まん福ホールディングス、シリーズC1stラウンドで19億円を調達 累計調達額は47億円に、食産業の承継と地方創生を加速
まん福ホールディングス株式会社は12月1日、シリーズC1stラウンドにて合計19億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はニッセイ・キャピタル、HIRAC FUND、かんぽNEXTパートナーズ、三菱食品、千島土地など複数の投資家。これによりエクイティ累計調達額は47億円を突破し、後継者不在の食企業を受け継ぎ育てる独自モデルの拡張に本格的に乗り出す。
事業承継14社・年商110億円規模へ
まん福HDは創業から約4年半で国内外14社の事業を承継し、連結売上は年間約110億円へと成長。今回調達した資金は、承継済み企業への再投資、今後の新規承継案件の獲得、さらには本部機能強化に充当する。従業員数は1,800名に達し、雇用と暖簾を守りながら第二創業を目指すロールアップ戦略が着実に拡大している。
投資家からは「食文化を未来に接続する社会的意義」(ニッセイ・キャピタル 堀田氏)、「地場食文化を次世代へ引き継ぐ挑戦」(HIRAC FUND 金坂氏)、「非連続成長への布石を支援」(かんぽNEXTパートナーズ 遠藤氏)など期待の声が寄せられた。食品大手・三菱食品も価値共創への姿勢を示し、食産業の未来視点での連携余地は広い。
食企業の連帯とスモールロールアップで地方創生を推進
まん福HDの特徴は承継後の磨き上げと、地域単位での連携設計にある。熊本、静岡/神奈川、南関東、北海道の4ブロックで「エリア共和国」を構築し、肉と魚を軸に横断シナジーを創出。承継会社自らが小規模M&Aを行う「スモールロールアップ」も並走させることで、自律的成長と商流拡張を可能にするオンリーワンのプラットフォームを目指す。
代表取締役社長 加藤智治氏は「『うまいでこの星をしあわせ一杯に』というミッションのもと、地域に根ざす食文化を次世代へつなぐ」とコメント。スタートアップ × 事業承継 × 地方創生で、新産業モデルの確立を掲げる。
日本の食を未来へ、そして世界へ
2025年問題に象徴される後継者不在は、飲食・水産・製造など食領域において特に深刻だ。まん福HDは承継企業の売却を前提とせず、共に育つ永続型モデルを取ることで、伝統と雇用、地域経済を同時に支える。
今回の調達により、同社は国内外での事業承継スピードをさらに高める見通しだ。日本の食文化を守るだけでなく、輸出・ブランド化・観光誘客など外向き成長まで射程に入る。次の焦点は、地域連携の拡張と海外市場への接続。日本の「うまい」を、未来につなぎ世界に届けるための挑戦がいよいよ本格化する。
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(TOMORUBA編集部)