
三菱UFJ銀行×富士通、健康予防領域でMOUを締結――PHRデータ活用でウェルビーイング社会の実現へ
株式会社三菱UFJ銀行と富士通株式会社は2025年8月1日、健康予防をテーマにした協業に関するMOUを締結した。両社は、日本が直面する少子高齢化や生活習慣病の増加といった社会課題に対し、データ利活用を通じて健康寿命の延伸や企業の健康経営促進を図る。具体的には、健康予防領域で活動する企業を支援し、ビジネスマッチングを推進。新たなサービス・イノベーションの創出をめざす。
AIによる行動変容サポートでPHRデータの活用課題に挑む
近年、運動・食事・睡眠といったPHR(パーソナルヘルスレコード)(*1)を活用したサービスが普及しているが、データ連携や活用ルールが統一されていないことが、事業拡大の大きな壁となっている。そこで、国内外のネットワークを持つ三菱UFJ銀行と、システム開発やデータ利活用に強みを持つ富士通が手を組み、パートナー企業とともに「健康予防エコシステム」の確立をめざす。両社の協業では、富士通のデータプラットフォームやAIを活用し、個人の行動変容を後押しする仕組みを構築する。例えば、ライフログデータをもとに一人ひとりに合わせた運動プランを提案し、無理なく習慣を継続できるよう支援する「脱落防止AI」などを想定。データドリブンでウェルビーイングやパフォーマンスの向上を促進していく。
実証実験は「運動×食」からスタート
すでに両社は2025年7月7日から、スポーツジム運営会社や宅食スタートアップと連携し、「運動×食」をテーマにした実証実験を開始している。トレーニングと食事のデータを分析し、生活習慣の改善や成果の可視化に取り組む。この実証は、三菱UFJフィナンシャル・グループと三菱UFJ銀行が設立したオープンイノベーション拠点「MUIC Kansai」で進められている。
今後の展望
三菱UFJ銀行は、協業を通じて産業育成やイノベーション支援といった社会的課題の解決をめざす。一方、富士通は健康関連企業が連携できるデータ基盤を整備し、個々人にパーソナライズされたサービスを提供できるプラットフォームの確立を目指す。両社は今後、運動や食事にとどまらず、睡眠など生活全般に広がる実証実験を展開し、健康予防領域の包括的な社会課題解決に取り組んでいく。
(*1)PHR(パーソナルヘルスレコード):運動、食事、睡眠など、個人の健康状態や身体情報を記録した健康データを、個人レベルで管理する仕組み。
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(TOMORUBA編集部)