訴求のポイントが変わり、良い意味で ピボットしたものもあります。どのプロジェクトも、生みの苦しみと醍醐味を同時に味わいながら、良いものを提供したいという高い熱量を持って取り組んでいるので、その情熱を会場で感じ取っていただきたいです。

また今回は、可能な限りプロトタイプをつくり、“五感で感じられる”イベントにしたいと考えています。プロジェクトごとにブース展示を設け、見たり触ったりできる場にします。この点はぜひ注目していただきたいポイントです。

斉藤氏 : 私たちは、すべてのプロジェクトをプログラムが終わっても継続して、事業化することを目指しています。イベント自体は通過点だと思っているんですよね。イベントを布石として次のステップにつなげていきたい。――ですから、各ブース展示を見てフィードバックをいただきたいです。テーマオーナーや共創パートナーと交流しながら、「こういった活用方法もありそうだね」といったご意見をいただければ幸いです。

――ブース展示がある点は、本イベントの特徴の一つですね。

岩田氏 : 今回、我々が共創パートナーと“一緒に”プロトタイプをつくる、“一緒に”ビジネスをスケールさせるということにこだわっています。ですから、両者が“一緒に共創していること”を伝えていけるイベントにする予定です。ピッチやブース展示にも、この要素を盛り込んでいきますので、ぜひそういった点にも注目してください。

八塩氏 : 加えて、NTTグループにおける共創事例のピッチとブースもご用意しています。NTTデータ内でオープンイノベーションを推進する「豊洲の港から」と、NTT東日本内でオープンイノベーションを推進する「LIGHTnIC」にも参画してもらいます。代表者に登壇いただき、共創のプロセスや、オープンイノベーションを進める大変さ等もお伝えいただく予定です。NTTグループ全体が、オープンイノベーションに力を入れていることも、ぜひ感じ取ってほしいです。

■ステークホルダーを巻き込み、強化されていくプログラム

――2019年1月にオープンイノベーションプログラムがスタートし、現時点で約半年ですが、事務局メンバーが学んだことや、社内が変わってきたという印象はありますか。

福田氏 : 日々、多くのことを学んでいますね。私たちは、「スタートアップのみなさんと共に、自分たちも汗をかきながら新規事業を生み出しましょう」という方法をとっています。一緒に取り組むことで、違った文化との交流が生まれ、スピード感の違いや保持してきたルールの違いに気づかされることがよくあります。

また、事務局という立場から、他社のオープンイノベーションの進め方にも注目するようになりました。ひとえにオープンイノベーションと言っても多種多様だと気づきましたね。ですから、他社のプログラムを見て参考にできる点はストックし、すぐに自社のプログラムに取り入れています。

岩田氏 : 本当にプログラム自体も、走りながらアジャイル的に変えていますね。予算の考え方を変えたり、契約の仕方を見直したり、知財の在り方に関してもどんどん情報がアップデートされています。

――新規事業を推進していく中で、知財などバックオフィスの協力は欠かせませんね。

八塩氏 : 知財や法務の担当者とも密に連携しています。担当部署でも新規事業について、早い段階からアイデアを把握し、柔軟に対応できるような、新たな関わり方の必要性を感じていたそうです。今回のプログラムの協力を持ちかけた際、「待ってました!」と言わんばかりに、積極的に議論に加わってくれました。

福田氏 : 新規事業創出をバックアップできる体制が社内に整ってきた事、バックオフィスとのうまい連携の仕方が見えてきた事は、今回の学びのひとつです。また、“アジャイル的に”という話が出ましたが、走りながら変えていくというスタイルは、計画経済のプロセスで進めるDNAが根強い当社にとっては、斬新なことなんです。さらに、経営層の間でも、探索的に進めることへの許容度が高まってきたと感じています。

斉藤氏 : 以前は、「わからないなら、やらないほうがいい」という雰囲気がありました。それが、「わからないからこそ、やってみたら?」という雰囲気に変わりつつあります。社内のカルチャーが少しずつ変化している実感がありますね。

――最後に、特にどんな方たちにイベントに来てほしいですか。

岩田氏 : 事務局として、このイベントを成功させたいと強く思っています。ですから、本当にたくさんの人にご来場いただきたいです。たとえば、大企業で新規事業に取り組む方、スタートアップで連携を模索している方、投資家の方々…。あるいは、今回の採択6テーマと組みたい企業の担当者や導入を検討していただける企業の担当者の方々も、ぜひお越しいただければと思います。

八塩氏 : 他社でオープンイノベーションプログラムの事務局を担当されている方も、ぜひご来場ください。私たちのプログラムにご意見をいただけるとうれしいですし、こちらからも共有していけることがあると思います。

斉藤氏 : テーマがバラエティに富んでいるので、幅広い層にお楽しみいただけると思います。ネットワーキング・パーティーや展示ブースを通じて、ぜひテーマオーナーや共創パートナーと交流を深めていただきたいと思います。

■取材後記

今回の取材では、オープンイノベーションプログラムを推進する事務局の熱意を感じることができた。本気で事業化を見据えているからこそ、一般的なDemoDayとは少し異なる、新しいタイプのイベントとなりそうだ。ぜひ当日は会場へと足を運び、各社とNTT Comが織りなす、6者6様の共創プロジェクトを体感してほしい。

NTT Communications OPEN INNOVATION DAY

■日程:2019年8月29日(木)

■場所:大手町プレイス ウエストタワー28F(東京メトロ「大手町駅」A5出口徒歩1分/JR「東京駅」丸の内北口徒歩7分)

■参加費:無料

■対象:オープンイノベーション・新規事業に関わる事業会社、スタートアップ、VC など

※詳細はコチラ(↓)をご覧ください。

(編集:眞田幸剛、取材・文:林和歌子、撮影:加藤武俊)

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コメント3件

  • Ayuko Nakamura

    Ayuko Nakamura

    • eiicon
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    アクセラにおける事務局の存在はとても重要で、
    事務局が能動的にかつ貪欲に動けるかは、プログラムの成否ももちろん、その後の事業化やインパクトにも大きく寄与する。
    
    Nコミュ事務局のみなさんは気持ちいいくらいメキメキ変化していくのも感じられる方々。事務局のみなさんがサポートする6つの共創チームも皆真剣。熱が失われないすごさ。
    DEMODAYもまもなくです!!ドキドキ!楽しみ!
    
    https://eiicon.net/articles/1040