福島県磐梯町×Another works、官民共創・複業促進で包括連携協定を締結 職員のスキルアップと複業実践を通じ、次世代型行政組織のモデル構築へ
複業したい個人と企業・自治体をつなぐマッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する株式会社Another worksは2025年12月23日、福島県磐梯町と、官民共創および複業等の促進に関する包括連携協定を締結した。両者は同日より、磐梯町職員のスキルアップや複業促進を軸に、新たな行政組織の在り方を検証する実証実験を開始している。
本取り組みは、行政課題が高度化・複雑化するなかで、自治体内部の人材育成と外部人材の知見活用を同時に進めることを狙いとするものだ。単なる外部委託ではなく、公務員自身が複業を通じて民間や地域社会と接続し、その経験を行政に還流させる点に特徴がある。
公務員の副業・複業解禁を追い風に、制度と現場をつなぐ実証へ
背景には、2025年6月に総務省が発出した「地方公務員の兼業に関する技術的助言の通知」がある。同通知では、これまで原則として認められてこなかった営利企業での兼業についても、一定の条件を満たせば許可対象となることが明確化された。人口減少や高齢化が進むなか、自治体には専門性の高い人材確保と民間連携の強化が求められており、職員側でも自律的なキャリア形成やスキルアップへの関心が高まっている。
こうした制度環境の変化を受け、Another worksと磐梯町は、職員が「複業クラウド」に登録し、実際に複業へ挑戦する機会を創出。複業によって得られる新たな視点や専門性が、職員のモチベーション向上やエンゲージメント強化、さらには離職防止や業務パフォーマンス向上につながるかを調査・検証する。あわせて、複業実践に向けた研修や学習機会の提供、組織エンゲージメントに関する共同調査なども行う予定だ。
「磐梯モデル」として全国へ発信、次世代型行政組織の先行事例に
実証実験のもう一つの柱が、次世代型行政モデルの確立と情報発信である。Another worksが提唱するのは、外部人材がスポット的に関与する従来型ではなく、公務員と複業人材が対等な立場で行政組織の一員として継続的に地域課題へ取り組む官民共創の姿だ。磐梯町で得られた成果や知見を「磐梯モデル」として整理し、全国の自治体へ横展開することを目指す。
磐梯町は、会津盆地の東北部に位置し、磐梯山を望む自然と、慧日寺跡(えにちじあと)に代表される歴史文化を併せ持つ町だ。こうした地域特性のもとで進む今回の挑戦は、地方行政における人材活用と組織変革の実践例として注目を集めそうだ。複業を通じた人材の循環が、行政組織と地域の双方にどのような変化をもたらすのか――。今後の動向が期待される。
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(TOMORUBA編集部)