
インタラクティブ動画制作プラットフォームを運営するMIL、シリーズAで総額5.8億円を調達 インタラクティブ体験の普及で事業成長を加速
インタラクティブ体験を軸にデジタルコミュニケーションの革新を目指すMIL株式会社は、シリーズAラウンドにおいて総額約5.8億円の資金調達を実施した。リード投資家にはニッセイ・キャピタルが参画し、DEEPCORE、INNOVATION HAYATE V Capital(IHVC)もフォロー投資家として出資。さらにSDFキャピタル、日本政策金融公庫、東日本銀行からの融資も合わせ、累計調達額は約3.9億円に達した。今回の資金調達を通じて、開発・人材・マーケティングの三方面で体制を強化し、事業成長を一層加速させる構えだ。
「伝えたいのに伝わらない」課題に挑む
新型コロナ禍を契機に企業と顧客の接点はオンラインに急速に移行した。しかしテキストや画像に依存した従来の情報発信では、複雑化する顧客ニーズに十分応えられず、機会損失が生じているのが現状だ。MILが提唱する「インタラクティブ体験(IX)」は、視聴者が自ら興味に応じて情報を選択できる仕組みで、双方向型のコミュニケーションを可能にする。さらに、その行動データを分析することで最適化されたアプローチを実現でき、従来の一方通行的なデジタル体験との差別化を図る。
DXとCXをつなぐ 業務効率化から成果創出へ
多くの企業で進むDXは効率化には貢献しているものの、顧客体験(CX)の向上や売上増には直結していないケースが目立つ。MILは「DXとCXをつなぐ具体的な方法論」としてインタラクティブ体験を位置づける。コンテンツ制作配信プラットフォーム「MIL」を中核に、戦略設計から実装・分析・伴走支援まで一貫して提供し、単なるツール提供にとどまらず「成果の出る体験」へと顧客の業務プロセスを変革してきた。これにより、コンテンツを「作って終わり」にしない再現性の高い成果創出サイクルを顧客自身が回せる点が特徴だ。
「インタラクティブ採用」 内定承諾率1.3倍の成果をもとに本格展開
今回の資金調達を受け、MILは「インタラクティブ採用」を本格展開する。同サービスは候補者が能動的に情報を選択できる仕組みを採用活動に取り入れたもので、企業は候補者の興味関心データを正確に把握し、選考プロセスを最適化できる。既に導入企業では内定承諾率が1.3倍に向上するなど成果が出ており、採用のミスマッチ解消や工数削減にも寄与する。正式リリースされた「Recruit MIL」では、候補者の理解促進と企業の採用効率化を両立する新しいスタンダードとしての普及が期待される。

今後の展望
調達資金は主に開発体制の強化、人材採用の拡大、マーケティングの推進に充てられる予定だ。MILは、DXとCXをつなぐ「インタラクティブ体験」のリーディングカンパニーとして、マーケティングから採用まで幅広い業務領域で顧客企業の価値向上に貢献していく構えだ。代表取締役 光岡氏は「インタラクティブ体験を通じ、企業と顧客、そして社会全体に新たな可能性をもたらす」と意気込みを語っている。
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(TOMORUBA編集部)