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ブラザー工業×Dots for、アフリカ農村で「村の印刷サービス」を開始 デジタルデバイド解消へ資本業務提携

ブラザー工業×Dots for、アフリカ農村で「村の印刷サービス」を開始 デジタルデバイド解消へ資本業務提携

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株式会社Dots forはブラザー工業株式会社と資本業務提携を締結し、アフリカ農村部における印刷・コピー事業「村の印刷サービス」を本格的に展開する。2025年8月5日に発表された。両社はこれまで1年間にわたり、西アフリカ・ベナンで実証実験を実施。村での印刷・コピー需要の有無やブラザー工業製インクジェット複合機の耐久性、Dots forが提供するデジタルプラットフォーム「d.CONNECT」との連携を検証してきた。その成果を踏まえ、今回の提携により事業拡大を図る。

地区農村部に深刻な「印刷格差」

アフリカ農村部では、多くの住民が基礎インフラや通信環境から取り残されている。公的書類の印刷や学校教材のコピーなど需要は大きいものの、村内に印刷・コピー施設が存在せず、住民は数十キロ離れた都市まで移動する必要があった。その結果、時間・費用の負担が生じるだけでなく、印刷を諦め授業に参加できない学生も出ていた。

Dots forの代表取締役 大場氏は「水や電気の課題は世界的に認知されている一方、『印刷ができない』という不便さは軽視されがちだった。ブラザー工業との協業で、農村住民の生活を大きく変えることができる」と語る。

デジタルプラットフォーム「d.CONNECT」との統合

Dots forは2021年創業以来、農村の通信環境整備とデジタル化を進める「d.CONNECT」を展開。スマートフォンを通じて教育、行政、金融などのサービスを利用できる仕組みを構築してきた。今回の「村の印刷サービス」は、その中核機能のひとつとして組み込まれる。

ブラザー工業は、自社の複合機を農村部に導入することで、新たな市場開拓を目指す。同社の代表取締役副社長の桑原悟氏は「インフラ制約の強い農村部での取り組みは困難だが、Dots forとの提携で現地に即したビジネスモデルを構築できた。印刷が身近でなかった人々にサービスを届けることは、持続的成長と社会貢献の両立につながる」とコメントしている。

▲村にブラザー工業の複合機が設置された様子

アフリカ農村の「制約をなくす」

Dots forは「アフリカ地方部の制約をなくす」をパーパスに掲げ、西アフリカのベナンやセネガルで事業を展開している。農村住民に通信インフラとデジタルサービスを提供し、行動データを活用することで生活の利便性や収入向上を支援してきた。

今回の「村の印刷サービス」は、その延長線上にある取り組みであり、農村に潜む小さな「不便」を解消することが、教育機会の拡大や地域経済の活性化につながると期待されている。

今後の展望

ブラザー工業とDots forは、今回の提携を起点にアフリカ各国の農村部へ展開を広げる方針だ。両社は持続可能なビジネスとして成長させつつ、農村の情報格差を埋める「社会インフラ」としての役割を担っていく。

アフリカ農村の小さな村で、住民が当たり前のように印刷・コピーを利用できる未来――この実現は、デジタルデバイド解消に向けた大きな一歩となるだろう。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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